二回戦
前回の後書きに書いたことを実行するようにしました
だからキャラ名お願いします
残る試合はアリス、シエル、エミリア、アジアンの四人だ。もう参加メンバーがぶつかる二組は消化されたので一般プレイヤーが相手だ。だがアリアは思った。最近、シエルとアジアンの戦いを見ていない、と。
『さて、次の試合は《双大剣》、シエルと《THE・普通》アヤ!』
『ぜってぇ二つ名無いから考えただろ』
『あ、ばれました?』
「だとよ」
「って言われてもなぁ……二つ名なんてある方が珍しくね?」
アヤとシエルは笑い合ってそれぞれの獲物を構えた。二本の大剣と長剣、盾が向き合う。そして同時に前に出た。
二本の大剣を巧みに操り、責め立てるシエル。大して剣と盾で攻撃を防ぎ、着実にダメージを与えていくアヤ。しかしアヤの膨大な防御力を破るには火力が足りない。
「へっ!」
「うらよっ!」
なんだか気が合いそうな二人の斬り合いは長く続き、掠ったシエルの一撃が決め手となった。そして体勢を崩したアヤにシエルが手を伸ばし、握手して謎の感動を呼んだ。もちろんシエルの勝ちだ。
*****
『次の試合は《刀姫》、エミリアと《ハイエンド》アスレイト』
『誰よマジで』
『そうですね……名前を聞いたこともありませんし、一波乱あるかもしれませんね』
三秒後、一瞬で切り倒されたアスレイトに実況席が絶句した。
*****
『一回戦最後の試合、《虐殺人形》、アジアンと《七天抜刀》、ファントム!』
『ファントム? また知らない名前だな』
『《幻影》スキル使いと言うことしか分かりませんね』
「名前で判断するには情報が無さ過ぎると思うよ」
アジアンは《スクリーミングダガー》を構える。相手は刀の柄に手をかけている。居合い斬りだろう。
『スタート!』
「《幻影》!」
「お」
そのプレイヤーがどんどん増えていく。どれが本物か分からない。どうしたら良いのか分か……った。《スクリーミングダガー》を逆手に握り、手の甲に刺す。ダメージを受けつつ
「《二重解放》!」
「なに!?」
「《デスクライソード》!」
《二重解放》は通常の《解放》を越える。しかし条件がある。アジアンの《スクリーミングダガー》の場合、持ち主の体力を消費し、手の甲に刺して変形する。その形状は鞭というしか無い。
「ごめん、たとえ数を増やしたとしても無駄なの」
薙いだ。次々と消える幻影を切り裂いていると魔法が放たれた。
「幻影の中に分身が!?」
「それら全ての魔法ですよ!」
「「「「「「「「「「《フレアランス》!」」」」」」」」」」
爆炎が辺りを包み込んだ。アジアンは倒れた。そう確信したセスタスは勝利宣言をしようとしたが
『スカイさん?』
『待て、まだ終わっちゃねぇぞ』
『ですがアジアンが今の攻撃で……』
『馬鹿、よく見ろ』
半信半疑でセスタスはアジアンを、正確には爆発の中心を眺める。爆炎のせいで確認できない。しかし
「ふぅ、怖かったよ」
「んなっ!?」
アジアンの声が聞こえた。そして爆炎が晴れたそこには赤黒い繭があった。それがしゅるり、と解けて
「無傷!?」
「ノーダメージだね」
そしてアジアンは一も減っていない体力のまま、ファントムを切り倒した。
*****
勝ち抜いたのはアリアを筆頭に魔王、マモン、レヴィ、ブブ、アスモ、シア、マグナ、アジアン、セプト、マリア、エミリア、シン、シェリル、シエル、アリス、そしてエカテリーナだ。ちなみにアリスは相手をぐるぐる巻きにして投げて観客席に放り込んだ唯一の場外勝ちだった。
『それでは二回戦第一試合は一回戦を一瞬で終わらせた《魔王》ディアボロスと《魔術剣士》アスモデウス!』
『さっき奥さん斬られた恨みがあんだろ? いたぶられるんじゃね?』
『放送禁止的な?』
『そうそう』
不穏なこと言ってるなー、とアスモは重いながら《ダナトゥス》を逆手に構える。魔王に勝てるとは思えないんだが……ま、やるだけやってみるか。
「アスモ」
「ん?」
「楽に死ねると思うなよ?」
「……できれば手加減して欲しいんだが」
「はは、死ね」
にべもない。アスモが大きくため息を吐いて剣を胸元に寄せる。心臓を護りながらその時を待つ。
『スタート!』
「ふん!」
「おわ!?」
護っている心臓をあっさりと無視して顔面にナイフが飛んできた。慌ててそれを柄で弾いたが
「速えよ!?」
「アリアほどじゃない」
「あ、それもそうか」
なんとか心臓狙いの突きを払い、柄と剣身で二本のナイフを捌く。
「《エンチャントーエアー》!」
「無駄だ! 《解放》!」
うげ、マジか。アスモの剣、《ダナトゥス》の《解放》形態は《エンチャント》スキルの大幅強化だ。だが、魔王のナイフを捌きつつ《解放》するのは現実的では無い。つまり俺に勝ち目は無い。アスモはそこまで考えてため息を吐いた。
「死んだろこれ」
「どこかで似たようなやり取りがあったな」
魔王の言葉と共に動きが加速した。魔王のナイフが顔面を狙う。口にさせないために、言葉を発させないためにだ。ダメージを覚悟して《ダナトゥス》を振り下ろす。しかし腕が切り裂かれ、切り落とされた。そしてそのまま連続斬りで全損してしまった。
*****
「魔王に勝てるわけ無いじゃんよー」
「ふん、正面から手加減しろなんて言うお前が悪い。むしろ全力を尽くしたくなった」
*****
『続いての試合は……え、これマジ?』
『現実を受け入れろ。んでどんな組み合わせ……あー、えっとなんだその……』
実況席どうした。アリアはそう思いながら目を閉じた。直後
『《最強》、アリアと《魔女》シェリル!』
『姉妹喧嘩……か』
『どうなると思います?』
『やべぇの一言に尽きる』
スカイの言葉にアリアは頷きながら段上に上がる。そのまま剣を抜く。
「あら、《悪魔龍皇剣》も《無銘》も使わないの?」
「うん、それは使わないよ」
アリアが握る剣の名はアリアしか知らない。なぜならアリアが適当に作って売れ残った剣だからだ。だがアリアはそれを安価で売り捌いたりはしない。自分で使い尽くすと決めているからだ。
「舐めているの?」
「ううん、キチンとこっちのも使うよ」
「それは《エウローペ》の?」
「うん」
魔法を無効化できる剣だ。シェリルはそれを確認して大きくため息を吐いた。メタ装備に勝つのは楽ではないからだ。そもそもこっちで妹に勝てたことはないのにさらに勝機が失われた。だが
「負けないからね」
「ううん、シェリ姉は負けるよ」
「そう?」
「だって僕が最強なんだから」
試合は一瞬で終わる。誰もがそう思った。しかし三人が違う意見を持っていた。マモンとエカテリーナ、そしてマグナだ。彼女たちはアリアを識っている。深く識っている。だからこそアリアはシェリルに勝ちたいという願望を持っているのも気づいていた。
この世界でなら勝てる。唯一無二の勝利できるジャンルでアリアが一瞬で決着を付けようなどとは思わない。アリアならばーー
「「「全力を尽くさせて、突き破る」」」
アリアは二本の剣を比翼の翼のように構える。そのまま低い姿勢で開始宣言を待つ。シェリルも詠唱を完了し、いつでも放てる状態だ
「《セブンソード・メテオ》!」
七本の剣の形をした光が高速でアリアへ迫った。極限までに高めたagiを持ってアリアは回避しようとするが範囲は広い。避けられない、アリアはそう判断した。
誰か、名前を、提案して、ください
さも、なくば、現在進行形での『名前』のままになり、そうだ、よ?
次回は二回戦の続き
正確にはアリアとシェリル戦
感想欲しい……誰か感想をください……乾涸らびた作者に 感想という名の潤いを!
セプト抜けてたぜ!




