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機械と人間

「リンクイン」

『リンクイン』


二人で同時にリンクインする。そのまま私と僕が切り替わりーー目の前に少女が立っていた。緑のツインドリルに蒼い目の少女だ。


「アリアさんですね」

「マグナ……可愛いね」

「それはサンプルの方々が……」


聞かなかったことにして


「僕も新しくアカウントを創らないといけないんだよね」

「そうですね」

「それじゃ一緒に創ろうか」


僕は少し悩みながら自分の容姿を創り上げた。蒼い髪に碧の瞳、マグナとは真逆だ。とりあえず容姿をお互いに見合うと本当に真逆だ。あはは。


「ツインドリルとツイン三つ編み。中々面白い感じだね」

「そうですか?」


*****


チュートリアルを済ませて装備である剣を握りしめる。換えようか、そうも思ったけど初心者だと考えれば使い慣れたのが良いだろう。仕方なしに選んだ。


「アリアさん」

「ん、今はアリシアだよ」

「一文字増えましたね」


無駄だ、とでも言いたいのかな。とりあえずマグナの装備を眺めると


「銃使うんだ」

「はい。使いこなせそうなのがこれぐらいしか無かったので」

「剣も使えそうだけどね」


マグナは何も言わなかった。だけどそっと微笑んだ。そしてそのまま銃を抜いて


「どうです? 似合いますか?」

「んー、女の子が銃ってロマンだよね」

「そうでしたか」


五分後、街から出た。そのままモンスターと戦っていたのだが全然ダメだ。ステータスに頼り、スキルを使わない戦いに慣れ過ぎていた。だから


「それは槍ですか?」

「うーん? 多分ね」


マモンに頼んで運んできてもらったけど歪だ。なんでくねくねしているの?


「と言うわけで剣に返り咲きました」

「速過ぎませんか?」

「善は急げ」

「……」


マグナが絶句しているのを眺めつつ装備を確認する。さすがに星獣装備を使う気にはならなかった。だから久々とも言える真面目な防具(自作の服兼防具)と剣だ。十分強いそれらはモンスターを一撃の下に葬り去る。


「アリアさん」

「なに?」

「モンスターにもAIがあります。そしてそのAIの出所は……私です」

「……うん、そうだね」

「アリアさんはこれを見せたかったんですか? 自分の欲のために私の思考を継いだ者を倒す、そんな姿を」


アリアの表情が真っ青に染まる。データだから過剰な表現なのだ。まぁ、青くなったのはなったのだが。

アリアは訝しんでいた。何故モンスターに銃を向けないのか、と。その原因は自分自身だからだ。撃てなくて当然で、敵対しなくて自然だ。だからといって


「なら……なんでマグナは何も言わないのさ?」

「? 言っていますよ」

「そうじゃなくて……今の言葉通りなら今もマグナは殺され続けている、違うの!?」

「違いません。殺され続けています」


事実確認のような言葉は無感情だ。そしてアリアはそれを見て表情を曇らせた。


「何故アリアさんはそんな顔をしているんですか?」

「……マグナこそなんで無表情なのさ」

「なんで、と言われましても」


困惑したような口調で無表情だ。どうしたのか、それを周囲が思っている。しかし誰も声をかけては来ない。


*****


「アリシア、ねぇ。なんともまぁ捻らない名前」

「レヴィ、僕たちはしばらくここには来ない」

「あっそ。その間はどうするつもりなの?」

「マグナと一緒にいるよ」


そんな会話をした。だがアリアの心は辛かった。マグナの言葉を聞いた今、アリアはもう、戦えないと思っていた。


「アリシア、あなたはどうするんですか?」

「マグナ……僕は……」

「私を倒したのはあなただけじゃありません。ですが私はそれになんの感情も抱いていません」

「………………………………」


マグナは考えない。平均的な思考を元に口にする。だから感情のままに生きているアリアとは分かり合えない。誰もが諦めるだろう、そんな平行線。だがアリアは諦めなかった。そして


「マグナ、僕と勝負だ」

「……?」

「僕はマグナをぼこぼこにするから」

「……アリアさん」

「アリシア、だ」


今の僕は《最強アリア》じゃない。《弱者アリシア》だ。だから


「正面から一対一で戦おうよ、マグナ」

「……分かりませんが分かりました」

「え?」


プログラムらしくない曖昧な言葉に戸惑う。するとマグナは腰の銃を抜いてアリシアの額に突きつけた。そして


「私の中にはジャックと達也がいるんですよ?」

「……?」

「負けず嫌いなんですよ、私は」


*****


アリシアからアリアに切り替わる。そのままカーマインブラックスミスを飛び出し、飛ぶ。フロアの真ん中から飛び降りて約束の場所に向かう。そこで彼女が待っているからだ。


「早かったですね、アリアさん」

「ごめん、待たせたね、マグナ」


剣を抜いて構える。《天龍剣》だ。アリアの作り上げた普通の剣、何も特殊効果の無い剣だ。ただ単純に物理攻撃が高い、そんな剣だ。

大してマグナの銃は《アルスマグナ》、錬金術を意味するだけの物理が高い銃だ。錬金術に関係する者は何も無い。ただアリアのネーミングセンスが反応しただけだ。

銃と剣が向かい合う。しかし悲しいかな、アリアとマグナではレベル差があり過ぎる。それはお互いに理解している。だからどちらも引かない。


「先手は上げるよ」

「ありがとうございます」


初速が異常なほどまでに高い、それを創った本人が実感しながら剣の柄で受け止めた。刃や剣身、鍔では間に合わなかった。レベル1でも装備が強ければ、と戦慄している場合じゃ無い。今もなお、マグナは銃を向けているからだ。そして引き金が引かれた。その弾丸はアリアを撃つが……ダメージは極々微量だ。一桁のダメージを見てもマグナは何も言わない。


「これがマグナと戦い続けて得た力だよ」

「無駄な力ですね」

「うん、無駄って思われても仕方ないと思うんだ。だけどさ、マグナは考えたことは無い? もっと上を目指したいって」

「ありません」

「そっか。だったら僕はマグナを倒すよ」

「意味が分かりません」


だろうね、と思いながら剣を振る。連続して飛来する弾丸を受け止めて、避け続ける。レヴィとは違って確実に当たりそうに無いと撃ってこない。ちなみにレヴィは当たりそうに無いのを当たるに変えてくる。反射撃ちとかで。


「ん」

「前から思っていましたがアリアさんは以上です」

「今思っているけどマグナも十分異常だよ」


そのまま弾丸を剣で切り落としてマグナの懐に飛び込んだ。そのまま脇腹から剣を走らせようとしたけど


「嘘!?」

「アリアさんの性格ならこう来ると思いました」

「……っはは!」


アリアは思わず笑った。そしてそのまま剣を振るった。何で笑ったのか分からない。しかしアリアがマグナの顔を見た瞬間、その表情は驚きで彩られた。何故なら


「笑っている?」

「私がですか?」

「うん!」

「ありえません」


機械だから、とでも言いたいのかな。アリアはそう考えながら剣で切る。しかしマグナの銃に阻まれ続けてーーいつしかそれの終わりは来る。いくらアリアが手加減をしているからと言っても遅くなるだけだった。当然のごとくアリアの剣がマグナを切った。レベル4999と1の差は明確だった。


*****


ログアウトしたアリアはマグナに触れた。しかしマグナは何も言ってこなかった。

もう一話更新あるよ!やったねたえt(ry

1200更新でね


ネタ切れなんで何かアイデアください


誰か感想ください作者のモチベなんです

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