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ヴォルケイノドラゴン

「遠距離募集って聞いたんだけど」

「俺たちで良いかな?」

「えっと……」

「悪い、女のプレイヤーでだ」


困っているアスカにさりげなく魔王がフォローを入れる。それに三人が微笑ましく思っていると


「えっと……女ですよ?」

「おお!」

「スキルは?」

「あ、はい。《光魔法中級》まで習得しています。それと《回復》スキルもです」


落ち着いた様子、というよりはのほほんとしているそのプレイヤーはローブをはためかせて


「私の名前はシア、よろしくお願いしますね」

「んじゃ私もよろしくお願いするっす」

「「「「え!?」」」」


そこにいた四人が気づいていなかった。最も魔王は気づいていたが。


「中距離系のスキル、《手裏剣》と《苦無》を習得してるっすよ。ま、お望みの遠距離じゃないっすけどね」

「……遠距離三人は壁が三人必要だな。確かに中距離も良いかもしれない」

「ってことでよろしくっす、私はアーニャっす」


脅威のア率だった。アヤ、アスカ、アーニャ、シア、エミ、ピュアホワイトの六人のうち三人が頭に、五人の中にアが入っている。


*****


「それじゃ二人がどれだけ動けるか見せて欲しいな」

「了解っすよ」

「わ、分かりました! 《セイクリッドウェポン》! 《セイントアロー》!」


シアの持つ棍棒が光に包まれ、それとは関係なく放たれた光の矢が《ゴブリンダブルソードマン》を射貫いた。

そしてさらに迫ってくる《ゴブリンダブルソードマン》を手裏剣が刺し食い止めた。しかしそれを避けた《ゴブリンダブルソードマン》の影に尖った棒が刺さった。


「スキル、《影縫い》っすよ」

「……動けなくするの?」

「そうっすよ」


*****


「ってことでレベル二百程度のライン、《ヴォルケイノドラゴン》と戦いましょう」

「そうね」

「そうするんですね」

「シアもアーニャもそれで良いんだね?」

「い、良いですよ」

「分かりました!」


そういう結論に至り、歩いて移動していると火山の中腹に行列があった。


「この列って何の列なんですか?」

「ん? ってええ!? アリア!?」

「え?」


エミを見て仰天しているその男プレイヤーは目を見開いて……


「いや、違うか?」

「……私、お姉ちゃんじゃないよ」

「あのアリアの妹か……似ているもんだ」

「そうかな?」

「髪の色くらいしか似ていない、だからむしろ似ている気がする」


そのプレイヤーは六人を見て


「《ヴォルケイノドラゴン》に挑むのか?」

「うん」

「だったら一つだけ助言だ。ポーションを出し惜しみするな」

「そんなに強いの?」

「いや、強さはそうでもない。だが炎攻撃を受ければ継続ダメージを受けるからな」

「そうなんだ」

「ああ……っと、俺の番か」


そのプレイヤーは大きな刀、太刀を握って歩き出した。そして隙間の道を歩いて龍の眠る岩穴に向かった、その途中で振り向いた。


「俺の戦いは見ない方が良いぞ」

「元々見る気無いよ」

「そうかよ」


そのプレイヤーは隙間を抜けて……大太刀を抜いたところまでは見えた。そして一分もしただろうか、彼は戻ってきた。大してダメージを受けた様子もなく。


「ずいぶんと強いんだな」

「そりゃレベル四百台だからな」


実際のレベルは百にも満たないエミたちはそれに驚く。かなり高い、と。しかし一人だけ反応しなかった。


「四百って高いんですか?」

「ん、そりゃシアは六百台っすからね。比べちゃいかんっしょ」

「あ、ご、ごめんなさい!」

「いや良いけどよ……ずいぶんと愉快そうなパーティだな」


*****


「前はエミと私、中はピュアホワイトとアーニャ、後ろはシアとアスカ。これで良いな?」


アヤは肩に剣を担いで笑った。そしてそのまま不満が無いのを確認して隙間から飛び出した。そこに来るはずの《ヴォルケイノドラゴン》を待っていると


「《状態異常魔法》なんて熟練度最低ですよ……」

「スキルレベルも?」

「はい」

「だとしたら普通に魔法を撃った方が良いかもしれません。私が守りますから安心してください」

「お願いします」


アスカはシアの言葉に頷いている。


「エミはしっかり攻めてもらうっすよ」

「やだ、自由にやるもん」

「別に良いっすけど……ま、死なないでくださいっす」


影が差した。それは穴の中央に、そしてゆっくりと降りてきた。赤く大きなドラゴン。《ヴォルケイノドラゴン》だ。それを見てアヤは盾を抜いた。


「全員、攻撃開始!」


アヤは叫び、駆け出した。そして手に持った剣で足を切りつけた。驚きと共に落下する《ヴォルケイノドラゴン》。しかしすぐに起き上がった。だがそのときにはもうエミが動いていた。剣と扇を広げて


「合同スキル《剣舞》!」

「剣舞!?」


《剣舞師》と、言うスキルがある。まぁそれはともかくとしてエミの剣と扇が高速で《ヴォルケイノドラゴン》の鱗を吹き飛ばした。


「《バスターランス》!」

「《火遁、焔火の術》!」


中衛のピュアホワイトの投げた槍が《ヴォルケイノドラゴン》の鱗をはじき飛ばし、アーニャの炎が肉を焦がした。


「やっぱバッドステータスにならないっすね」

「相手も炎だからじゃない?」

「離れてください! 《セイントランス》!」

「《ファイアーランス》!」


四本の光の槍と四本の炎の槍が《ヴォルケイノドラゴン》に降り注いだ。しかし体力はあまり減っていない。なおかつ相手は体勢を立て直していた。口に炎をためてーー


「《ウォーターウォール》!」

「《セイントアーマー》!」


それぞれの装備が光に包まれ、水の壁が現れた。しかしそれを容赦なく蒸発させて炎が迫ってきた。それに包まれて……体力が九割以上ある。アリアの作った防具は圧倒的な属性耐性に防御力を持っているからだ。


「……《スターダストスラスト》!」

「《炎天舞》! 《スターダストスラスト》!」


二人の連続攻撃を《ヴォルケイノドラゴン》はたたでは受けない。尻尾で二人を吹き飛ばそうとしている。しかしそれを止めることは出来ない。二人の体が浮く。それを見て


「《ヒール》!」

「《ファイアエンハンスメント》!」


炎が武器に宿る。しかしそれはただの演出。重要なのはその武器のステータスが一部引き上げられていること!


「《影縫い》……は効かないっすね」


一瞬にも満たない硬直にアーニャはため息を吐いて手裏剣と苦無を投げる。鱗の剥がれた部分に次々投げていると……その翼が広げられた。そして羽ばたいた。


「飛びます!」

「分かってる! 《ドリルランス》!」

「《セイントオーラ》! 《セイントガード》! 《セイントシールド》!」

「《フレアランス》!」


防御系スキルを使ったのはシアだけだった。それもそのはず、彼女はエミたちと違って戦闘経験があるからだ。行動パターンの変化が危険だと、分かっているからだ。


「アーニャ!」

「分かっているっすよ! 《水遁、水弾の術》!」

「《ビッグシールド》!」


次の瞬間、空に羽ばたく《ヴォルケイノドラゴン》の口の中で炎が揺れ、それが吐き出された。それはエミたち六人、平均レベル七十台のパーティを包み込んでーー


「残り体力三割!?」


エミの声に各々がそれに気づいた。そして互いに顔を見合わせてポーションを使用した。


「《ハイヒール》! ……あれ?」

「何らかの作戦があったみたいっすね」


途中参加の二人はそう寂しそうに呟いた。

あの懐かしの《ヴォルケイノドラゴン》活躍回!

ネタ切れをし、ソーニョを一から読み直すという謎の行動をとり、悶え苦しんでいると活躍させていないことに気づきました

なので活躍させました


次回、《ヴォルケイノドラゴン》との戦いは続いていた。上空から降り注ぐ炎をエミたちはどう対処するのか……


ネタ切れなので感想でアイデアください

普通にも感想を送ってください




最近ひよちゃんの出番がないことに気がつきました(愕然)


ノリと勢いから私が新しく書き始めた「武具~」もよろしくお願いします

タイトルは変わるかも?

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