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二回戦

「そう言えばレヴィってば鎖骨の辺りにタトゥーはあるの?」

「ん?」

「ほら、XIIIサーティーンだし《ハーディス》じゃん」


そう言うとレヴィは黒コートの内側のシャツの胸元を軽く引っ張ってそれを見せつける。確かにXIIIのタトゥーだ。だけど


「シン?」

「え⁉︎」

「今、見惚れていなかった?」


ムッとしながら問うと目を逸らされた。


「それってシール?」

「タトゥーよ」

「でもシー「タトゥーよ」

「でも端っこが剥がれ「タトゥーよ」


レヴィの声に圧倒されてつい頷いちゃった。


*****


アリアたちは一回戦を不敗で勝ち抜いた。しかしアリアのボーイフレンド、シンは随分と面白い。手を抜いていて苦戦し、全力を出して勝つ。相手に希望を与えてそれを奪い去る、まるでファンサービスね。


「私たちも彼女たちのように圧勝しますわよ」

「「「はい!」」」

「「おう!」」


頼れる5人の返事に頷いて映像を眺める。中国とヨーロッパは中国が勝ったようですね。アフリカと東アジアではアフリカが勝利、と。


「私たちの相手は……英国ですわね」

「どうして英国だけヨーロッパに含まれていないのかな?」

「さぁ?」


他愛もない会話を繰り広げていると私たちの番になったようですね。メンバーの順番はみんな自由に選び


「それでは行ってきますわね」


私が一番です。とりあえず光に包まれて……ここは神殿か何かでしょうか? 歴史の授業で学ぶような建築物を眺めているとどこからか魔法のエフェクトが。そちらに目を向け


「シェリルと同じ戦法ですのね」


無言で詠唱を続け……0、それと同時に口を開き


「《アースクエイク》!」

「あら」


地系統束縛系魔法、溜めていた割には慎重な……いえ


「平行詠唱ですね」


揺れる地面を動かずに耐えていると


「《フレアトルネード》32!」

「舐められたものですね」


広範囲低威力をたったの32発とは。こんなもの、正面突破しても問題無いですわね。ですがそれじゃあ面白くない。


「《春雷》の力、見せて魅せますわ」


片手で構える《春雷》に左手を添える。まるでサムライコミックのガトツのように。そのまま《フレアトルネード》が迫った瞬間


「はぁっ!」


裂帛の気合い、それと同時に一閃。雷鳴のような斬撃、通称雷閃と呼ばれる技です。それは《フレアトルネード》をやすやすと斬り裂き、魔法としての存在を失敗させて霧散させる。


「嘘!?」

「残念、現実ですわ」


虚構の中の現実ですが、と内心苦笑しつつ《春雷》で突く。肩を突いて体勢を崩させる。そのまま引き抜いて


「ライトニング!」


私の二つ名の由来でもある《雷》を示す技を放つ。何よりも早く、誰よりも早く相手を刺し貫く一撃、それが相手プレイヤーを刺し貫き……全損させた。他愛も無い。《春雷》を腰の鞘に収めてため息を吐く。やはりアリアたち、《魔王の傘下》でないと戦いがいが無い……


「やれやれ」


光に包まれて待機部屋に戻る。仲間たちが色々言ってくるのに応えて


「やれるだけやりなさい」

「はい!」


威勢よく仲間が出て行った。私ほどはありませんがみな、実力は確かですわ。私を含めて剣士4人、魔法使い2人、バランス的には微妙ですが個人戦ならあまり関係ありませんね。そう思いながら《春雷》を引き抜く。白銀に薄紫色がさしたような剣身に見惚れてる。綺麗です。

アリア、あなたは私の細剣を作った。それはあなたと敵対すると言うのに……相変わらずの優しさ、そして圧倒的な実力者なのを自覚している。だからこそ今度こそ越えてみせる。


「あら?」


気づいたら3戦目まで終わっていました。それもこちらの3勝で。このまま問題ない、そう思っていると魔法使いの一人が剣士に負けてしまいました。帰ってきた彼女が泣きそうなので頭を撫でて


「別に勝てなくても構いませんわよ。頑張ったのでしょう?」

「は……はい」

「気にしなくてもみんなが勝ちますわよ。そして次もあなたがいないとダメですよ」


泣きそうな顔で笑顔になった彼女を眺めていると5勝1敗という戦績になりました。とりあえずアリアたちには負けた気がしました。次は完勝したいですわね。


「一回戦は勝ちました、が今日はこの後の二回戦もあります。気を引き締めていきましょう」

「「「はい!」」」

「「イエッサー!」」


頼れる仲間達の声に満足して頷いているとアリアたちの試合が始まりました。そして初戦はアリア、漆黒の《悪魔龍皇剣》を握って無言で立っています。俯いていて表情は見えない。そしてカウントが0になった瞬間、その姿が掻き消え、初戦は終わりました。


「何今の速度!?」

「速過ぎます……」

「あんなの対応できない……」

「アリアの相手は私がしますわ」


私の言葉にみなの注目が集まった瞬間、アリアが口を開き


『最後!』


と言って光に包まれました。最後、つまり


「決勝では私が最後を務めますわ」

「エカテリーナさん……」

「ほら、次はマモンの試合ですわよ」


私の言葉に映像に視線を向けるみな、そして映像の中ではマモンが目を瞑って矢を射っていた。その矢は逃げ回る相手プレイヤーをゆっくりと壁際に追い詰めている。マモンは目を開けない。すでに相手の行動パターンを見切ったからだ。


「マモンの特技、超速演算……まさか人の性格まで計算のうちは」


呆れしかない。しかし


「あれって矢を撃たせる前に近づけば何とかなりそうですね」


そんなことは無い、そう言おうとも思いましたが


「ならば彼女の相手はあなたに任せますね」


マモンが指を5本立てている。それを私たちに見せ付けるように。その間にも矢は降り注いでいる。相手プレイヤーが動けないほどの矢に射抜かれて全損したのを見て、相変わらずとしか思えない。


「で、次はレヴィアタンですか」


さっさと3勝して終わらせるつもりですね、そう思っていると装飾銃を取り出して


『不吉を届けに来たわ』

『何を言っているんだ!?』

『分からないならそれまでよ』


彼女が原作通りの銃を使っているのなら近接技もある、そして電磁加速銃、レールガンも存在すはずですね。

レヴィアタンは《ハーディス》を抜き撃ちするつもりなのか、腰に手を当てて


『《ミーティアメテオ》!』

『《スプレッドバースト》』


正面からの高速突進切り、それを堂々と正面から撃ち返した。勢いを殺され、レヴィアタンの前で跪くような姿勢になった相手プレイヤーの額に銃を当てて


『《リベレイト》』


そう言って閃光のごとき一撃を放った。まさか今のが


「レールガン……なのマシンのルシファーでも注射されましたの?」


だとしたらクリードは……いませんね。刀使いならあのエミリアとかいう……まぁ、仲間ですしね。


「次はシェリルですね」


リアルでの友人の力を見ようかと思ったら再び前回と同じ戦法のようですね。しかし先ほどの私の相手とは違って桁が二つほど多い。そして軽々と一瞬で相手を倒しました。


「「「「「ええ……」」」」」


呆然とする中間たち、それに苦笑して


「シェリルへの対策は先手ではなく、後手で魔法を打ち破る必要がありますね」

「え?」

「私みたいに魔法を切り裂く、あなたならできるでしょう?」


《アストライアーの慈愛の剣》は魔法吸収の剣、それを持つ仲間は自信満々に頷いた。そしてエミリア都心は正面突破ということになった。

パソコンからの予約投稿やり辛えええええええ!


ってことで二回戦アリアたちの戦いを別視点から書いて見ました

この後、エカテリーナたちの試合があり、11月8日は終わります

そして11月15日に決勝戦です

多分次回か次々回だけどね

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