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エクスカリバー

「アリス、気分はどう?」

「最悪」

「あはは」


全損した際にドロップした装備品を見てアリスが深いため息を吐く。そして


「レベルって、何なのかな」

「知らないよ」


2人目のカンスト者の言葉に言い、空を見上げる。が、天井だった。


「負けた……か、同レベルで」

「そうだね」

「……なんだろ、戦っていた時は物凄くイライラしていたのに今はとっても清々しい」

「アリス……」

「ありがとう、アリア」


アリスは微笑んで僕の頭に手を載せる。だからなんでみんな僕の頭に手を乗せるんだ……?


「アリスの様子がおかしかったの、覚えてる?」

「……うん」

「どんな感じだったの?」

「……アリアが悪魔のように見えて、狩らないといけないって思えて」

「……」


これは優さんに言うべきだ、そう思いながら


「僕が悪魔のように見えたの?」

「……アリアだけじゃない。街のいたるところでも同じようにプレイヤーが悪魔に見えた」

「バグ?」

「さぁ……でもそんなものじゃなかった。悪意のような……何かを感じた気がする」

「悪意……」


踏み込んだアリスだから分かることなんだろう。そう思いながらアリスの手を取って


「今はどう見える?」

「ロリっ子」

「12はロリじゃないですー」

「容姿を鏡で見たら良い」


言われて壁際の、本来なら装備を整える際に見る鏡の前に立つ。そこに映る姿を眺めて


「今日も可愛いアリアちゃんだね」

「うん」

「悪魔のように見えないよね?」

「ロリ悪魔という線もありかも……」

「え?」

「ロリ小悪魔本とかあっても良いと思うの!」

「あ、うん。そうだね、良いね」


よく分からない気迫に押された。とりあえず頷いていると満足そうなアリス。そして


「アリア」

「ん?」

「私、引退するかも」

「え」

「しないかもしれないけどね」


苦笑しているアリス、それに戸惑いを隠せない。


「なんで?」

「なんとなく……チートしちゃった気分だし」

「……アリス……」

「だから引退しようかなって思ったの」

「……ダメ」

「え?」


聞き返されてもダメなものはダメなんだ。


「アリア……?」

「まだアリスは僕に勝っていない。勝たないと止めちゃダメ」

「……何それ」

「負け犬のままで終わるの?」


アリスはため息を吐いて……鋭い目つきで僕を見た。それにビックリしていると


「だったらまた挑みに来るから」

「……待ってるよ」


アリスは僕の言葉に笑みを浮かべてお店から出て行こうとする。あの……装備忘れているよ?


*****


「秘剣龍の型ーー龍爪!」

『《スターダストスプラッシュ》!』


巨大なスケルトンがその手の剣を振り下ろす。それを両手の指で弾いて懐に飛び込む。そのまま膝に蹴りを叩き込み、その反動で跳び上がる。さらに宙返りをし、スケルトンの腕の上に立つ。そのまま駆けて首筋を全力で蹴り飛ばす。それで終わった。


「《星屑》の最上級まで使ってくるんだね」


久々のソロプレイ中に遭遇したフィールドボスのドロップアイテムを確認しながら歩いていると


「あ」

「げ」


アリスだ。分かれてから即座に再開かぁ……なんか恥ずかしい気もする。とりあえず軽く挨拶を交わして


「アリスは何をしているの?」

「プレイヤースキルを磨きにきたの」

「そっか」


良かった。そう思ったら


「あ、トレイン」

「え」


振り向くと装備で顔を隠したプレイヤーが僕たちの間をすり抜けようとした。その後ろから迫る多数のモンスター。とりあえず


「えい」

「ふっ」


僕の足払いで地面に倒れ、アリスの鞭で足を縛ってモンスターの群れに投げ込まれた。


「トレインって何が面白いのかな?」

「さぁ? 高みの見物じゃない?」


アリスの言葉に納得していると、モンスターたちの視線が僕たちに向いた。そして迫ってきた。それに頬を歪めるアリス。笑っているんだ。それに苦笑しながら《エクスカリバー》を抜く。ノリとテンションで名づけた名前、今は後悔しているけど変える気にはならない。若干気に入ったからだ。


「何その剣」

「光属性だけを思いっきり高めた聖剣」

「厨二病?」

「まだ中一だもん」


アリスが呆れたようなため息を吐いて


「なら聖剣使いにここは任せようかな」

「分かったよ」


アリスが下がった。その前に出て両手で《エクスカリバー》を構える。光属性とstr、それと攻撃力だけの単純な校正。だからこそ


「強い……!?」

「遅いよ!」


二歩で飛び込み《エクスカリバー》を一閃させる。さらに一歩踏み出して群れを突破、そこから振り向きざまに一閃。振り下ろし、蹴って切り払った。中々多かったモンスターも少し減った。

続けて蹴っ飛ばして……あれ?


「アリス?」

「なに?」

「それ、何をしているの?」


モンスターをぐるぐる巻きにしたアリスが暇そうに眺めていた。そして一体ずつを殴って倒していっている。《体術》スキルを習得しているんだ、そう思いながら一撃で倒していると


「それよりもアリス、《エクスカリバー》どんな感じだった?」

「はぁ? その剣の名前?」

「うん」

「……ま、良いか。とりあえずアレだね、強いってのは分かったよ」


そっか、そう思いながら《エクスカリバー》を鞘に収める。そのまま10を越える剣を装備したまま歩いてアリスのもとまで近づくと


「剣、多くない?」

「うん、全属性に特化したのとかステータス特化に分けてみたんだ」

「ふーん」

「全部一線級の最強装備だよ」

「あっそ」


アリスはそう呟きながら僕の装備を眺めた。そして


「アリスの装備も一線級の装備に鍛え直したけどね」

「知っている……だけど私、お金払ってないよね」

「うん、それが?」

「え」

「え?」

「……払わなくても良いの?」

「うん、構わないよ」


アリスは大きくため息を吐いて


「絶対払わないよ?」

「良いよ、はした金だもん」

「素材を自力で集めたのにはした金、ねぇ。意味がおかしくない?」

「そうかな? 日本人の日本語がおかしいのは普通じゃないのかな?」

「……認めたくないけどね」


《シルフィード》を抜く。そのまま背後から迫ってきたモンスターを斬りつけてスケルトンを蹴り飛ばす。そのスケルトンがドミノ倒しになる。それを眺めて片手で平突きの構えを取る。


「秘剣星の型ーー流星!」

『《スターダストスラスト》!』


一気に突きで吹き飛ばす。さらに蹴ってスケルトンの骨を折る。さらに続けて回し蹴り、蹴り上げ、踵落とし。それでスケルトンを何体を倒して


「この辺り、夜にはスケルトンしか出ないのかな」

「かもね……で、なんで張り込んでいるの?」

「《悪魔の肝》」

「っ!? アリア……何を企んでいるの?」

「《悪魔の肝》を掠め取ろうかって思ってさ」


なにせ


「僕が原因で出現したっていうのなら確かめないといけないからね」

「義務みたいに言うね」

「原因が責任を忘れるなんてことは出来ないからね


アリスがはっ、と笑って周囲を見回す。そしていきなり視線を鋭くして


「アリア!」

「ん」

「アレよ!」


アリスが指差した方向、そこには人型の真っ黒なモンスターがいた。そしてそれを追いかけるパーティが一つ、いた。


「止めるよ、アリス!」

「はいはい」

感想は消える事もあるのか、と初めて知った18歳の冬


次回は《悪魔の肝》編の続きを

そしてそれが終わり、世界大会までの隙間がどうしよう状態

アイデアを恵んでください


現在10月16

↓隙間

世界大会11月8日、11月15日


一応微妙なアイデアはあります

ですが毎日ネタ切れな作者はもう燃え尽きそうです

誰か油かけて

寒がりな作者を温めて

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