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決勝戦

「滅!」

「っ⁉︎」


咄嗟に下がって横薙ぎを避ける。まさか


「滅ツァー……現存していたのね」

「滅三式!」


伝説の勇者イナバババの編み出した超武技ー滅、それを使える者を滅ツァーと人々は呼ぶ。


「滅!」

「《居合い・羅刹》!」


正面から打ち破った瞬間、背後から何かの気配。前に出る事によって距離をとりつつ


「《雷切》!」


神速の突きは滅ツァーを貫き、全損させた。しかし


「相手の残り4人……? みんな手間取っているのかな」

「かもねー」

「アリア、終わったの?」

「うん、サクサクっとね」


何故か最近剣よりも体を使って戦うのが主体となっている義妹予定は笑って


「マモンは魔法を矢で撃ち落として遊んでいるしレヴィは銃で殴ることに固執しているしシェリ姉は壁役タンクで魔法を試しているよ」

「……あれ? シンは?」

「シンはね、短剣使いがagi高いみたいで追いかけっこしてる」


ふーん。


*****


「ちょこまかと……」


意外と苦戦している、そう自覚しながら《真黄昏と夜明けの天魔剣》を振るって木を倒す。そのまま邪魔なものを斬って追いかけていると


「……マーラパーピーヤスとやるまでは負けない」


ぼそり、と声が聞こえた。マーラパーピーヤスは確か大阪チームのメンバーだ。


「《ソニックウェーブ》」


威力を抑えて、木を倒すつもりで斬撃を飛ばすと


「《獅子の咆哮》!」


カウンター、それを余裕を持って避けて前に出る。そのまま森の中をあっさりと走っている短剣使いの頭上に。


「ふっ」

「えっ⁉︎」


驚きの声を無視してその肩に剣を刺す。そのまま捻って斬り落とし、首をはねようとした、が割り込もうとする《何ちゃらレグルスネメア》を見て手を止める。そして蹴り飛ばして


「……アリアと同じ、レグルスネメアか」


相対してみるとよく分かるが、攻め辛い。アリアほどの技量とも思えないが……ま、やってみるか。


「マーラパーピーヤス、第六天魔だったかな」

「……ちっ」

「逃がさない」


背を向けて駆け出した。その背後から剣を振りかぶり、振り下ろした。その瞬間


「《獅子の咆哮》!」

「《ディスペル》!」


《真黄昏と夜明けの天魔剣》の特殊能力の一つ、物理攻撃以外の攻撃を無効化する。クールタイムは30分と長めだ。そのまま光を切り裂いて剣が貫いた。


*****


「さてと、アリアちゃんはもう勝ったしシンも勝ったみたい。でもってエミリアも勝ったみたいだし……レヴィもかぁ。で、シェリちゃんもあっさりと勝っちゃったと」


やれやれ、と思いながら弓矢を構える。しかし中々姿を現さない。相手はあの実況者のヴェガ先生だ。斜め切り主体の、だ。とりあえず矢を番えて


「んっ」


いそうな場所18箇所に一気に射る。直後、転がり出たヴェガ先生の真上から追撃としての120本の矢が降り注いだ。さてと……


「この程度ならなんでもないね」

「ふーん……」


待機部屋で休んでいるとポツリ、とアリアちゃんが呟いた。


「なんだか弱いって感じね」

「うん、弱い、じゃない。弱過ぎるんだよね」

「違和感でもあるの?」

「……そんなんじゃないんだよね。弱過ぎて弱過ぎて……不思議なんだ」


アリアちゃんの呟きにシンが首を横に振って


「油断、なのかな」

「そうじゃないとは思うけど……うーん、弱いってのは同感だね」

「星獣装備持ちもいないし……」

「いや、一人だけいたよ」


シンの言葉にアリアが驚いている。すると無言を保っていたレヴィが


「次の勝負、決勝戦でしょ?」

「うん」

「提案なんだけど一対一にしない?」

「……既にそうでしょ」

「違うわよ、そんな意味の一対一じゃない」


じゃあどういう意味、そんな空気の中でにやりと笑って


「相手にも提案するのよ」

「……えっと……」

「相手とこっちが合意で一対一、それが一番盛り上がる」

「観客向けね」


面白い、そう思ったのは私だけじゃないみたいでみんなが頷いている。その結果


「勝ち抜きで一対一の試合、か」

「うん」


アリアちゃんの交渉の結果によって……


「んじゃーじゃんけんしよっか」

「そうね」

「最初が良いなぁ」

「同じく」

「私も」

「僕もだ」


全員で意見が一致したのでじゃんけんして


「ぅっしゃー! 僕が一番!」

「あーぁ、終わっちゃったかぁ」


レヴィと一緒にため息を吐いてしまった。


*****


『これは驚きの展開! まさかチーム間で勝ち抜き戦が行われるとは!?』

『チーム《カーマインブラックスミス》が提案したようですね』

『それでは一戦目、チーム《カーマインブラックスミス》からはアリア! 対するはチーム《エンドレス》のマーラパーピーヤス!』


「マーラパーピーヤス、かぁ」

「シン?」

「さっきの僕の相手が戦うつもりだったみたいだ」


シンの言葉に頷きつつ、前に出る。闘技場のような広い場所に進み出て


「《最強》、か。大げさな名前だ」

「《六天魔王》が何を言っているのさ」


マーラパーピーヤスが笑みを浮かべて斧を担ぐようにして構えた。そして


『let's go ahead!』


「はっ!」

「遅いよ」


斧の薙ぎ払いをしゃがんで避ける。するとそのまま蹴りが飛んできた。それを足で受け止めて足場に、跳び上がる。そのまま距離を取って


「剣は使わないのか?」

「うーん、そこまで言うなら使ってみようかな」


腰の三本と背中の一本、どれを使おうと悩んでいると


「悩んでいるならこっちから行くぞ!」

「あっそ」


仕方が無い、四刀流で良いや。どうせ僕が最強なんだから。


「四本だと!?」

「違うよ」


《悪魔龍皇剣》だけを握り《天獅子翼剣レグルスネメア》と《真炎王龍の天魔剣》、《真風王龍の天魔剣》を投げる。そっちに目を向けたマーラパーピーヤスの懐に飛び込んで


「大剣使いか!?」

「残念、外れだよ」


《悪魔龍皇剣》も投げる。そのまま蹴りつける。虚を突かれたのかあっさりと吹き飛んだ。だから両手を広げて追いかける。振り下ろされそうになる斧を


「いつの間に!?」

「今の間に」


両手の剣で逸らして、そのまま腰の鞘に収める。そして空から振ってきた二本の剣を掴み取る。


「なんなんだよお前は!?」

「僕はアリア、最強だよ」


斧を《悪魔龍皇剣》で軽々弾き、レグルスを鞘に収める。そのまま両手で握って


「行くよ、マーラパーピーヤス。僕らにとっての魔王は君なんかじゃない!」


剣戟を繰り広げる。慣れない両手持ち、それでも僕は戦える。

両手で持った剣を振り下ろし、防御を割る。そのまま切り上げてお腹を蹴る。浮いた体に信じられない、といった表情だ。そのまま両手で握ったまま駆ける。すれ違う、その瞬間


「っ!?」

「秘剣華の型ーー露草!」


四分割する。そのまま光となって体が消え去った。


*****


「さぁ、次の相手は誰かな」


アリアの言葉に相手側が動揺している。それにこっち側は苦笑している。とりあえず剣の感触を確かめていると


「もう私たちが戦うような場面は無いから装備を外してても良いわよ」

「「「え?」」」

「アリアが勝つって言った、だからあの残りの5人も問題ない。だから私たちはアリアちゃんの邪魔をしないで見守るだけよ」


レヴィの言葉は、どこか信頼に満ちているようにも感じた。

次回から御察しの通りアリア無双が始まります


特に書くこと無〜し!

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