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全国大会

『皆様! 長らくお待たせいたしました! これよりソーニョ・スキルズ・オンライン公式、全国大会を開催します!』

『それでは早速一回戦!』

『九州代表チーム《カーマインブラックスミス》! リーダーであるアリアを先頭に堂々と入場です!』

『《カーマインブラックスミス》のメンバーは全員二つ名持ちだとか?』

『はい、二つ名は自分でつけるのではなく、周囲がそう呼び出す感じでつけられますからね』

『それではメンバー紹介と参りましょう』


『リーダーであり、自他共に認める《最強》アリア! いつの間にか放たれた矢は必中、《天弓》マモン! どこにいても安全は無い《魔弾》レヴィアタン! 圧倒的な弾幕で抵抗を許さない《魔女》シェリル! その刀は見る事すら出来ない《斬姫》エミリア! 荒ぶる剣は誰にも止められない《罪》シン!』

『そうそうたるメンバーですね』

『対するは……』


解説の言葉を聞きつつ観戦者たちに手を振る。ここの闘技場には応募者の中から抽選で選ばれたプレイヤーだけがいる。ちなみにここにいなくても映像として観ることはできる。カーマインブラックスミスでも観れる。


「いよいよだね」

「そうね」

「いつものことでしょ」


そう言ってレヴィは3人を見て


「緊張しているのね」

「それは初めてだから……」

「同じく」

「同感」

「むぅ、緊張するかなぁ?」

「しないよねー」

「緊張しているとやられるわよ」


レヴィの言葉に頷いて


「東北のリンゴマン、関東のウポポ族、大阪のおばちゃん、中国の砂丘、四国のミカンマンとか強豪ぞろいだよ」

「一つだけ府じゃない?」

「アリアだし」

「あ、そっか」


エミリアとシェリ姉の会話に悲しくなりつつ、相手の入場が済んだ。相手は関東地方らしい。


「作戦は無いよ。とにかく勝つこと、良いね?」

「うん」

「分かってるわよ」

「はーい」

「当然」

「了解」


全員の返事に頷いた瞬間


『それでは! let's go ahead!』

「っ!」


駆け出す。正面から突っ込んでくる真っ黒な髪とコート、漆黒の剣と透き通るような剣の二刀流剣士。キリィトだ。


「《ダブルサークル》!」

「ふっ」


二閃、からの二閃の四連撃。一瞬の隙も無く放たれたそれを後ろに下がることで空打ちさせる。そのまま加速し、背後に回り込んで


「はっ!」

「えっ⁉︎」


襟を掴み、足を払って無理矢理投げ飛ばす。思いの外飛んだキリィトを追いかけながら剣を抜く。《真炎王龍の天魔剣》だ。


「秘剣華の型ーー菊!」


撥ね上げる一撃、叩き落す一撃、突きの三連撃はキリィトの体を吹っ飛ばすけど


「っ……嘘だろ」

「あれー? 耐えたんだ」


驚いた。削り切れると思ったのに……半分も削れていない。


「スキルでもない攻撃でこんなに削られる……? ありえないだろ」


ゆらり、と立ち上がって二本の剣を構えた。だから《真炎王龍の天魔剣》を鞘に収めてそれを引き抜く。

悪魔龍皇の遺品、漆黒の巨剣《悪魔龍皇剣》だ。


「なんだその剣……?」


訝しげな表情、そして


『あの剣はレアモンスターのドロップ品ですね。アリアが最初に倒したプレイヤーなのでしょう』

『それは九州サーバーでですか?』

『いえ、地球全部で、です。つまりアリアが最強なのは当然とも言えるでしょう』


ずっしりと重い《悪魔龍皇剣》を構えていると


「助けてキリィト!?」

「え!?」


振り向いたキリィト、その彼に向かって駆け寄る知らないプレイヤー。女で揺れている。だから倒そうと思った瞬間


「あ」


空から降り注いだたくさんの矢が彼女の頭を射抜き、全損させる。それにキリィトが絶句した。


「アリアー、まだ終わってないのー?」

「うん」

「遅いわね」

「まだかかっているの?」

「遅い」

「……お相手さんに目を向けてあげなよ」


シンの言葉に頷いて両手で《悪魔龍皇剣》を振りかぶり


「秘剣天の型ーー天震!」


駆けて目の前で勢いを乗せて振り下ろす。しかしそれは多分ダブルリバーサルで逸らして反撃しようとしているが


「遅いよ」


その両手を斬り落として腹を蹴り飛ばす。そのまま連続して蹴りつける。もはや剣は鞘に収めている。


「弧月、蛇落、円薙ぎ」


蹴り上げ、そのまま空中で体を回転させて踵落とし、さらに蹴り飛ばして


「これで終わりだよ」


最後にもう一回、高く蹴り上げた。


*****


「全国大会って言っても大分余裕だね」

「まね。九州、四国、中国、近畿、関東、東北、北海道、沖縄の8つでしょ? 後二回勝てば優勝よ」


その程度の事は分かっているだろう。だからあっさりと頷いて


「僕らが負けるなんて無いだろうね」

「うん、だろうね。だからこそ油断は良くないんだよね」

「シンもそう思うの?」

「うん」

「なら油断しない」


そう思って油断しないでいられるなら人間簡単だ。だけどそう簡単にいかないからこそ人間だ。


「アリア、手抜きは良くないって言っておくよ」

「うーん、さっきの大して強くなかったんだけどね」

「さっきのは沖縄でしょ。たった一個の県だから強いプレイヤーもいないし」

「北海道もそうじゃん」

「一回戦勝ち抜いているけどね」


お姉ちゃんの言葉にアリアが笑っている。ちなみに北海道、関東、近畿、九州が勝ち残っている。とりあえず


「注目のプレイヤーとかいる?」

「逆にシンには?」

「いないよ」


大して強そうなプレイヤーもいなかったし。ま、それはアリアみたいに手を抜いていたのかもしれないけど。


「次の相手は近畿、ねぇ」

「さっきの沖縄みたいに弱くないと良いんだけど」

「大阪があるから少しは歯応えがあるかもね」


レヴィとマモンの言葉に呆れる。自分たちに比肩する者がいないとはいえ油断は……うん、気にしないで良いか。

五分後、戦闘のフィールドに移動する。すると何故か6人で固まっていた。そして全員同時に気づいて距離を取り……笑った。


「それじゃ分かれて行く?」

「そうする……んっ」


レヴィの言葉にアリアが頷き、顔を上げた。そして背中から一瞬で二本の剣を抜いて飛来した魔法を切り払った。そのまま無言で駆け出した。


「僕も行くかな」


アリアが突っ込んで行った方向から見て右に向かって駆け出す。そっちの方で何かが動いた気配があるから。その気配が一瞬動きを止め、僕に向かって突っ込んできた。


「っと」


《真黄昏と夜明けの天魔剣》を抜いて短剣を受け止める。ずいぶんと速い、が


「アリアよりは遅いな」


剣を振って距離を取って


「《ソニックブーム》!」


遠距離攻撃を仕掛ける。それを短剣で受け止めようとした瞬間


「《獅子の咆哮》!」

「っ、《解放リベレイト》!」


光と闇が剣から溢れ出し、剣を包み込んだ。それでカウンターの光を受け止めて


「っつぅ……地味に効くなぁ」

「耐えた……か。だがこれで良い」


そう言ってそいつは逃げ出した。何かを言う間もなく、だ。それに驚いていると


「あ」


魔法が飛んできた。それを《解放》した剣で切り裂いて飛んできた方向に駆け出す。連続して飛んでくる魔法を斬り続けていると


「きゃあぁぁぁぁぁぁ!?」


絶叫が聞こえ、魔法は飛んでこなくなった。とりあえず


「手近な君からだ」


隠れて近づいてきたさっきの短剣使いに切りかかった。

1回戦はサクサク進むのだ

次回は二回戦の途中からです


とりあえず現段階ではアリア〉マモン〉レヴィ=シン〉エミリア〉シェリルです


一応今後の予定は3つほどアイデアがあります

が、それも短くなりそうなのでアイデア募集


今回もアヤコの出番無しか……

絵が描ければ描くのに

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