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大会予選はさくさくっと

「うーん、まだ料理スキルは無いね」

「残念」

「あのね、アリアちゃん。ゲームの中で料理が出来てもリアルで出来るとは限らないんだよ?」

「希望くらい持っても良いじゃん」

「希望を与えられ?」

「それを奪われる」


僕はマモンの言葉に応えながらオークションの様子を見る。今現在出品しているのは5スタック。それを三つバラバラに出品している。その結果7桁には行かないにしても6桁の金額が三つともで提示されている。


「もう終わっても良いと思えるんだけどね」

「うーん、ここまできたら最後まで上げたいよ?」

「うん、ちゃんと時間切れまで待つよ」


大会開始の時間は土曜日の午前九時半から。終了時間は午前九時25分に設定してある。これで


「万が一にも負けてもお金はたんまりだね」

「万が一?」

「え?」

「不可思議に一もありえないよ」

「単位がおかしいけどね、アリアちゃん」

「何?」

「アリアちゃんはまだ最強じゃない。せいぜい中の上くらい」


僕は笑って


「そのくらい承知の上さ」


だって


「僕が最強なんだから」


*****


「ホクホク顔だね」

「だってすんごい儲かっちゃったもん」


僕たちは大会の開かれる特別エリアに転送される。開始30分前からここにメニューに表示される『転送』をタップすれば転送が開始して会場に転移する。ちなみにここは暗く、正直待機するに適した部屋とはいい辛い。


「それにしても……本気なの?」

「うん、僕はここを足がかりで一気に上り詰める」

「焦る気持ちも分かるけどね……」


パーティ専用の待機部屋で僕たち二人はトーナメントの組み合わせを見ながら待つ。何故かシステムによって同時に試合は行われないようになっている。つまり僕たちの試合を誰もが見れて対策を練られるって事だ。


「だからって開幕全部突っ込むって対策を練られるよ?」

「臨機応変に戦う。それが僕のプレイスタイルだ」

「私が援護しづらい戦い方は止めてよね?」

「マモンなら出来るよ」


僕がそう笑うと


「あ、早いね」

「鳥か、二人は?」

「きりとアカネももうすぐに……ほらね」


タイミングよく二人が来た。そして雑談をして


「……時間だね」


表示されていなかったトーナメント表が光り輝き、組み合わせが表示された。午前は二回勝つだけの予選だ。だから気負わなくても問題ない。


*****


「5……4……3……2……1……」


マモンのカウントダウンが終わると同時に僕たちの部屋全域が光に包まれる。そして再び違う部屋に転移して


『対戦フィールド・闘技場』

「うーん、視界が開けている何の影響もないフィールドだね」


マモンはそう言って顔を顰めた。遠距離型の彼女は辛いだろう。


「大丈夫だよ、僕が守るから」


僕の言葉に四人が驚き……暗い部屋が明るくなる。そして四方の壁が倒れる。視界に入る古代ローマのようなコロシアムの風景。そしてフィールドの中央に煌々と輝く『START!』の文字。だから


「スプレッドアロー!」

「ファイアーボール!」


マモンときりの放つ遠距離攻撃が相手のパーティ五人に降り注ぐ。しかしダメージを追っても誰も倒せていない。だけど


「遅いよ!」


一番体力が減っている盾を持った盾役の足を切る。途端に体勢を崩す盾役。その頭にブラストを放って削りきる。そして地面を蹴って下がる。そしてばく転してから剣を構える。今のは奇襲だから、それでも一人はやれた。残り四人だ。


「アークスラッシュ!」

「スターダストスラスト!」


正面から振り下ろされる剣より早く、僕の剣は剣士を切り倒す。そしてスキルの余波で周囲の奴らが微妙なダメージを負う。そのまま逃げ出す相手の背中に斬りつけようと思った。しかし寒気がして背後に飛ぶ。


「アースニードル!」

「ファイアランス!」


二本の槍が僕のいた位置に突き刺さる。やっぱり罠だったか。すると


「ブラスト!」

「ピアー!」


鳥とアカネが魔法使い二人ではなく、回復役に切りかかる。いや、槍だから突きかかる? まぁ、良いや。

そして


「ファイアーボール!」

「ファイアーランス!」


2人の魔法使いが僕を狙い、直後光となって消えた。呆気ない勝利だ。


*****


「やっぱりマモン隠蔽取ってるでしょ?」

「うふふ、どうでしょう?」

「その反応は取ってるね」

「うふふ?」

「あの瞬間の攻撃した位置は絶対に僕の視界内なのに見えなかったもん」


正解、と頷くのを眺めながら実況中継されている予選を見る。次勝てば本戦に進める。


「うーん、やっぱり目立つところは少ないね」

「傘下だと誰が参加しているの?」

「私たちだけだよ」

「……?」

「魔王たちは見る専門らしいから」

「ふーん」


それなら勝ち目がある。だから


*****


「スターダストスラスト!」


スキルゲージの2割を使い、3連撃を放った。それは確実に槌士の体力を削り取る。しかし一回だと終わらなかった。だから


「インパクト!」

「アークブラスト!」


単発の重攻撃を連続の重攻撃で迎え撃つ。が、競り負けて吹き飛ばされる。ダメージは微量。だけど


「ヘブンズアロー!」


散弾のような矢をスプレッド、弧を描き落下距離に応じて威力変化する矢をヘブンズというらしい。僕でいうアークは連続、ブラストは重攻撃、リープは突進、スターダストは超連続って感じかな?

そして初級の二つの水準を満たせば複合スキルに派生する。


「アークリープ!」

「ソードパリィ!」


飛び込み様の2連撃は剣士に受け止められた。だけど


「アークスラッシュ!」

「ソードパ……」


このスキルはレベル最大。速度も威力も高い。だからこそ剣が折れ、スキルが発動しなかったんだ。


「くっそぉぉぉぉ!」

「ソードリバーサル!」


剣士は闘志を消さずに拳を振りかぶる。その手が淡い光に包まれる。スキルだ。だから


「ストレートォ!」

「ん」


ぬるり、とその拳を流す。そして


「アークスラッシュ!」


削りきった。ソードリバーサルはソードパリィの亜種のようなものだ。ソードパリィが確実に相手の攻撃を受け止める技、ソードリバーサルは自力で相手の攻撃を受け流すまでしないと成立しない。失敗したらスキル硬直のうえに攻撃を受ける。

しかし成功すればカウンターということでダメージに倍率がかかる。だから削りきれた。


「残り4人……フルパなんて面倒だよ!」

「アークインパクト!」

「ああもう!」


振りかぶってからの2連撃を地面にへばりついて一撃目を回避。そして振り下ろされる槌を転がって回避。そのまま立ち上がって


「ファイアーランス!」

「ファイアーボール!」

「わわわ⁉︎」


僕一人を狙って2人の魔法使いが魔法を放つ。片方は回避出来た。だけどファイアーボールは避けた先にあった。だから直撃して熱い。


「ヒール!」

「ありがと、きり」

「良いから早く」

「はいはい」


僕は魔法使い兼回復役を狙って剣を振りかぶる剣士に接近する。このパーティは魔法使い2人に回復役1人、剣士2人に槌士が1人とバランスがとれている。僕たちは剣士2人、槍士1人、弓士1人、魔法使い兼回復役1人とバランス悪い。


「ちっ⁉︎ アークトライ!」

「アークトライ!」


鏡のようにお互いの斬撃を打ち払い合って同時にスキル硬直。そして


「アークスラ「スターダストスラスト!」


3連撃は2連撃を中断させて剣士を倒した。

そして


『You Win!』


だってさ。

タイトルは作者の心情


チーム戦ってもんのすごく書き辛い

アリア視点だと他は一切何もしてないように思えちゃう

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