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いざ博多へ

《獅子の咆哮》の進化、《獅子レグルス咆哮ハウル》。それは単純に色々強化された《獅子の咆哮》だ。漢字一緒なのは何故?


「うーん、やっぱり使い勝手悪いなぁ」

「「「「「「「嘘付けぇっ!」」」」」」」

「えー? だってカウンターじゃないとダメージほとんど無いんだよ?」


みんな分かってないなぁ。


「カウンターよりも自分でやる方が速くて強いんなら自分でやるでしょ? それなのさ武器の性能に頼ってカウンターって、強かったとしてもプレイヤーとしてのプライドは無いよね」

「プレイヤーとしてのプライドって何だよ!?」

「初耳だ……」

「とりあえず君たち……逃げるなら見逃すよ」


レグルスを逆手に持って鞘に収める。抜きやすいように腰の鞘は横向きに装備している。

逃げ出したのは無視して両手を構える。これでえいっ、てやればそこそこダメージがあるのは分かっている。《体術》スキルはホント便利だ。


「やはり《魔王の傘下》はPKを認めるというのか……」

「認めないよ。シンもエミリアも改心したから、僕らは受け入れている」

「それが演技だったらどうするんだよ!?」

「そりゃ返り討ちにするけど?」

「最強の特権って奴かよ!」


しゅっしゅ、ってシャドーボクシング。するとみんな黙った。だけど


「アリア……僕なら「シン、僕は仲間は見捨てない」

「戯言……と斬って捨てるには惜しいね」

「あ、マリア。勝てた?」

「アイテムが惜しくなって斬りかかって返り討ちに遭いましたよ」


あはは、と笑って


「君たちのように恨みを持つ奴ら全員かかっておいでよ。時間と場所を決めてメッセージ送ってきてくれれば行くから」


あ、それと


「出来れば全員纏めてきて欲しいな」


*****


「よいしょっと」


剣舞を終えて一息吐く。《剣舞師》が無くとも剣舞自体は舞える。特に恩恵は無いけど。


「マリア、お疲れ」

「大丈夫だよ」


正直リアルで舞うよりこっちで練習したほうが捗るんだよね。そう思っていると


「マモンー! レヴィー! 一回集合!」

「えー?」

「何よ」


アリアの呼び声に二人が階段を上って行った。


「……気になるね」

「うん」

「こっそり聞こっか」


こっそり階段を上ると何故かそこで三人が座っていた。そして気づかれた。


「「何しているの?」」

「「「こっちの台詞」」」


はもりにはもり返し。すると


「いやさ、ちょっとばかし届いたメッセージがあって二人に相談しようと思っててさ。マリアたちも手伝ってよ」

「え?」

「どこから?」

「ん……SSOここの運営の人から」

「「は?」」

「違う奴でも何回かかあったよね」

「うん……だけどさ、他にも意見が欲しいからって何人か連れて来てって」

「ふーん」

「ちなみにアリアはどこに呼び出されたの?」

「博多」

「なら無理だ」

「私たち宮崎だし」


アジアンと一緒に引き下がると


「だったらやっぱり二人にお願いして良いかな」

「ちょっとタイミングが悪いなぁ……」

「うわ、何この状況」


アクセサリー部屋から出てきたエミリア。それを見てマモンは頷いて


「エミリアガ近所に住んでいるからエミリアに頼んでみたら?」

「何を?」


エミリアに一通り説明が終わって


「一応私は元PKよ、運営からしてみればあんまり良くないでしょ」

「ううん、あの人はそんなの気にしないと思うよ」

「ええ、そうね」

「そうなの……それならシンも連れて行って良い?」

「よいわよ。ならアリアとエミリアとシンの三人ね」

「でもリアル知っているの?」


……アレ……何この沈黙。


「白織屋ね」

「うん」


*****


白織屋に行けばアリアが誰か一瞬で分かる、そう言われたので白織屋に入ると


「ほら、アリアちゃん。もう少しだよ」

「そう言うなら直美も手伝ってよ!」

「直美ちゃんはお仕事中ですー。っと、いらっしゃいませー、こちらのお客様と相席になります」


笑顔の直美さんに少し見とれつつ、進められた席に向かう。赤っぽい色の髪のちんちくりんがノートに向かって文字を書き続けていた。アレって……向こうとまったく同じ?


「アリア、何しているの?」

「漢字毎日100字って宿題だよ……」

「ああ……」


アレは面倒な宿題だ。初日で終わらせようと思って諦めたんだよね……


「とりあえずさっさと終わらせる……アレ?」


顔を上げて


「誰?」

「「今さら!?」」


一息吐いて


「えっと……エミリアとシンだよね」

「そうよ」

「うん」

「アリアだよ」

「「知ってる」」

「むぅ……二階堂アリアです」

「え、アリアって本名だったの?」


頷かれた。驚きだ……まさか本名だなんて……


「江利亜美、エミリアよ」

「江利柘雄、シン」

「アミとツゲオね。それじゃ行こうか」

「博多よね?」

「うん。交通の便がマジパネェからね」


ちょくちょく変なのはこっちでも同じ……と思っていると


「アリアちゃん、ノート忘れないでね」

「あ、うん。とりあえずまたね」

「はいはい、また後で。二人も」

「うん」

「はい」


白織屋を出ると眩しい。半袖短パンのアリアはため息を吐いて


「あっつ」

「そうね……」

「さっさと地下鉄に行こうよ」


僕の言葉に三人で地下鉄に。すると


「やっぱり混んでるね」

「夏休みだし」

「最後の週だもんね……」


地下鉄に乗っていると


「ツゲオ、もうちょい詰めて」

「結構限界なんだけど……」

「柘は男の子なんだから女の子くらい抱きしめてやりなさい」


よく分からないからとりあえずアリアの腰を寄せてみると


「……むぃ?」

「……」


思いのほかちゃんとしているのか手すりにブラーん、となった。手すりを掴むような性格じゃないと思っていたんだけど……


「今離すと勢いで激突するからちょっと耐えてね」


お姉ちゃんの言葉に軽くアリアの表情が怖くなった。


「っと、アリア。手すりを掴んでいると危ないから柘の方に行って」

「はーい」


何も考えていないようにアリアが寄って来た。近過ぎる気もする……アレ、よく見たら学校で見かけた事があるような……もしかしてアリアって同じ学校?


「っ……」


何でこの子、こんな匂いしているのかな……汗臭いのかもしれないけど。柑橘類のような匂いだ。


「む、オレンジジュースの匂いが残ってる」


……なんだろうね、恋愛ってジャンルの全てを打ち砕こうとしているような気もする。ちっちゃいから好みのタイプじゃないけどさ……


「天神で一気に下りるから一回体勢を立て直そ」

「うん」

「そうだね」


何とか体勢を立て直して


「ほら、お姉ちゃんも壁際に」

「ちっ……」


舌打ちが聞こえたけど気のせいだろうね……あ、


「アレって……瑠璃?」

「みたいね」

「どこか行くのかな?」

「……見た感じ後輩達と一緒ね。遊びに行っているんじゃないの?」


リア充め、と一瞬思っていると祗園を発車し、博多は次の駅だ。扉の近くに寄って……開いた扉から下りる。


「地下に冷房が効いていると思って油断した……」

「そうね……」


女性陣が思ったよりも疲弊しているみたいだ。それなら地下鉄を使わなくても、と思ったけど安くて速い庶民向けの乗り物だから仕方ない……のかな。


「それじゃ行こうか」


既に向こうは着いているそうだった。

作者が福岡近辺に住んでいるため福岡系の場所が稀に出てきます

地図帳やグーグルマップなどで調べてみると余計な知識を得られますよ


次回予告

デュエル多めの予定

決闘者以外は意味不かもしれませんがご容赦ください


星獣の登場が遅れたのは仕様です

忘れてたわけじゃありません

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