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最後の冬に、復讐を

「えっさかほい」

「爺臭いなぁ」

「むっ、婆臭いって言うべきだと思うよ」

「そこじゃないと思うよ」


むー、と思いつつ剣を木箱に突っ込んで


「とりあえずシンはさっさと付与の仕事をする!」

「終わりましたよ」

「嘘ん」


えー?


「だったら何かしてよ。料理とか」

「スキル習得していないですし……」

「《料理》か《錬金術》さえ習得していればこき使えるのに……っ!」

「ブラック⁉︎」


シンの驚きの声に笑っていると


「シンを出せ!」

「「……?」」


2人で首を傾げて


「知ってる声?」

「……どこかで」

「付き添おうか?」

「大丈夫だと思うよ」

シンは僕の肩に手を置いて店内に向かって……怒号が。慌ててそっちに行くと


「過去は変えられないだろうが!」

「……その通りだね」

「っ⁉︎ だったら引退していった奴らに謝れよ⁉︎」


シンは悲しげな目つきで、相手の男は怒りの眼差しで話している。うーむ? 過去、過去かぁ。《罪を犯す者》としてのシンかな。ちなみに今のシンは《罪を背負う者》だって。マモン命名。



「悪いけど僕のお店で揉め事を起こさないで欲しいな」

「アリア……」

「アリア! どうしてこいつを雇っているんだ! 敵だろう!」

「え、敵なの?」

「そのつもりは無いですけど……」

「だってよ?」

「っ⁉︎ そいつが何をしたのか知らないわけじゃないんだろ⁉︎」


あー、なるほどね。


「うん、知ってるよ。日記にかけるくらいは知ってる」

「一行か……」

「失敬な。三行だよ」


シンの表情に呆れが見える。なんとまあ失敬な奴だ。エミリアに言いつけてやるもんね。


「で、僕がシンを知っている、だからなに?」

「殺らせろよ⁉︎ あいつに殺られて引退していった奴がどれくらいいると思ってんだよ⁉︎」

「んー、0?」

「舐めてんのかお前ぇっ!」


男の手が僕の襟を掴もうとするけど


「悪いけど」

「この店で荒事はご法度ね」

「ナイスタイミングだね、マモン、レヴィ」

「何がナイスタイミングよ、白々しい」

「いるのに気づいていたから何もしなかったんでしょ」


弓矢と銃を構えた2人の言葉にあはは、と笑って


「悪いけど私たちの仲間に暴言を吐くってんなら容赦しないわよ」

「以下同文♪」

「……くそっ!」


男は店から出て行った。それにふぃー、と息を吐いて


「シン、あんなの気にする必要も無い」

「……」

「あれは地球の裏側で人が死んだって同じような事と思えないんだから」

「……ごめんちょっと何言ってるか分かんない」

「うん、僕も分かんない」


シンの目が笑いに満ちた。


「僕は別にあの男を出禁にするつもりは無いよ」

「そうなの?」

「別に問題起こしたわけじゃないし。クレーマーだって今はバイトしてるし」


バタン、と物音がした方を見るとマリアが。


「また蒸し返すの⁉︎」

「だって便利なんだもん」

「黒歴史掘り返さないで!」


マリアの肩を揺すりながらの言葉にゆらゆらしながら頷く。

マリアの腰のハーネスとベルトにはたくさんの小瓶がぶら下がっている。そしてズボンで言えばポケットの位置に一本の剣がある。焼きつくし刺し貫く剣《劫火》だ。


「それ、使い勝手良い?」

「はい。まぁ、癖が強いけど」

「マリアの注文でしょ。柄を太くってのは」

「そうですけどね」


鞘から抜いて指でくるくる回転させて


「ほっと」

「「おお~」」


そのまま剣舞のようなものを披露してくれた。なんか踊りなのに物凄くカッコいい。


「アリア、手合わせしたいんだけど」

「また? ボッこボコにした記憶があるんだけど」

「いつの話だっけ?」

「マリアが登場した次の回辺り」

「メタい」


マリアの言葉に笑っていると


「マリアか……中々面倒な戦い方をされたね」

「あっさり越えてきたくせに何言ってんだよ」

「いやいや、見ていたけどアイテムの使い方が上手だったよ」


シンとマリアが激突したことがあったのかな……


「僕で良ければ相手するけど?」

「えー、どうしよう……うん、お願いするよ」


って事で


「さてと、先手は譲るよ」

「ありがとう」


小瓶を左手の指でいくつか挟み、右手に劫火を握る。そのままいきなり投擲した。それは避けられたけど次々と投擲される小瓶が割れ、その飛沫がシンにかかった。


「これは……麻痺か!?」


シンの動きが硬直した。そしてそこに躊躇無く小瓶を投げ続けるマリア。完全に動けなくなったシンに向かって黒い塊を投げつけた。そして


「至近距離爆発でもこの威力かよ……」

「中々ダメージは食らったけどね……ところで」

「うん?」

「助けて、動けない」

「ダメだね、徹底的にやるよ」


ダメだ、笑いが止まらない。シンが麻痺は解けたのか上半身を器用に動かして避けている。容赦ないマリアは足元になんかべったりとして動けない何かを投げ続けている。もう劫火はしまっていた。


「これ、どれくらい出費するのかな……」


ふと気になって呟くと、マリアの動きが固まった。そして篭手に取り付けられた矢がシンを打ち抜いて


「かなりかかるけど……この勝負には負けたくない!」

「そんな威勢よく言ってもやってることはハメ殺しだよ!? 考え直して!」


シンの必死の言葉に笑い出しそうになっていたらシンのステータスに毒のアイコンが表示された。毒になったって……マリアの矢か。


「マリア! やっちゃえ!」

「もちろん!」

「アリア!? どうして!」

「面白そうだから」

「ちくしょぉぉ!?」


シンの絶叫が響く中、空は青く澄んでいた。ああ、実に平和だ。


「やれ!」

「《ホーミングアロー》!」

「っ、マリア!」


マリアに注意を呼びかけて振り向く。飛来する矢を剣で弾き飛ばして地面を蹴る。矢を放ったプレイヤーに接近して、そいつを守ろうとする奴を蹴り飛ばす。


「なにするのさ」

「っ、そいつごとやれ!」


その言葉に従ったのか剣や槍を振り下ろしてくるプレイヤーたち。その攻撃を掻い潜って蹴り倒して


「で、何の真似かな、これ」


全員を蹴倒して一息吐く。


「次は全員殺すけど……何の真似だったの?」

「っ……シンへ復讐しに着たんだよ!」」

「ふーん? 復讐は新たな復讐を産みゅだけって聞いたけど」


噛んだ。すると


「頭では分かっていても感情じゃあ無理だろうがよぉ!」

「……」

「俺だって人間だぁっ!」


……確かにそうだろう……だけど、だけどさ、


「それでも僕は仲間を殺そうとする奴らは許せない。まだやるって言うなら僕が相手するけど」


背中に吊るした二本と腰に差した一本、どれを抜こうかと迷って結局レグルスネメア。


「い、いくら最強だからってこの人数相手なら!」

「うん、そうだね」


確かにレベルによっては僕も危ないかもしれない。


「さぁ、おいでよ。君たちの復讐が無理だって教えてあげるから」

「最後の冬に、復讐を」

「囲んでやれ!」

「ん……」


片手長剣《獅子翼剣レグルスネメア》、カウンターだけでなく攻撃にも少し使えるようになった。


「行くよ!」


地面を蹴って攻撃を避けて無言の腹パン。そのまま隣をすり抜けて


「やぁっ!」


剣の腹を蹴って背後からの攻撃をレグルスで受け止める。そして


「《獅子レグルス咆哮ハウル》!」

タイトルはエロゲに関わるので検索しない方が良いでしょう


今回、特に書くこと無く話が進んだ感ある

とりあえず恨みを持っているプレイヤーが現れた

返り討ちに遭い掛ける

話し合う

ね? 終わりでしょ?


2月に入りますねー

どうせ14日に茶色いサムシングを貰えるリア充は読んでいないとして『リア充破裂しろ』の一言を今月の目標に

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