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結晶の塔 中部

二刀流の骨王様、《ボーンダブルソードキング》の体力が全損し、アイテムドロップと経験値が。それを無視して階段を駆け上がる。シンとエミリアに追い抜かれそうになりながらも螺旋階段を駆ける。


「壁キックは無しよ!」

「分かってるよ!」


エミリアの言葉に頷きながら次のフロアに。槍を持った骨が頭に冠をつけている。《ボーンランスキンギ》だったかな?


「《ソードリバーサル》!」

「《デュアルスラッシュ》!」


エミリアが刀から双剣に持ち替えて切りかかる。骨が切り砕かれる。そして薙がれる槍を


「《死の裁き》!」


正面から真っ二つに割った。そしてその隙間を抜けて


「《三日月》!」


すぱっと骨が断裂。そのまま納刀し


「はっ!」


シンの《夜明けと黄昏の天剣》が骸骨を切り割り、全損させた。


「今何階層だっけ?」

「40くらい?」

「45まで骨系だから……そろそろ半分ね」

「とりあえず休憩がてらに耐久回復する?」


二人の武器の耐久を回復する。ここまでダメージは三人合わせて0。最初にダメージを受けた奴が負けだ。僕ルールで。


「なんだか朧気に記憶が……」


エミリアが首を傾げながら装備を整える。そのまま登ってハンマーを持った骨が砕かれた。速攻だ。


「ふと思ったけどさ、誰もアストラル系が出てきたら有効な攻撃が無いよね」

「幽霊だからね。僕の天剣なら問題ないよ」

「私のは?」

「《天魔斬刀》って言うから切れるんじゃない?」

「製作者がそれを……」


確か《真》にしようと思ったら『雷か光か闇にして』という熱い願望をエミリアが語ったので素材が無く、あえなく断念したんだった。だけどここでドロップしたアイテムに属性付与のもあるってシンが言っていたから買い取ろう。金欠な奴から安く買い叩こう。


「シンのも光か闇にするんでしょ? 素材ドロップしたら後で買い取るかんね」

「付与素材を使うには付与スキルが無いと意味が無いんですけど」

「僕の使える《鍛冶師》は中級だからね。実は使えるのだよ」

「マジ?」

「マジマジ」


上級までいけばどんなアイテムでも使えるようになるらしい。後は剣と剣を合成してステータスを上げたりとかも。だけどその入手方法が分からないから困っている。ちなみに存在しているのは運営からのお知らせで知っている。


「さてと、次行こうか」

「うん」

「そうね……」


何か思い出そうとしているエミリアを無視して進んでいると


「アリア! 進むの止めなさい!」

「ホワァイ?」

「発音酷すぎ……」


シンの言葉に笑っていると次の階層に。そして


「ぴゃあぁぁぁぁぁぁぁ!?」


蜘蛛だ!?


「あばばばばば!?」


あぁ、視界が暗くなってきた……眠くなってきたなぁ……


「シン! 蜘蛛は任せる!」

「分かった!」

「アリア! しっかりしなさい!」


おう!? 頬っぺたが叩かれて地味にダメージが!? 僕ルールで僕が最初に負けた! 何てこったい……アレ、何かがあったような……なんだろ、忘れちゃった。


「アリア、ちょっと事情があるから私と一緒にゆっくり行きましょう。シンが一人で頑張ってくれるから」


*****


「はい、ゴールデンパフェよ」

「どこがゴールデンなんだ……」

「中を見たら分かるわよ。それよりも」

「分かっている。コーヒーだ」


トレードをしてコーヒーを飲む。濃く苦いそれは甘いパフェを食べた後味を流す。そのまま一息ついて


「そう言えばアリアを助けに行かなくて良いの?」

「シンとエミリアが助けているらしい。それにもう45を越えたそうだ。追いかけても間に合わない」

「あー、46から50まではアラクネーシリーズだもんね」

「マモンはどこまで到達したんだ?」

「80。あんな機械には矢が通じないわよ」

「そうか」

「魔王は?」

「99」

「負けたんだ」

「いや、耐久が無くなりかけてな。《結晶の塔》の中で全損したとしてもアイテムドロップが無いのは助かるな」

「そうね……今頃何しているのかしらね」

「アリアのことだ、アラクネーに精神的ダメージを受けているんじゃないか?」


パフェを食べつつ魔王が言う。だけど


「あの二人ならアリアを守ってくれるわよ」


*****


しゅっ、と音を立てて《夜明けと黄昏の天剣》が閃く。足と伸びる糸を切り裂き胴へと一撃を加える。一瞬の怯みに追撃を加える。上半身が揺れた瞬間に腕を断ち、心臓を貫く。そのまま手首を返して頭まで切り上げる。


「終わったよ、姉さん」

「50に到達したんだね」

「うん。次のを確認してくるよ」


多分アラクネーは終わりだと思う。それは正解だったようだ。目からのビームを避けて髪の蛇を切る。目デューサの目から放たれるビームに当たったら多分石化する。だから当たらないように駆ける。

メデューサの両手は大蛇、下半身も蛇、髪の毛は小蛇だ。その腕を避けて切りつける。三回斬ると目からビーム。咄嗟に懐に入って突き刺す。

僕の3倍くらいの大きさの尾が打ち据えようとする。それを避けて


「《死の裁き》!」


瞬間的に三連続切り。心臓、首、胴を斬る軌道の剣は見事に当たるがそもそもプレイヤー特攻のスキルだ。あんまり意味が無い。だが、怯ませられる。その隙に連続して髪を切る。

メデューサの髪には一本一本当たり判定があるから一気にダメージを与えられる。


「終わったよ、姉さん。もうアラクネーじゃない」

「だってよ、アリア」

「あはは、何を言っているのさ。そもそもどうして僕はエミリアに抱きしめられているのさ」

「可愛いからよ」

「マモンと同じこと言ってる……」

「そうなんだ」


アリアを抱き抱え、頬を擦り擦りしているお姉ちゃんが。たまに百合なんじゃないかなって思う。女子大に行っているし。


「ホラ、もう離してよ」

「ダーメ」


困ったような視線を無視して階段に足を進める。そして


「お姉ちゃん、置いて行くよ」

「あ、待って」

「アリアもさっさとしてよ」

「うん」


するり、とお姉ちゃんの手からアリアが抜け出した。そして僕に並んで


「さっき、何があったの?」

「さぁ? お姉ちゃんがアリアに百合百合したくなったんじゃない?」

「マモンの同族か……やれやれだね」


次のフロアにいたラミアを見てため息を吐くアリア。四本の剣を装備しているラミア、砂漠のエリアボスだったはず。どこの砂漠かは忘れたけど。


「行くよ」

「うん」


階段を駆け上がり、2本の剣で切りかかるアリア。その小柄な体はラミアの剣を掻い潜った。そこに背後から付随する。


「《居合い・神風》!」


振り下ろされた剣を切り飛ばす。そのまま驚きの表情にアリアが切りかかる。鬼畜だ。

アリアは剣を振るい、空中でバランスを保っている。ラミアの攻撃を足場にし、続ける。もはや床に足が着いている瞬間が無い。


「だりゃあ!」

「何その掛け声」


お姉ちゃんの言葉ににへら、と笑うアリア。なんと言うか……間の抜けたような感じだ。略して間抜け。


「そう言えばさ、ふと思ったんだけどどこまで行く気なの?」

「え?」


そう言えば決めていなかった。100層あるダンジョンだ、半分も行けば満足だろうと思ったら


「100層まで行くよ!」

「……やっぱり」


ですよねー、と思いながらため息が出た。

エミリアがゆる百合化


今回は何も言う事無し

強いて言うなら魔王は《飲料》スキルを習得してから結構飲んでいます

もっとも擬似的な酔い

なので擬似的に酔って寝ても二日酔いはありません


次回、古代アンテイーク機械ギアの猛攻


決闘者としてルビはこれしかないと思いました

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