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DeadMonster!  作者: ノラギツネ
7/21

学校へ逝こう

NO.7 学校へ逝こう


ハイエナンのエナ子を配下に向えて数日、このところエナ子を交えての組手を実施している。

エナ子は細い体をしていながら、意外と強い。

しなやかな体から生み出されるスピードを武器に仕掛けて来られると、手も足も出ない。

組手回数30戦で勝率は29敗1引き分けと、惜敗を期している。

未だに組手でエナ子に勝った試しが無い。

偶々、足を取られて頭からエナ子に突っ込み、両者痛み分けと成った引き分け以降、勝ち星が無い。

今も、エナ子を相手に組手の真っ最中だ。


「テイッ!」


「ぐっ!?」


「トウッ!」


「ぬぬっ!?」


「チョイヤッ!」


「ぐはぁぁっ!」


エナ子の怒涛の攻撃をお見せ出来なくて残念です……。

因みに、最後の一撃で俺の片腕が吹き飛びました。


「どうする?まだやる?ゾン吉~?」


「降参!降参降参っ!!。いやぁ、エナ子は強いなぁ。」


「えへへっ!私つよい?やった~!」


エナ子は褒められると素直に喜んで飛び跳ねている。

さ~て、吹き飛ばされた俺の腕は何処だ~?

キョロキョロと腕を探していると、背後からチョンチョンと服を引っ張られる。


「んっ?如何した、エナ子?」


「ゾン吉……。わたしもう、我慢できない……。」


思わず、ドキッとしてしまう。(心臓は動いてません、比喩表現です)

エナ子にその場で押し倒される!

意外とエナ子は力が強い。いや、俺が非力なのかな?

しかし、行き成りですか!?発情期ですか!?

待ってよ!ほ、ほらっ!?ホネ川君も見てるし……。

俺の視線に気が付いたのか、ソッと背中を向けるホネ川君……。君は空気が読める子だ。


「ゾン吉がほしいの……。」


潤んだ瞳で見つめられる。

エナ子の顔が近づいて来ると、天日干しした布団の様な優しい匂いが鼻孔をくすぐる。


「エナ子……。」


「ゾン吉……いただきますっ!!」


ガブリッ!!と喉元に齧り付かれる!?


「カヒュ~、カヒュヒュ~!(ア~レ~!食~べら~れる!?)」


そんな事だろうと思ったよ!!

エロスを期待した俺がアフォーでした。

それでも、食べられている最中に、しっかり獣耳をモフッてやったぜ!

因みに、先程吹き飛ばされた腕も後でスタッフ(エナ子)が美味しく頂きました。



『スキル:リポップを発動しました。』


「おなか一杯~。」


「お粗末さま。」


最近思うんだが、戦う・負ける・組み敷かれる・捕食される、がワンセット扱いに成って居る様な気がする……。

エナ子のお腹が膨れた所で、俺達は組手を終えて家へと帰る事にした。

家へと帰ると、ゾンビママとの話の中で気に成る話題が出て来た。


「学校?」


「そうよ~、学校。ゾン吉ちゃん達もソロソロ学校に通う頃だと思うのよぉ。」


えっ!?ゾンビでも学校に通わないといけないの?

おばけにゃ学校もテストも無いって歌われてなかったっけ?

ゾンビママの計らいで既に入学手続きは済ませているそうだ。

手続きを済ませてしまった以上、行かない訳にもいかないなっ!

如何やら、思っても無かった学園編が始まってしまう様だ。



そんで翌日、俺達はゾンビママから貰った地図を頼りに学校へとやって来た。


『腐立腐肉谷モンスター学校』


如何やら間違い無い様だ。

此処が今日から俺達が通う事に成る学校の様だ。

早速、学校の中へと潜入!

教室内には俺達の他にもゾンビが数名、椅子に着席していた。

他のゾンビに習って俺達も席に着くと、程なくしてチャイムが鳴り響く。


カランコロ~ン、カランコロ~ン!


ガラッ!と教室の扉が開かれて生首を持ったゾンビが入室して来た!


「よいしょっと。」


ゾンビは教卓にドンッと生首を置くと、回れ右して教室を出て行く……。

何だったんだ?今のゾンビは?


「は~い!諸君、おはよ~う!ホームルームを始めるぞ~。席に着け、着いてるか?着いてるな!」


生首が突然、喋り出す!?思わずビクッとしたが、まあ予想の範疇だ。


「皆、入学おめでとう!これから君達は此処で、一人前のモンスターと成るべく勉強をして行く事に成る!そんな君達を教える先生、「デュラハン」です。頑張って皆さん!立派なモンスターに成りましょう!」


「先生、質問です!!デュラハンって普通、首無し騎士の事ですよね?」


誰かが生首に質問を飛ばす。うん、俺も気に成ってた……。


「え~と。君は、「腐り杉君」ですね。良い質問です!実は先生、まさに今!魔王城でお勤めをしています。」


魔王城という単語が出て来た事で教室内がざわつく……。

つまり、先生はエリートなんだな。あれ?じゃあなんで腐肉谷なんかに居るんだ?


「はいはい、静かに!魔王城に勤めていると言ってもね、先生の首から下がっ!!魔王城で働いて居るって……だけでずぅぅぅっ!」


途端に滝の様な涙を流し始めた!?

何かがデュラハン先生の琴線に触れた様でオィオィと涙を流しながら愚痴が零れ落ちる始める。


「先生だってね、本当なら全身全霊で魔王城にお仕えしたかったんですよ……。でも採用枠が首無し騎士デュラハンしか空いて無かったんです!先生ね、考えました!じゃあ、首を取れば採用して貰えるんじゃね!?っと。でもね、結局採用されたのは首から下のみ……。残された首は如何すれば良いんだ、って!?まさか自分の体からリストラされるとは思ってもみませんでしたよ……。文字通りのクビですよ。」


世知辛い話である。

しかし、先生の話が本当なら、首と胴体が別々に動いていると言う訳か……。

器用だな。


「と、言う訳で私は現在モンスター学校で講師をしているのです!皆さんわかりましたか~?」


「「「「「は~いっ!」」」」」


みんな取り敢えず納得した様だ。


「はい、じゃあ先生の自己紹介も終わった所で授業に移ります。まずは算数の授業からです。昨今のモンスターは数字に強くなくてはいけません!HPの管理からMPの運用効率、更には日常の買い物で必要な金銭の数え方など、うんたらかんたら……。」


「先生っ!言ってる意味が良く分かりません!」


と、先程デュラハン先生に質問していたゾンビ「腐り杉君」がシュッと挙手して述べると、周りのゾンビ達もウン、ウンッ!と頷いていた。

まあ、ショウガナイ。みんな、脳ミソまで腐っているから難しい事は理解出来ない頭の持ち主ばかりだからなぁ。


「まあ、良いです。とにかく計算出来る様に成れ!って事です。では早速、問題を解いて貰いましょう。ピュ~!」


デュラハン先生が口笛を吹くと、再びゾンビが扉から入って来て先生の涙を甲斐甲斐しく拭き取ると、黒板に数式を書いて行く。


1+2=?

5+6=?

11+10=?


レベルがものっそい低い!!


「はい、じゃあまずこの計算が出来るゾンビは居るかな?順番に聞いて行こう。えっと、まずは「ゾビ香ちゃん」答えてくれ。」


「はい、えっと……3?です。」


「はい、正解です。」


言葉が出ない……。レベル低すぎだろう!?

入学したてとは言え、一ケタの足し算からって……脳ミソ腐ってるからってゾンビをバカにし過ぎだろう!?


「じゃあ、次は隣に座ってる「ゾビ太くん」答えてみて。」


「えっと……、わかりません。」


すみません、やっぱり脳ミソが腐っているのは致命的の様です。


「しょうがないゾンビだ。要努力だな!じゃあ、別のゾンビに答えて貰おう。えっとそこの君!ゾン吉くん、答えてみて。」


「ズバリ!11ですっ!」


「素晴らしい!続けて三問目は解るかな?少し難しいぞ?」


ふっ、余裕の○ちゃんイカさ!!


「21ですっ!」


教室内が静まり返る……。

フルフルッと生首が震えている。あれ?俺計算を間違えたかな?もう一度頭の中で計算し直してみる。21で間違いない……ハズ。(もっと自信持てよ、俺!)


「あ、暗算だと!?二桁の計算を!?て、て、て……。」


「て?」


「天才だっーーー!君は、天才だな!?」


エエエッッッッッッッ!?どういう事!?


「正直に言うと、三問目は先生からの意地悪問題だったんだ。まさか、暗算で二桁の計算をやってのけるモンスターが現るなんて……これは大変な事に成るぞ!?」


いや、二桁の足し算なんて、驚く程じゃ無いだろう!?

しかし、俺が二桁の計算をやってのけた事で教室内がざわつき始めた。


「し、静かに!!授業を続けます!」


そうして一時間目の算数はバタバタと終了した。

続いて国語の時間。


「て、て、て、天才だっーーーー!君も天才なのかっ!?」


次に賞賛されたのはホネ川君だった。

ホネ川君はこう見えて数ヶ国語(数種族語)の読み書きが出来る程に頭が良い。

友人(俺の配下)として鼻が高いぜ!


そして、三時間目の社会……は飛ばして、四時間目の戦闘訓練(体育)。


「ていっ!とおっ!てりゃあ!おなかすいた~!」


「ぬっ。ぬぬっ!?ぬおっ!!グハアッ!!」


デュランハン先生(生首)対エナ子が激闘を繰り広げる。

と、言うか先生、首だけでも戦えるんだな?

でも、手も足も文字通り出ないからエナ子のパンチを顔面でモロに受ける様を見るのは何だか可哀そうに見えて来る……。


「よ、よひぃ!きひょうは、ここまででゅえ、かんべんしておきょう!」


顔が腫れあがって何言ってるか良く分からない。


「ありがとう、ございました~。」


そう言って組手を終えてエナ子が戻って来た。

ちなみにエナ子の奴は強すぎた為に素人ゾンビ相手にするとバラバラにしてしまうからと、特別にデュラハン先生が相手をしたのだ。

先生の名誉の為に言っておくが、決してエナ子のサンドバッグに成った訳では無い!……と思う。


「(イヤハヤ、今年の新入生は粒揃いばかりだな……。)」


四時間目も終わり休憩と成った。

生憎、給食というシャレオツな制度は腐立腐肉谷モンスター学校には存在しない。

なので、各自昼食を持って来ている。


「それじゃあ、いただき「いただきますっ!!(ガブリッ)」」


「ア~レ~!食~べら~れる!?」


昼食を取ろうとしたら、逆に昼食にされました。


『スキル:リポップを発動しました。』


結局俺は昼食を取る暇を得られないまま、本日最後の授業を受ける事に成った。

デュラハン先生の生首を持ったゾンビが教室へとやって来ると開口一番、授業の内容について説明される。


「皆さんには、これから殺し合いをして貰います。」



獣耳警報継続中!!


ナイスミドル「獣耳で良ければ私が持って居ますよ!」


「……どなたか読者様の中で獣耳をお持ちの美少女読者様(限定)はいらっしゃいませんか!?」


ナイスミドル「……。」

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