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DeadMonster!  作者: ノラギツネ
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ゾン吉、リポップする

NO:5 ゾン吉、リポップする


『スキル:リポップを発動します。自動的に配下もリポップします。』


俺はゾンビ人生に終わりを告げた…と思ったのにだ!

何故か炎に焼かれる前のピッチピチバディに戻っている。(それでも腐っている)


「カタッ!カタカタカタッ!!」


「おおっ!ホネ川君も無事だったか!?」


ホネ川君もバラバラだった体が元通り綺麗な骨組みと成っている。

何にせよ、元に戻れて良かった良かった。

でも何で、元に戻れたのだろうか?

やはり、例の『スキル:リポップ』って奴が怪しい気がする。


「カタカタカタッ!」


「うん?もうそんな時間かい?そろそろ家に帰らないとゾンビパパとゾンビママが心配するか。」


何時の間にか時間は夕刻に成ろうかとしている様だ。

1,2時間程、気を失って居たらしい計算に成る。


「しかし、折角此処まで来たのに収穫無しか。残念だなぁ。」


まあ、気長に刃物は探すしかないかな?


「カタッ!カタカタッ?」


ホネ川君が地面を指さすと、荷物と剣が落ちていた。

先程の人間が落してそのままにして行った様だ。放置するのも勿体無いので戴く事にした。

荷物を探ると、弓矢も有ったのでホネ川君にあげた。

俺は人間が落した剣「使い古されたショートソード」を装備した所で帰宅の路に付いた。

帰り道、あの勇者と呼ばれた青年と魔法使いの女の子を思い出す。


「強かったな。アイツ等…。」


「カタカタッ…。」


「もっと強く成って、自分の身くらい守れる様に成らないとな!」


「カタカタ!!」


俺達は強く成ろう!と約束して涙した。(ちなみに互いに涙は出ませんでした…。雰囲気だよ、雰囲気。)



帰ってから、事の顛末をゾンビパパとゾンビママに説明すると、とても怒られた。

何でも人間相手にゾンビの言葉は通じないらしく、向こうからすれば「あ゛ぁぁぁ~。」とか「ウ゛ゥゥゥゥ~。」とか唸っている様にしか聞こえないらしい…。

なにそれ、もっと早く教えて欲しかったよ!

バカ正直に人間相手に話し掛けていた俺はバカみたいじゃないか!

そりゃあ、勇者に退治されても仕方ないわ!

だって俺、モンスターだもんっ!!


まあ、そう言う経緯で人間は俺達ゾンビを見ると、無条件で剣を抜いて襲い掛かって来るらしい。

なにそれ、怖い!

モンスターの立場から見た人間怖いわ!

平和に暮らしてるゾンビに襲い掛かる勇者の図とか、普通に殺戮図だもん。

勇者になんて関わり合いに成らないのが一番と言う事だね。

二度も炎で焼かれるのはゴメン被りたい!


でも、強く成りたい!

弱いままじゃ、何時また今日の二の舞に成るか分からないからな!

自分の身ぐらいは自分で守れる様に成りたい!

そんな話を、ゾンビパパとゾンビママに話すと、ゾンビママが教えてくれた。


「じゃあ、魔王城を目指すといいわよ~。」


サラッとすげぇ名前が出たな…。魔王城か…。

まあ、勇者が居るんだから、魔王も居るわなぁ。


「で、ゾンビママ。その魔王城へは、どうやって行くの?行ったらどうなるの?」


「お城で採用されれば魔王様にお仕え出来るわ。それに、魔王城で勤務する人達モンスターは、例外なく強いモンスターばかりだから、ゾン吉ちゃんも魔王城へ行けば強く成れるわよ!きっと!」


いや、それって魔王城に行ったから強く成ったんじゃなくて、強いから魔王城に行ったのでは?と思うが、ゾンビママの熱い眼差しにツッコミ切れなかった…。


「まあ、ゾン吉はまだ小さいから、もっと大きく成ってからだな!」


確かに、5~7歳程度の大きさしかない体では何かと不自由だ。

ああ、早く人間に成り…、じゃ無かった!

早く、大きく成りた~い!

取り敢えずは、明日から素振りから鍛錬を初めて見ますかね。

その日は寝床に潜り込むと、例のスキル「リポップ」について考える。

体を燃やされて元に戻ったのはこの「リポップ」のせいで間違いはないだろう。


「そう言えば、二回目の時は、『配下もリポップします。』って言ってたっけ。」


「カタ?カタカタッ?」


「えっ?ホネ川君も声を聞いたの?リポップするって?」


もしかして、配下ってホネ川君の事かな?

失敬な!ホネ川君は俺の大事な友達だよ!?配下だなんて、そんな事…。


「ホネ川君って俺の事、どう思ってる?」


「カタッ?カタカタカタカタッ!!」


「ホ、ホネ川君…。君、其処まで俺の事を…。」


ホネ川君は俺の事を命を懸けても良い位には思ってくれているらしい。

ヤバイ、涙腺がヤバイ!決壊しそう!(涙腺は既に物理的に決壊済み)

只の友達だと思っていたら実は心から信頼できる配下に成ってました!

でも、これでホネ川君がバラバラ状態から復活できた理由が分かったね。

如何やら、俺がリポップする際に俺の配下も一緒にリポップすると言う事が分かった。

リポップについてはこれから少しづつ研究する必要が有る様だ。

そんな事を考えながら、俺は永遠(八時間)とも言える眠りに着いた…。


スケルトン語講座 中級編

・これは幾らですか?「カタカタッ?」

・もっと、安くして貰えませんか?「カタカタッ?」

・これは鳥骨ですか?豚骨ですか?「カタカタ?カタカタ?」


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