2羽 採用
「えぇと、とりあえず、仕事内容の説明をしましょう」
先ほどは、早とちりをしてすいませんと、男性は鳥をカウンターへ優しく置き、決まりが悪そうに話題を変えてきた。
それにしても、面接なしで採用なのだろうか。いや、面接の時点で仕事内容の説明ってするのか?
はじめての面接、というのも相まり流されるままに椅子へ座り話を聴くことにした。
「単純に四つ。一つは、電話や直接来店したお客様は、大体修理を頼むためにお越しになられますのでその取り次ぎや、機械の種類、どこが壊れたのか、どのように動かなくなったのかなどを聞いて見て、紙に記入すること。
二つは店頭に出てる機械(この子)達を磨いたり、油を注して点検すること。
三つは、掃除や私が出張しているときに店番をしてもらうこと。店番の時には、丸一日かかるから、お昼の時とかは台所を使っていいです。
四つは、慣れてきたらまた増やしますね」
「はい。あの、採用結果とかはいつ……」
「もう、採用済みですよ?」
今度は僕が驚く番であった。採用済み? 電話だけで?
「最近は猫の手を借りたいほど忙しいので、電話が来たときから採用可にしよう! と思ったんです。流石に金髪ピアス不良だったら私も逡巡しましたけれどね、電話先の君はとても丁寧で真面目でしたから」
はぁ、としか生返事が出てこない。でも、内容としては難しそうだけれど、やれば慣れつつ出来そうだ。店番というのも不安は募れど心惹かれる。
「どうでしょう、明日の朝9時からやってみませんか?」
断る理由もないまま、反射的に僕は返事をした。
「やります! よろしくお願いします」
1話=1羽というおふざけーでした。続きます。