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999の魔法  作者: 潮 かお
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第一章 実践

 


「出流お兄さま?」

「メイジー!お帰り」



 出流よりも一足先に入学することになったメイジーが、学園から帰ってきた。朝は拝むことができなかったが、臙脂色のブレザー姿がよく似合う。既に兄バカな出流は、妹の可愛さを改めて痛感する。



「ただいま戻りました。魔法の勉強はどうでしたか?」

「いやあ……」



 なかなかに答えにくい質問だ。



「これは?」

「魔封じ?だって」

「なるほど。お兄さまほどのお力は、持て余してしまいますものね。グラシアのものですか」

「そうらしいね」



 出流のはめている手袋については、メイジーも知っていたらしく。鋭く見咎めると、どうしてこの手袋が登場することになったかといったことも含め、全てを理解してくれた。



「メイジーが見せてくれたのと同じ、浮遊の魔法を使ってみたよ」

「わたくしにも見せてください」



 手袋の力を信じていないわけではないが、妹の前で格好悪いところを見せたくはない。披露するのは、もっと上手くなってからだ。


 なんとか言い訳をしようと考えているとき、出流は、メイジーに聞こうとしていたことを思い出した。



「そうだ、メイジー。学園に、弟が通ってるんだって?」

「ああ……クロエのことですね。今日、わたくしも久々に会ってきましたわ。お兄さまに会いたがっていましたわよ」



 それが本当なら、嬉しいことだ。今から仲睦まじい兄弟に……というのは難しくとも、嫌われたくはない。



「出流様、今日はここまでに致しましょう。夕食の時間になりますので」

「あ、はい。ありがとうございました」



 ガエルの一言で、今日の勉強会はお開きとなった。ガエルは部屋を後にし、ソファーにはメイジーと出流二人が残された。



「学園、どんな感じだった?」

「そうですわねえ……」



 それから、夕食の用意ができたと呼ばれるまで、メイジーと話に花を咲かせるのだった。



 

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