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999の魔法  作者: 潮 かお
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第一章 魔力量




「ぜんぜん変わったら感じがないよ」

「では、もう一度魔法を使ってみましょう」

「え、でも」



本当に、魔力を抑えることができたのか。確かめてはみたい。しかし、魔法を使って、先ほどのようなことになったら。出流はそれを危惧していた。



「ご安心ください。私もおりますし、護衛もおります」

「そうですね……やってみないと始まらないか。またりんごに付き合ってもらおう」

「魔封じの輪に魔力を集めるように」



基本的には、先刻の使い方で間違いではないらしい。右手に、身体中の魔力を集めるイメージをする。



「ほんとだ、力が吸い込まれていくような感じがする」

「あとは手袋が管理してくれます」

「それじゃあ、浮遊の魔法をもう一回」



右手に集中した熱が、手袋……正確には、手袋の金属部分に吸い込まれていくような感覚がした。そのまま、りんごに意識を移し、イメージをしていく。りんごを、宙に浮かせる。今度は、失敗しない。



「お……おお、成功か?」



りんごは、ゆっくりと浮いて、ある一定の高さまでいくと止まった。身構えてはみても、特に何もおこる様子はない。



「ちなみに、ガエルさんと俺の魔力量の違いってどのくらいなんですか?」

「私の魔力量は国でも屈指のものであると自負しています。ですが、現時点では650ほどでしょうか」

「……メイジーなら?」

「480くらいではないかと」

「ピアは?」

「430はあるでしょう」



国一番の魔術師ですら、出流より数百も低い数値だ。数字にされると、自分の魔力量の多さをわかりやすく認識できた。



「じゃ、師匠さんは?」

「私は、魔力量はさほど多くはないぞ。850程度か」

「そうか……本当に俺の魔力量って多いんだ」



グラシアも国お抱えの魔術師だったわけだが、単純に魔力量だけで勝負すれば、出流の勝ちである。



「手袋に管理してもらいながら、魔法の扱いを身に付けなきゃならないのか」

「いずれは、手袋なしでも使えるようになるでしょう」

「どうだかな。私にはその兆しが見えんが」

「師匠!」



悪気はないのだろうが、そろそろ優しい言葉もかけてほしい出流だった。


 

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