期首、第一期「青鷺、お前気持ちが悪い人間だな」「毒舌だな、堂島さん」
期首を簡単に言うなら、帳簿を着け始めたときあたりだった希ガス。
……おい、現実よ。俺にとってこんなに厳しいものになる必要があったのか?無いだろ?あるはず無いだろ。
「あ、えと俺の名前は青鷺。下の名前は彼女に呼ばせたいから青鷺って呼んでほしいです。」
初対面の人たちにこんな自己紹介したのが、言ったのが間違いだった!自己紹介の時、俺ってば調子乗っちゃった。だってこのクラスは男が6人しか居ないんだぞ。
俺の通う学校、県立日雀商業高校では圧倒的に男が足りない。
なぜなら女どもが異常なほど多いからだ。そのせいなのか?……男子の制服は手抜きの突貫工事なのか、それとも単純に伝統なのか、詰襟の学ラン。
何これ、ダサい。
男女ともブレザーとか無いわけ!?せめて選択肢とかくれよ。不満爆発してるよもう!
現在休み時間。俺は項垂れ机に突っ伏している最中だった。その最中、まさか話しかけてくれる天使が居ようとは!!アレかな『え~と、青鷺君だっけ。大丈夫?具合でも悪い?ほ、保健室……行く?』とか赤面で言ってくれんのかな。『出会ったばっかなのに、ドキドキするんだ。運命かなぁ、一緒に居てもいい?』とかも言ってくれんのかな。期待と妄想がダダ漏れな俺の顔を覗き込むさっきの声の主。
「青鷺……と言ったな。大丈夫なのか?頭。地獄でも行くか?」
話しかけてくれたのは割と小柄で、赤ぶちのメガネをかけたロングの美少女。目は……俺を軽蔑している。明らかにイライラしていらっしゃる。
「はい?」
俺は思わず聞き返そうとしてしまった。それが彼女の(怒りの)爆弾の起爆装置になった。
「君とは出会ったばかりなのに、とてつもなくイライラするんだ。運命かな、一発殴らせてくれ。」
淡々と言ってのける赤ぶちロング。どういうことなのか、理解が追いつきませんよ!!
「いやいやいや!!何言ってるの?!」
驚きながら俺がツッコミをするのに対して彼女は冷たく突き刺さる言葉を投げて来る。
「貴様が何を言っているのだ?私は虫唾が走るほど貴様が嫌いだ。」
「もはや言葉のドッヂボールだ!」
俺は悲鳴交じりに叫ぶ。そんでもってクラスメイトからは白い眼を向けられる。
散々だな、これなら進学校へ行けばよかった。
「ちょっ……」
「貧弱貧弱ゥ!」