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第4パート:五井物産・GAIALINQプロジェクトフロア

■放送本編:

 午前10時、五井物産・大手町本社。

 白い壁面と木目調のフロアが広がるGAIALINQプロジェクト室。

 帰国したCOOの姿を見つけたスタッフたちが、自然と笑顔を見せる。


「COO、おかえりなさい!」

「直也! おつかれさま!」

「直也くん、大変だったわね!」


 朝の挨拶が飛び交うその中央で、一ノ瀬はスーツの上着を軽く脱ぎながら「ただいま」と短く返した。

 フロアの空気が一瞬で引き締まる。


■ナレーション:

 五井物産が世界に誇る次世代プロジェクト――GAIALINQ。

 その心臓部を担うメンバーたちは、平均年齢30歳未満。

 “総合商社の中の総合商社” として知られる五井物産のエリート社員の中でも、更に選別された、世界のビジネス最前線を知る若き精鋭たちで構成されている。


 新入社員の鏡侑里香が、緊張した面持ちでインタビューに応じる。

「本当は別セクションでしたが、COOに認めていただいて異動させてもらいました。

 忙しいですが、やりがいがあります。」


 デスク奥から笑い声がする。

 新堂亜紀が資料をめくりながら言う。

「COOは仕事に厳しいと思われがちですが、全然そんな事ありませんね。

 ただ、誰に対しても優しいのに、自分自身に対してだけは厳しい。

 そして世界と向き合って私たちが仕事をする場所を作ってくれるのです。

 その姿を見せつけられるので、私たちも全力でカバーしていく――そんな感じです。」


 隣の席の宮本玲奈が続ける。

「私はCOOと同期ですが、今はもうずっと “どうやって彼の理想を現実に落とし込むか” を考えています。

 でも彼にやっと追いついたと思ったら、その時にはもうずっと先に行っているんです。」


 神宮寺麻里がホワイトボードにペンを走らせながら、淡々と、それでいてどこか楽しそうに言う。

「AIやテクノロジーを人類史の視点から自分の言葉で説明できる人なんて滅多にいません。

 でも一ノ瀬COOはそれを普通にやってのける。

 だから “自分たちの進む先に人の未来がある” と信じられるんです。」


■ナレーション:

 オフィスでの一ノ瀬直也は、威圧的とか威厳に満ちているとかとはおよそ全く逆のスタンスだ。

 いつも柔らかい笑顔で応対する姿しかそこにはない。

 ただ、彼の “気高い理想” は周囲にはもう具体的に見えてきている。

 だからこそ、チームはそこをめがけて走り続けることができる。


 彼のデスクに戻ると、複数の端末が絶えず様々な通知を鳴らしている。

 メール、電話、ビジネスチャット、そしてプロジェクト進捗管理ツール。

 それらを次々と捌きながら、取材スタッフにも柔らかい笑顔を見せた。


「AIにも自律駆動型の能力が待ち望まれているでしょ。

 要するにビジネスで求められるのは自律駆動できる存在なんですよ。

 ウチのメンバーついて言えばみんながそうです。

 だから私の仕事は、それを進めやすくすることくらいですね。」


■ディレクター内省

 ……会社でも美女、美女、美女。

 なんだよこれ。

 一昔前の“トレンディドラマ”とか、アメリカのドラマシリーズものの撮影現場か?


 しかも全員、ほんの少しずつ違う角度から彼を見てる。


 亜紀は戦友みたいな熱量と恋、

 玲奈は信仰に近い敬意と恋、

 麻里は理知的な相棒ポジションで恋、

 侑里香は明らかに憧れとやっぱり恋だ。


 くそ、編集しているこっちまで恋してしまいそうだよ。

 こんなチームが現実に存在してるなんて、社会のバランスおかしいだろ。

 NHKにこんな番組制作チーム存在しねーよ!


 しかもだ――

 この “仕事の現場” を撮っているだけなのに、まるでシーズン2桁いった大人気ドラマシリーズの最終回みたいな空気が漂っている。

 光が優しすぎるんだ。

 誰かがコイツの周囲にだけ照明を仕込んでいるんじゃないか。


 ……いや、違うな。

 照明を当ててるのは、彼の周りにいる “人” だ。

 それぞれの尊敬、好意、愛する想いが、光を作っている。


■ナレーション:

 そんな世界を舞台に活躍するビジネスマンは、家でどのように過ごすのか――。

 カメラは、彼の “もうひとつの現場” を追った。


■放送本編(締め):

 画面がフェードアウトし、黒背景に白文字が浮かぶ。


 《Next Scene:夜・帰宅》


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