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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

魔王と勇者

作者: 夏2008
掲載日:2025/10/22

数百万年以上前、エクゾディアの世界は戦争など存在しない平和な世界でした。しかし、そこに異変が起こりました。魔王カミカゼです。彼は悪魔から生まれたのではなく、人間の七つの大罪、すなわち色欲、貪欲、暴食、怒り、怠惰、嫉妬、傲慢から生まれたのです。彼の出現により、世界のルールは覆され、魔王カミカゼによって残虐な扱いを受けていた悪魔たちを含む、様々な種族が彼を滅ぼすために同盟を結成しました。しかし、魔王が強力であるだけでなく、魔王の血と体液から創造されたその子供たちも強力であり、魔王カミカゼに対する様々な種族の戦いは数兆年もの間続き、数千もの様々な種族が死に、世界の道徳を代表する神々が堕ち、世界は絶望の深い闇に陥りました。


しかし、その深い闇の中から、希望の光が姿を現した。聖剣「エカリブル」が!


最高の鍛冶屋によって鍛え上げられ、星の湖の女神の祝福を受けたその光は、幾兆年にも及ぶ戦争の絶望という深い闇を消し去った。聖剣の前では、あらゆる道徳は無意味だった!しかし、その創造者たちを悩ませていた問題があった。誰がその剣を振るうのか?


神々と様々な種族は議論を重ね、人間、アーサーを選ぶことにした。両親のいない少年アーサーは、ゆりかごの中で妖精たちに拾われ、育てられた。アーサーはこの世界の意志を持つ生き物とは異なり、勇敢で、限りない優しさを持っていた。そして、星の湖の女神の使命を受け、石から聖剣エカリブルを引き抜くという挑戦を受け入れた時、聖剣エカリブルは彼を選んだのだ。


アーサーは戦場に立ち、聖剣エカリブルの柄をしっかりと握りしめていた。エカリブルは輝かしい光を放ち、幾兆年もの間世界を覆っていた闇を払いのけていた。


目の前には、無数の戦死者の骨で作られた玉座に、魔王カミカゼが座していた。彼は微笑むことも、憂いを見せることもせず、ただ黙ってアーサーを、業火に燃える目で見つめていた。


「アーサー、来たか」


カミカゼの声は低く、幾百万もの魂の叫びのように響いた。


「待たせすぎたな」


アーサーは答えなかった。一歩一歩、聖剣の光が地面を覆う邪悪な黒霧を払いのけながら、着実に歩を進めた。


カミカゼは目を細めた。


「ふむ…恐るべき剣だ。だが、それだけで私を倒せるとでも思っているのか?」


突然、周囲の闇が押し寄せた。


〜ドカーン!〜 闇の中から七つの巨人が姿を現した。魔王の七人の子ら、人類の七つの大罪の化身だ!


アスモデウス - 色欲。妖艶な美しさを持つ女魔族。その瞳は邪悪な意図で赤く輝いている。


マモン - 強欲。まばゆい黄金の鎧を身にまとい、輝く宝石をちりばめた杖を手にしていた。


ベルゼブブ - 暴食。底なしの腹を持ち、常に果てしなく咀嚼し続ける口を持つ巨人。


サタン - 憤怒。紅の炎に包まれた男。その瞳は二つの太陽のように永遠の怒りに燃えている。


ベルフェゴール - 怠惰。枕を抱えて眠る男。一歩踏み出すたびに大地が割れる。


レヴィアタン - 嫉妬。カミカゼの城に巻き付く大蛇。青い瞳は憎悪に燃えている。


漆黒の天使の翼を持つ男、ルシファー・プライドは、アーサーを嘲るような笑みで見つめた。


「お前はその剣を持っているかもしれないが、我々全員を倒すことは絶対にできない!」


ルシファーは高らかに笑い、黒色の長剣を振り上げた。


アーサーは深呼吸をした。これはただの戦いではないと悟った。世界の運命を決する戦いなのだ。


彼は聖剣エカリバーを高く掲げた。激しい風が戦場を吹き荒れ、まばゆい光を帯びた。


「私は一人で戦っているのではない。」


アーサーは決意に満ちた目で言った。


「私は倒れた者たちのために戦う。この世界のために身を捧げた者たちのために!」


剣は輝きを放った。


60昼夜以上が過ぎ、戦いは終結し、勝利はアーサーのものとなった。アーサーは荒廃した戦場をゆっくりと歩いた。廃墟の中で、エカリバーの光がまだかすかに輝いていた。七つの大罪の屍が、生気を失い、辺りに散らばっていた。世界全体が息を呑み、幾兆年にも及ぶ戦いの終結を待ち望んでいた。


目の前には、魔王カミカゼが地面に跪いていた。その体は崩れ落ち、全身に深い傷が広がっていた。口からは黒い血が流れ、赤い瞳は不本意に輝いていた。


アーサーは世界を闇に陥れた者を見下ろし、低くも響き渡る声で言った。


「負けたな…」


カミカゼはかすかに唇を歪めた。力尽きていたにもかかわらず、嘲るような笑みを浮かべようとした。


「負けた…?は…ははは…」


声は弱々しかったが、彼は笑った。その笑いには恐怖も後悔もなかった。


「ああ、負けた」


アーサーは眉をひそめ、剣の柄を握りしめた。


「だが、聞いてくれ、アーサー」


「アーサー、私が作り出した闇は決して消えることはない。私を殺しても、七つの罪を消しても…人々は依然としてそれを犯す。色欲、貪欲、怒り…それら全てが新たな魔王を生み出す。そしてその時が来たら、誰がそれに立ち向かうのか?」


アーサーは黙った。カミカゼが嘘をついていないことを彼は知っていた。


世界は一時的に救われるかもしれないが、人間の本質は変わらない。罪と欲望は闇を蝕み続ける。


「そして、私の他の子供たちを忘れるな、アーサー。彼らが神のコピーとして生まれたことを忘れたのか?」


カミカゼは高らかに笑った。


「もちろん知っている。私は彼らの一人を殺したのだ。」


アーサーは聖剣を振り上げた。


「そして、私は彼らを皆滅ぼす。」


アーサーは剣を振り下ろし、魔王の首を斬った。


魔王の首が落ち、史上最強の魔王の命は絶たれた。


■□■□■□■□■□■□


魔王カミカゼの死後、世界は人間たちの歓喜と、魔王に従う者たちの恐怖で満たされていた。人間たちは英雄アーサーの勝利を喜びに沸き、都市は栄光の松明で照らされ、世界を解放した者への賛歌が響き渡った。しかし、闇の中で、かつて魔王に仕えていた者たちは、自分たちを追う者たちから生き残る術を模索していた。


魔王軍は最高指導者を失い、次々と拠点が崩壊した。弱者は逃亡を企み、荒野に身を潜めた。強欲な者たちは、廃墟となったカミカゼの宮殿から財宝を略奪し、遥かな地へと逃れた。魔王に絶対的な忠誠を誓う者たちは、自らの魂を主と共に地獄へと導こうと、自らの命を絶った。


■□■□■□■□■□■□


「2000年後にまた会おう、アーサー。」


「お前のおかげで、以前の自分が何者だったのか、ほとんど思い出せた…」


「…」アーサーは黙っていた。


「なあ、アーサー」カミカゼの声は徐々に弱くなっていった。


「本当に見てみたい…お前が…築く…人間と魔族が…共に暮らせる王国を…」


「帰ってきたら、案内してくれ」


それがカミカゼの最期の言葉だった。強大な魔王は目を閉じ、死んだ。しかし、世界は平和になり、もはや戦争も混沌もなかった。


アーサーはしばらくカミカゼの頭の前に座っていたが、それから立ち上がった。


「もちろんだ。人間と他種族が共に暮らせる場所を、私は作る」


■□■□■□■□■□■□■


カミカゼは高い崖の上の椅子に座っていた。


「着いたぞ」彼は振り返り、金色の鎧をまとった人物がこちらに向かって歩いてくるのを見た。


「まだこの場所を覚えてるか?」アーサーはカミカゼに尋ねた。


「ああ、だって、ここが君と僕が初めて出会った場所だ」


彼は脇に移動し、スペースを作った。「座れ」


アーサーは少し警戒したが、彼の隣に座った。


「どうして僕に会いたいんだ?」


カミカゼは魔眼で周囲の魔力を感知したが、誰もいなかった。


「少し話がしたかっただけだ。」


この二人はかつて友人だった。アーサーは伝説の中で狐娘に育てられ、エクスカリバーの使い手だったが、実はただの農家の息子で、人知れずの町に住んでいた。カミカゼは本名ではなく、誰も本名を知らず、名前も教えられなかった。両親もいなかったのだ。


二人は高い崖の上で出会った。カミカゼがアーサーを噛んだため、最初は殴り合った。


諺通り、殴り合えば友達になり、喧嘩すれば友達になった。カミカゼは部屋ほどの大きさの穴が開いた木に住んでいた。穴の中にはアーサーの古い物が入っていて、時には壊れた物もあったが、カミカゼはそれらを嫌がらなかった。アーサーは彼に何かをくれる唯一の存在だったからだ。


20年後、二人は成長し、カミカゼは25歳、アーサーも彼と同じく25歳になっていた。


その間、アーサーはカミカゼにあらゆることを教えた。そう、彼は名前を忘れてしまったのだ。カミカゼという名前はアーサーが付けたものだが、それは短縮された新しい名前であり、かつての名前は唯一不死身の皇帝カミカゼだった。


昔を思い出し、カミカゼは笑った。


まだ波間を見ていたアーサーは、長年の戦争の後に訪れた、数少ない平和な瞬間に目を向けていた。戦士の眉がわずかに上がった。


「何を笑っているんだ?」


「ふと昔のことを思い出したんだ。」


「昔を思い出すと…」


「ああ、君がまだ優しかった頃のことを覚えているかい…今みたいにじゃない。」


「友よ、君の夢を覚えているかい?」


アーサーは首を傾げた。「夢か?平和の夢か?」


「ああ、平和な世界を見たいという夢だ。」


ある日、アーサーの村は異民族間の戦争の影響を受け始めた。多くの人が亡くなり、多くの子供が母親を失い、多くの母親が子供を失った。


アーサーもまた家族を失い、泣きじゃくった。彼を慰めてくれたのは、神風だけだった。


家も泊まる場所もなく、二人は放浪の日々を送った。二人とも汚水溜めの下で寝泊まりし、この世界で生き延びるために少しでも多くのお金を稼ぐため、様々な仕事をこなした。


そして、二人の人生に再び戦争が訪れた。


「再び戦争が始まった時、君と私は軍隊に入った。」


「ああ、あの時、私も戦争の恐ろしさを身をもって感じた。そして、君の小さな心に、あの夢が芽生え始めたんだ。」


「でも悲しいかな、君は世界中のあらゆる生き物が平等に共存できる世界を創りたかった。でも、君は優しすぎて、世間知らずで、戦争を引き起こした者たちを殺さなかった。」


「君が彼らを殺さないことは分かっていた。だから、ある計画を思いついたんだ。」


「平和を実現するには、この世界を脅かす何か、他のあらゆる種族を脅かす力、そして彼らが協力して一つのものに立ち向かう力が必要だ。」


アーサーは黙ってカミカゼの言葉を聞いていた。カミカゼは付け加えた。


「だからこそ、僕は悪役にならなければならない。この世界の存続を脅かす悪役のように。」


二人の間に沈黙が訪れた。


あと1、2分で、アーサーは悟った。この計画が終わりに近づいていることを。そして、その終わりとは…


「明日の朝が最後の戦いだ、友よ…」


「…私を殺さなければならない」


そう言うと、カミカゼは突風の中に消えた。アーサーは一人、カミカゼとの過去を思い返していた。これが二人の最後の再会だった。

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