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休み開け、俺の心はずっと曇っていた。

ロイド君から聞いた事だが、最近リコがフレッド兄さんの聖女をしているらしい。

勿論自分が目を付けていた聖女がフレッド兄さんに取られそう、というのもあるが……

リコがこんな積極的に男性に絡むようになってからというもの、俺の心は晴れない。


寂しさ……いや、少し違う様な気がする。


まさか……嫉妬……?


「トウマ様」


「うわ!」


悩んでいると、俺を呼ぶ声がして振り返る。


「カレン……また俺に何か?」


「いえ、何か悩んでそうでしたから、気になってお声を掛けただけですわ。

もしかして、リコの事でお悩みだったのではないですか?」


カレンに言われて、思わず体が硬直してしまう。

図星だ、どうしてわかったのだろう?


「私、実はリコの親友で……!彼女の事なら何でも知ってるんです!良かったら喫茶店にでも行きませんか?色々相談に乗りますよ。」


「……君、親友とか言う割にこの前リコがお金に困って宝石を売ったとか言って怒ってなかったっけ。」


「あ、あれは……!勘違いしてしまっただけですわ!だって、友達だからって何でもかんでも全肯定するのは違うでしょ?」


かと言って誤解したまま

さもやったのが確定かのように怒るのもどうかと思うが。


「そ、そうだ!ルネ様の事についても話せますよ?気になりませんか……?リコがルネ様とどんな関係だったか。」


確かに気になる。

ルネ兄さんは堅物そうだが、どのくらいリコと関わっていたのだろう?


デートは……流石にしてるよな?それ以外はどうなんだ?


「し、仕方ないな……今日は生徒会も休みだし付き合ってあげよう。」


僕は咳払いしながら言うと、満面の笑みになったカレンを連れて街へと向かった。


……


カフェに着くと、俺は席につくなりリコの事について尋ねる。


「それで、リコとルネ王子ってどういう感じだったの!?教えて!」


俺の熱量に押されたのか、カレンは口元を引き攣らせると、大きな貝を机の上に置く。


「……何それ?」


「ああ、気にしないで下さい、これはお守りみたいなものですわ。

それよりルネ様とリコの事ですけど……まあ、正直婚約者らしいことはあまりやっていたように見えませんでしたね。」

と言う。


「そうなの?何で?」


「ルネ様は……かなりシャイな方ですから、もし万が一リコの事が好きでも中々行動に移せる人ではありませんので。」


確かに……図書室前のやりとりですら少し回りくどいように感じた。


「この前、カレン言ってたよね?

リコはまだルネ王子の事好きだって……それって本当なの?」


「はい、リコはルネ様が忘れられなくって未練があるみたいです。

可哀想に、私にはどうしてあげることもできないけれど……」


「……ああ、君ってルネ王子の婚約者だったよね。」


「はい、親が決めた事ですので、当人同士ではどうにもできないことなのです。」


なるほど、だからあんまり2人でいる所を見ないのか。


「正直、ルネ様の様子を見てても思うんです。彼もまだリコの事が好きなのだと……だから、私は何か奇跡が起きて2人が再び結ばれないかと密かに期待しているのですが……あの2人はどちらも奥手で、進展は見込め無さそうなんですよね。」


カレンはため息を吐きながら言う。

確かにリコは好きな人が出来てもあまり積極的にアプローチできるタイプではない……か。


「……私からもお尋ねしますが、トウマ様はリコのことが好きなのでしょうか?」


俺はカレンの問いに思わずサンドイッチを喉に詰まらせる。


「げほっ……違うよ!リコは友達!」


俺がそう答えると、カレンは鋭い目つきで

「本当に……?私に嘘を吐く必要ありませんよ

……質問を変えましょうか、あなたはリコと『ずっと友達でいたいですか?』」

と尋ねる。


ずっと……友達……


多分だけど、俺にその選択はできない。


俺の心のもやはきっと、嫉妬心だ。

リコとの関係を進めるのが怖いという臆病さと、リコは男性が苦手だから、男と絡むことはないだろうという慢心から「友達」という言葉で誤魔化してきたが、

リコと友達でいて、もし他の人の物になったら…耐えられなくてきっと距離を置いてしまうだろう。


「……リコとずっと友達でいるのは……無理。

というか、俺は…もうリコと友達でいるのにも限界を感じてるんだ。」


「……と、言うと?」


「……君の言う通り……リコのことが好きだから。

きっとその内もっと上の関係を期待しちゃう。だから駄目、ずっと友達は無理。」


俺の答えを聞いてカレンはどこか満足気な笑みを浮かべた後、また真顔に戻り


「私は応援出来ません……だってリコはルネ様の事が好きで、ルネ様も彼女が好き移転…すれ違っているだけで愛し合っているんだもの。」

と言い放つ。


「それは……そうなのかもだけど。

本当にルネ王子が好きなのかリコに確認してみないと解らなくない?」


「いや、いちいち確認なんてしたらそんなの貴方に気がありますって言っているようなものでしょ。」


「ちょっと聞くだけならバレないって、多分!俺、今度リコに聞いてみる!」


俺はそう言って勢いよく立ち上がると

「それじゃ、そろそろ帰るね!色々教えてくれてありがとう!」

とカレンに告げ家に帰った。


「……あの男……手強すぎる……!」


ーーーー


数日後、リコはフレッドと話し込んでいた。


「先日の討伐、相変わらず君の祈りは完璧だった。これ、報酬。」


「ありがとうございます!」


これで2度目……!ふふ、順調にお金も貯まって来てるし、

お仕事はどっちもやりがいあるし最近凄く楽しいなー!


「……初めて会った頃より笑顔が増えたんじゃない?リコ。

僕との会話には慣れてくれた?」


「あ、はいまあ……」


学校ではまだ緊張するが、

任務の時のフレッド様は意外と親しみやすくて嫌いではない。


コンチータさんとナターシャさんがいるせいかも?


「良かった、また依頼があったら伝えるね」


フレッド様はそう言って生徒会室の方向へと消えていく。


次の任務も楽しみだ。

私が浮かれながら図書室を目指していると、

ルネ様が図書室前にいるのが解った。


「あ……」


ルネ様は私に気付きこちらへ来ると、

「今、時間はあるか?」

と尋ねてくる。


「はい、少しなら。」


「以前の張り紙の件、犯人の女子生徒2人を捕まえ反省文並びに奉仕活動と謹慎処分を言い渡しておいた。」


あの件、対応してくれていたんだ。


「……すみません、貴重なお時間を使わせてしまい……」


「なぜ君が謝るのだ。そうだ、君宛に謝罪文も書かせた。

後で見てみるといい、それで気が晴れるかは解らないが……」


「ありがとう……ございます」


「それでは俺はこれで」


身を翻す彼の腕を、私は咄嗟に掴む。


「……あの!」


ルネ様は少し驚いた様な顔で私を見つめていた。


「あ!すみません勝手に触れてしまい!」


「……別に気にしてない、それよりどうかしたか?」


「……ルネ様……私、ルネ様が婚約破棄をした理由、知りたいんです。

最近、とある方に聞いたんですが、ルネ様が私を聖女として扱わなくなったのは私を守る為だったんじゃないかって……本当、ですか?」


私は上目遣いでルネ様を見る。

彼の事だし答えてくれないくれないだろうか…?

そう思いつつ、私の心は期待で膨らんでいた。

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