新入生編 5
学園生活初日で色々濃かった………特に担任がギャルっぽいのに南城という事が一番の衝撃だったが………
流石に疲れたので晩飯を食べて寝よう。という事でチャーハンを作る。一人暮らしと言ったらこれだよな………簡単で上手いし
チャーハンを食べ、風呂に入って、その後にベットに寝ている彩姫を隣の部屋に投げ捨て、ベットに戻って寝る。
ワンテンポなんかあった気がするが、気にせず寝ることにした。
☆
目覚ましが鳴り、目が覚める。
今日から新入生の序列戦が始まる。
序列戦は戦闘用の実技室と言うのが用意されている。競技場で戦うのはランカーなどの実力がある人達だけである。
おそらく今日は実技室が満員になるだろうな……まぁ俺はそこまで切羽詰まってないから今日は戦うつもりがない為関係ないが。
学園に行く支度をして、隣の部屋から彩姫を拾う。
よし、行くか。
彩姫を担いだまま教室に入ると隼人が不思議そうな顔をしてこっちを見ている。
「お、おはよう?どうしたんだそれ?」
担いだ彩姫を見て。疑問を問いかけてくる。うん、まぁそうだよね。
「彩姫は朝が苦手で中々起きないからそのまま拾ってきた。幸い制服には着替えていたからそのまま拾うだけで済んだ」
俺自身なに言ってるのか分からない事を隼人の質問に返す。
「そ、そうか………そういえば今日から序列戦だけど新は参加するのか?」
「いや、今日はいいかな」
「どうしてだ?」
「んー、これと言った理由はないが、様子見と言った所かな?」
「私は出る」
担いでいた彩姫が起きたので地面に下ろす。
「ありがと」
「なんか、当たり前みたいに行われてるのすごいな!?」
「まぁな、慣れたよ………彩姫は戦う相手は決めているのか?」
「うん、対戦相手は2年の先輩」
「へぇ、どうやって対戦を頼んだんだ?」
人見知りの彩姫が自ら頼みに行ったとは考えずらいが………
「あれ?新は知らないのか?この学校の掲示板」
「掲示板?」
「おう、学生証の端末使うと掲示板が見れるんだよ!んで、その掲示板に対戦を常時受け付けてる人が書き込むんだよ、天川さんはそういう人に対戦を頼んだんじゃないか?」
「そう」
普通に知らんかった。ただの学生証じゃないのかよ………
「で相手の序列は?」
「357位」
「結構上だな!?勝てるのか?」
「大丈夫」
どうやら、自分の実力を過信しているわけではなさそうだ。
「戦う時間とかももう決まってるのか?」
「うん、放課後」
「見学もできたり………?」
「大丈夫」
よし、見に行こう。
その後の授業は殆ど頭に入っていない。まぁ、初めての授業という事で基礎的な事しか言っていなかったからこれと言った問題はなかったが………
「ようやく、放課後だな………隼人も彩姫の試合見に行くか?」
「いや、俺は俺で試合申し込んでんだよな」
「そうか、相手は?」
「序列406位の3年の先輩」
「隼人の相手も中々強そうだけど大丈夫か?」
「おう、問題ないな!あ、そうだ一人で行くのが嫌だったら姉ちゃんを連れて行ったらどうだ?姉ちゃんは試合する予定無いみたいだし」
「ああ、そうしてみるよ」
「じゃあ俺は、試合があるから行ってくるな!」
「がんばれよ」
隼人と別れ、教室に残っていた星奈に彩姫の試合を見に行かないか尋ねたらOKを貰えたので、現在彩姫の対戦が行われる実技室に移動中だ。
「彩姫ちゃんの試合楽しみですね?」
「ああ、一ヵ月弱一緒にいるが、彩姫が魔法使うのは見たことないからな、結構気になってる。」
「意外です、新さんでも彩姫ちゃんの魔法の実力は知らないんですね」
「まぁ魔法を使う機会がなかったからな……【身体強化】とかは使えるんじゃないか?」
島に来た日に米運ぶ時は最悪魔法使うって言ってたし、それくらいはできそうだ
「じゃあ彩姫ちゃんは身体向上魔法が得意なんですかね?」
「んーどうだろうな、普段のあの眠そうな感じからは想像できないが………」
魔法はいくつかの分類で分けられている。
身体向上魔法は文字通り身体強化系の魔法の総称である。
他には属性魔法、付与魔法、能力強化魔法、回復魔法などに分けられている。
他にも、使い手が滅多にいない、魔法の総称もあったりする。
さて、そんな魔法の中で、彩姫が得意とするのは何かとなったら、まず第一候補は属性魔法だと思われる。身体向上魔法だとは到底思えない。
「まぁそんな疑問の解決の為に試合の見学をするんだから、しっかり試合を見届けよう」
「そうですね」
実技室に入ると今にも試合が始まりそうな雰囲気になっていた。
試合開始まであと1分
実技室の中には新入生の実力が気になるのか何人かの先輩が見学に来ていた。
俺と星奈は部屋の隅で静かに観戦することにした。
「お!始まるみたいだな」
「楽しみですね」
立会人の風紀委員が試合開始の合図をした
次の瞬間
彩姫の対戦相手である先輩がまるで何かに押しつぶされたかのように動かなくなる。
いや、正確には動けないんだろうな
「驚いた………原初魔法の使い手とは予想外だな」
原初魔法とは滅多に使い手が居ない魔法の総称である。原初魔法に分類される魔法は各自が生み出した、オリジナルの魔法のみである。
つまり、彩姫はあの若さで自分で魔法を考えだし、創り上げた天才である。
そして彩姫が使っているであろう魔法は、恐らく重力関係の魔法である。その証拠に相手の足元がミシミシと音を立てている。
「まさかだな………まだ身体向上魔法と言われた方が納得がいくぞ………」
「えぇまさかですね………」
星奈も含め他の生徒も驚いた様子で試合を見ていた。
当然試合は彩姫の勝利で幕を閉じた。