表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園都市アカデミア  作者: 妄想青年
7/9

新入生編 3

嵐が過ぎ去った後の教室は静かであった……十時から新入生歓迎の催しがどうと言っていたが、今の時間は九時、あと一時間近くある。


流石に一時間もこの空気は厳しいものがある。


それは他の生徒も一緒のようで、皆そわそわしている。


そんな中で一人の男子が近くの男子に話かけた。それを皮切りに皆気になる相手に話しかけ始める。


そんな光景を眺めていると


「よ!」


と言う声を掛けられる。


「神成新……君であってるよな?」

「あぁ合ってるよ、そういう君は今川隼人君だよね?」


声を掛けてきたのは今川姉弟の弟である。


「おう!俺の事は隼人でいいぜ!」

「じゃあ俺も新でいいよ」

「よろしくな新!」

「で?どうしたんだ俺なんかに声を掛けてきたんだ?」

「なに大したことじゃねぇ、このクラスで一番強そうなやつに声を掛けただけだよ!」


そう、にやりとしながら隼人が答えた。


「俺が?冗談か何かか?」


この島に来てから大した魔法を使った記憶はない、だから俺の実力を知ってる奴なんていないと思うんだが……


「半分冗談の半分本気だな!正直新から出る雰囲気って言うのか?が異常なんだよな」

「別にただの一般生徒だぞ?」


雰囲気など言われても別になんもしていない


「まぁ俺が勝手にそう思ってるだけかもしれないけどな!」

「あら?隼人早くも友達が出来たの?」

「おう、姉ちゃん!」


俺たちの会話に参加してきたのは今川星奈である。


「今川星奈さんですよね、よろしくお願いします」


俺自身違和感があるが初めて話す相手には丁寧にと決めている。


「私も隼人みたいに星奈で大丈夫ですよ」

「あぁわかった、あんまり丁寧な言葉遣いは慣れていないから助かる」

「よかったです、では私は新さんと呼ばせてもらっても?」

「それでお願いするよ」

「では新さんよろしくお願いしますね」

「よろしくな」


軽い挨拶が終わり話が変わる


「そういえば新は新入生歓迎の催しについて何か知ってるか?」

「いや?何も知らないな、二人も何か知らないのか?」

「俺も知らないな?当然姉ちゃんも知らないよな?」

「ええ、残念ながら何も」

「何をやるんだろうな?わざわざ競技場ってとこが気になるな」

「まぁ大体それだけで予想は付くか……」


競技場に集合と言う時点である程度の予想は付く。


その後も他愛ない話をしていると……ちょんと俺に触れる手がある。


「ん?あぁ彩姫か!どうした?」

「そろそろ時間」


予想以上に話していたみたいで時間はあと五分で十時になるところだった。


「よし、じゃあいくか」

「うん」

「隼人たちも行こうぜ」

「おう……それでえっと……天川さんでいいのか?」

「うん、大丈夫」

「そうか、俺は今川隼人だよろしくな!」

「よろしく」


隼人が近くに来て、耳打ちしてくる。


「新と仲がいいみたいだが、どうゆう関係なんだ?」

「まぁこの島に来た時に色々あってな……まぁ時間もないしこの話はまた今度な」


そう話している間に、星奈も彩姫との挨拶が終わったみたいだ。


四人で歩き、競技場に着くと新入生だけでなく二年と三年の先輩たちも大勢席に着いていた。


競技場は名ばかりで実際は闘技場みたいな作りになっている。席には魔法で結界が張られている。この時点でこの場所の利用方法など容易に想像できる。


十時になり、競技場の中心に人が現れる。


「いぇーい!皆集まったぁ!?」


南城先生かよ!?


「という事でぇ!新入生歓迎イベントの序列戦をやるよぉ!!」


南城先生の説明によると、序列10位と序列13位が戦うらしい、ようはランカーを掛けた戦いみたいだ。


「よし!じゃあ選手の登場だよぉ☆まずはぁ序列10位【岩壁】大岩岳人(おおいわがくと)君!!」


そう名前が呼ばれた途端、二年生と三年生から歓声が上がる。


「そしてぇ~挑戦者ぁ!序列13位清水明(しみずあきら)君!!」


先程ほどではないが歓声が上がる。


そんな紹介が終わると競技場の真ん中の上にあるモニターが起動し、二人の名前が書かれ、その名前の横に体力を表すゲージが表示される。


「新入生の皆に説明ねぇ~今映ったモニターのゲージが二人の生命力を表しているよぉ☆このゲージは攻撃が当たると減少するよぉ~最終的にゲージが無くなった方の負けだねぇ!う~んこれ以上ないほどシンプルだねぇ☆それじゃあ早速始めちゃお~」


南城先生が手を振り下ろす。


「はじめぇ~」


何とも言えない試合開始の合図で戦いの火ぶたが落とされる。


「行くぞ清水!!【岩の鎧(ロックアーマー)】【身体強化】!」

「ええ、岳さん!【水の槍(ウォーターランス)】」


明から放たれる無数の水の槍が岩の鎧を纏った岳人に飛んでいく。


それを岳人は当たり前のように岩の鎧で払いのけながら明に向かって突進する。岳人の媒体は巨大なハンマーのような形をしており。それを明に振り下ろす。


その攻撃にとっさに回避する明。


元々明がいた場所はドゴーンという鈍い音と共に粉々に砕け散る。


「危ないですね!?お返しです!!【水の槌(ウォーターハンマー)】」

「ぬう!?」


巨大な水で出来たハンマーを真正面から受け止める岳人。


「随分成長したな清水!!だがまだ足りん!」


水のハンマーに向かって岳人のハンマーが振り下ろされ水のハンマーが形を保てなくなり、水が周辺に飛び散る。


今の攻防で多少、岳人のゲージが減ったかの様に思えたがそんな事はなく、実際はそんなに効いていない様だった。


「そうなることは想定済みです!!【水の檻(ウォーターケージ)】!!」


岳人の体が水の檻の中に閉じ込められる。流石に動きずらいのか岳人の動きが鈍くなる。しかし彼の口が動いているのが視える。


次の瞬間、水の檻が吹き飛ぶ


「ふぅ、考えたな清水!まさか多重詠唱を使わされると思わなかったぞ!?」

「流石岳さんですね……まさか檻が吹き飛ぶとは思いませんでしたよ……」

「さて、そろそろ決着をつけさせてもらうぞ?【【【身体強化】】】」


そう唱えた岳人の動きが先程より数倍速くなる。


その動きに対応できなかったのか明の体に巨大なハンマーが突き刺さる。


それを喰らった明のゲージは一瞬で0になり勝敗が付く。


「勝者ぁ~大岩岳人君~☆」


南城先生の試合終了の合図で戦いが終わる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ