部品と液体を撒き散らし
ウェスは工場へ向かう最中、さまざまな物を見た。
地面に散らばる工業油は、生暖かく煙を生み出し、散らばった部品の一部が今も尚、必死に動き続ける。
彼は考えた。
幾度となく飛んでくる、鉄の塊を避ける。これが、いつも自分たちを助けてくれた機械なのか?これは、本当に自分たちが住んでいた世界なのか?
めぐる思考は終わりの終わりは来ないだろう。少なくとも、考えられるうちは。
彼は諦めた。今はとにかく、一刻も早く、イリーの元へと辿り着くことだけを考えた。
工場へ近づくほど、機械の量は増して、工業油の匂いはより濃くなっていく。
そんな中を駆け抜け、ある集団を見つけた。どうやら工場で働いていた者のようで、皆同じ作業着を身につけていた。
そこには見慣れた顔、イリーもいた。
「イリー!!」
「ウェス君?!どうしてここに!?」
「お前が心配だったんだよ。ほら、機械を作る工場で働いてるって言ってたし、こんな状況だから」
「そうなんだ…ありがとう。それで、そっちも機械が襲ってきたんだね」
「ああ。フィスとシックが暴れてきた。あと、他にもいろんな機械が」
「やっぱりそうなんだ。こっちも、出品する機械が突然動き出して…運良く、警備の人たちのおかげでなんともなかったけど…」
「なるほど…とりあえず…イリー、お前は工場の人と一緒に行動するよな?」
「そうだね。ウェス君も、気をつけ…」
突如、工場の壁が崩れて、大きな鉄の塊が飛び出してきた。
「っ…あれは!」
先頭に立つ者が、咄嗟に叫ぶのが早いか。それとも、その塊が振るわれるのが先か。
そんなことはどうでもよかった。
大事なのは、そこに赤い液体と、生暖かい物体が飛び散ったことだけだろう。
誰かの叫び声が響いた。そして、鉄の塊が放出する水蒸気でかき消された。
それは、機械の人類からの解放を表現しているかのようにも思えた。
もう、止まらないようだ。
その集団は、逃げ惑う。誰も何も見えていない。
いや、見たくないのかもしれない。
凄惨な現実を、そして、その悪魔のような機械を。
それは、ウェスも、イリーも等しく同じだった。
唯一違うことは、ウェスはイリーを生かすために、手を引き、先導していたことぐらいだろうか。
しかし、それも終わりを迎える。
逃げた先には、形は違えど、似たような機械が佇んでいた。
ウェスは諦めた。イリーは絶望した。
そして機械は、何も感じずに拳を振るった。
それは、機械によって阻まれた。
「大丈夫か?!」
国の軍部がやってきた。
身体の一部を機械に変えた彼らは、その機械の拳を受け止めた。
優に500kgは超えるその塊を、止めたのだ。
腕に取りつけられた機械は、唸りを上げ、対抗する。
小型化されたはいるものの、大型の機械に対抗するその様は、昔と今の差をまじまじと見せつけているように見えた。後ろからは、1人、2人と仲間がやってきた。
動きを封じられた機械に、切り付ける。
装甲を易々と貫くと、それは、けたたましい音を上げ、内部から崩壊を起こした。
部品は散乱し、工業油が血のように噴き出した。
「お前らは早く避難しろ!!」
2人はその言葉でハッとし、お礼を言いながら去っていった。
残った軍部は、機械を軽く片付けると、次なる標的を目指して駆け出した。
機械がそれを補助し、圧倒的な速度で駆けていた。
「くれぐれも、最新の機械を壊す時は注意しろ。上がうるさいからな」
「見られちゃいけない物でもあるんですかね」
「俺にはわからん。ま、損失がでかいとかなんじゃないか?」
「そうですね。さ、次です」
はい。改変してるので進むのが遅いです。




