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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
5 波乱の会議
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その後も順調に会議は進んだ。

やはり、皆が思い思いに発言しなかったことが、事を流暢に進める鍵となったようだ。


残る議題は後一つ、いつそして誰が魔王を殺しに行くかだ。



「では、最後の議題である、魔王討伐については、明日行うことにしよう。まだ時間も残っているし、陽も傾く頃だろう。異論はあるか?」


「いや?そんなに急いで決める必要もないだろ」


「そうね。長時間の会議で疲れちゃったわ」


「明日もあるしの。少しぐらい後回しでもいいじゃろう」


「よし、では今日は解散とする。明日の9時から再開ということで。お疲れ様でした」


「お疲れさん」「おつかれ〜」「お疲れ様」



三者三様の返事をするとすぐに部屋から出ていってしまった。

部屋に残ったジャックは大きくため息をついて、会議にて決まった事を纏め始めた。まだまだやるべきことが残っている彼は、もう一度、ため息を吐き、手を動かし始めた。もっとも、その手は機械でできているため、疲労は感じないものの、精神的苦痛はいつまで経っても取り除けないのであった。



部屋に戻ると、すでにルイナとルインは戻ってきており、天井に取り付けられた機械と会話をしていた。

もっとも、会話というよりも、ルイナが一方的に話しかけ、機械は淡々と返事しているだけだが。


「おかえりなさいませ、カイン様。ずいぶんと長く出席なさったようですね」


「ああそうだね。まあ、ほとんど聞いてるだけだったけどね。ルイン、そっちは何かあったかな?」


「いえ、特にこれといったことはないですね。強いて言えば、少し買いすぎたぐらいでしょうか」


「ちょっと待て…あそこの山はもしかしてじゃが…」


「はい。全て今日買いました」



そう言われて呆れるヘンリーの視線の先には、数えきれないほどの箱が乱雑に置かれていた。ぱっと見ただけでも、軽く50個は超えている。

その全てを購入したルイナは、まだ機械へと質問攻めを続けている。



「…はぁ。何やってるんだかのう…」


「すみません。全て私が責任を持って運びますので」


「いや…それは言わずもがななんじゃが…まあいいか…」



どうでもよくなったヘンリーは、諦めてため息を吐く。

と、同時に、カインの腹の虫が鳴った。



「そう言えば、何も食べてなかったのう…よし、街へ行って、飯でも食べに行くか!」


「いいですね。せっかく、別の国に来たことですし、観光しないで帰るのも勿体無いですからね!」


「よし、そうとなれば行くぞ」


「はい!ほら、ルイナも行くよ」


「えーっと、じゃあ、動力源は…」



カイン達は、尚話続けるルイナを引っ張り、街へと出掛けていった。


ーーー


陽が沈んだ街は、辺りの街灯で照らされていた。

どこの国でも見られる風景に、違和感を感じるなら、それは機械が動き回っているからだろう。大小様々な機械は、人間に従順に動いていた。

何処からか漂ってくる香りは、美味しそうな香りと共に、工業油の匂いを含んでいた。



「夜でも賑わってるね〜」


「そうですね。政治がしっかりしてるからか、街行く人の顔も喜びに満ちている気もしますね」


「ふむ。おおかた、工業に投資を行い、働く場所を増やしてどんどん人を雇ってるといったところでしょうか。出来上がった商品は、他国に輸出したりして」


「そうじゃろな。わしらの国には、特筆するところがないからのう。強いていえば、魔法を専門的に扱う、教育機関があるくらいかのう」



そんな雑談をしながら街を歩いていると、人だかりが見えてきた。

どうやら、ある集団が何か演説しているよで、それをいろんな人が聞いているようだった。



「…機械は、人と同じように、我々と一緒に生活する権利があると考えている!言わずもがな、それは人工知能もだ!!我々、機械解放団はそんな日常がやってくることを信じている!!そして、知的な市民の方々。あなた方は、我々の考えを理解してもらえるはずだ!!諸君!!今こそ、団結し、声を上げる時だ!!!!機械に対して自由を!!!!」



人々が囲っている集団は、黒い頭巾をすっぽりと被り、顔の部分には歯車の紋様が刺繍されていた。中には、カインの実際の年齢、すなわち15歳ほどの身長をした子供もいた。


「なんですかね、あれ」


「ふむ…機械にも人権を、か。なかなか、変わった考えじゃの。機械には自身で考えて、行動する能力はないのに、それに人権を与えて何になると言うのじゃ」


「ですが、人工知能に人権をって言うのは、少し考えさせられますね。確かに、“あれら“には、私たちのように考え、行動しようとしているのが伺えますからね」


「でも、難しくない?もしかしたら、機械が私たちに恨みを持って襲いかかってくるかも…」



ルイナがそう言ったのを、解放団の1人が聞いていたのか、こちらへ寄ってきた。



「それについては、考える必要はないよ、お嬢さん。人工知能だって、僕たちの考えを理解してくれるはずさ。彼らは賢いからね、下手な人間より」


「そうですかね」


「ああ、そうさ。ところで、あなた方は他国から?どうです、僕たちの考えは理解してもらえましたか?」


「ああ、そうじゃな。なかなか、面白いことを言っているとだけ言っておこうかの。じゃが、全面的には賛成できんの」


「そうですか。非常に残念です。ですがいずれ、我々の言っていることを理解する日が来ると思いますよ。そう、遠くないでしょう」



青年はそう言い、悲しそうな雰囲気を醸しだし、集団へと戻っていった。



「なかなか、不思議な集団じゃったな」


「ええ。まあ、僕らには関係ないことでしょうね。それより、早く食事をしましょう」



4人は不思議な集団から離れて、食事処を探しに街をまた、彷徨い始めた。

と言うわけで、明日も指します

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