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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
5 波乱の会議
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「ここが宿泊室、そして、この廊下の突き当たりにある大会議室が今回の会議場所となっております。午後からは会議が始まりますので、遅れないよう、お願いします」


「うむ。案内、ご苦労様じゃった」


「いえいえ。それでは」



ガチャガチャと鎧を擦れさせ、敬礼する案内の2人を横目に、部屋へと入る。



「わあ…」



思わず感嘆の声が出る立派な部屋。

広々とした部屋の調度品のどれもが爛々と輝く照明と陽の光を反射し、時折、閃光を人に向ける。

乱雑さと簡素さの中間を取ったその部屋は、一種の芸術品のようにも見えた。


そして、1番目を引くのは、部屋の中央に吊るされた謎の球体。

漆黒の球体は光を全て飲み込む。うっすらと透けて見える中には、歯車が絶えず、カチカチと規則的で軽快な音を立てていた。



「すごい…あれはなんだろう」


「ふむ…予想ではありますが、この部屋の機械を統制する管制塔みたいな物では?」


「ああ、なるほどね!言われてみれば、あちこちに鈍く輝く金属があるね。けど、全部自立して動けるんじゃないの?」


「いえ、別の機能がありそうですね。例えば…声で反応するなどが真っ先に挙げられそうですね」


「声で!!反応するかな?!」



ルイナとルインは、早速部屋を見て回り、あちこちにある機械を見つけては議論し、探しを繰り返していた。

幾分か前の言い争いがまるで嘘であるかのようだった。



「もしかしたら、杞憂だったかもしれませんね。案外上手くやってけそう?」


「う〜む、どうじゃろな。興味の対象が意外にも一致しただけであって、根本的な解決には至らないかもしれんぞ。ま、仲良くしてる分には問題は無さそうじゃの」



2人はそんな話に気づかないほど、壁を作り出して、新しい世界を作り出していた。



『お呼びですか?』


「!!!!!」


「ふむ。なかなか、面白いですね」


「喋った!!何ができるのかな!?」


『ご利用できるサービスを紹介します。まず……』



2人は球体を、1人は目を輝かせ、1人は冷静ながらも好奇心を含んだ目で、眺めていた。



「主ら、少しは観光でも行ったらどうじゃ?部屋の観察は夜でもできるじゃろ?」


「…まあ、そうだね」


「そうですね。では、行きますか」


「ああ、小遣いはやる。好きにするが良い」


「ありがとう!!」



ルイナは、ヘンリーから渡されたお金をひったくるように受け取り、ルインと共に機械と人が忙しなく行動する街へと、観光に行った。



「カイン。主はもうすぐ会議じゃからな」


「……分かってますよ。はぁ……」


露骨に残念がるカイン。しかしそれは仕事であるが故、渋々自身のルイナと一緒にいろんなところに行きたいという欲望を抑える。



「ところで、会議って何するんですか?」


「まあ、主な内容は近況報告と、条約の確認じゃな。こんな簡単なのに、2〜3日はかかる。それほど、厄介なもんなんじゃよ。じゃがまあ、今年はそれどころではないかもしれんの」


「ああ、次元の魔物ですよね」


「うむ。奴らの出現で、奴らもどうせ焦っておるじゃろうし、今回は案外さっくり終わるかもしれんな」



そんな淡い希望を抱くも、その事象は波乱にもなりうる事を、ヘンリーは重々承知していた。



「ま、あんまり期待しない事じゃな。あと、ある程度妥協する事。頭に来ても、少しは我慢するんじゃな」


「…分かりました」



渋々、頷くカインに、不安を覚えるヘンリーだった。



****



「さあ、早く行こう!!」


「はいはい。そんなに焦らなくてもいいと思いますけどね」


「まあまあ、って…わっ!」



駆け足で街へと向かう2人が角を曲がる時、そこには一つの集団が居り、衝突しかける。



「おっとすまないね、嬢ちゃん。怪我は無いかな?」



体のあちこちに古傷が残り、歴戦の猛者である事が一目でわかる初老の男がそう声をかける。



「…こちらこそすみません。大丈夫です」


「そうかい。ま、今後は気をつけるこった」



怖気付きながらも、そう返事するルイナを、軽く注意する男。



「ふっ。それすらも気付けないとは。所詮小娘と言ったところか」


「…うるさいな」


「おや、親御さんで?」



男の視線はルインへと向けられる。何かを探るような目線を、なんとも無いかのように受け流す。

それよりも、一応養父である事を認めるのが癪な様子なルインは渋々と口を開いた。



「…まあ、そうですね。養父です」


「そうですか。娘さんは元気いっぱいな様子で。ですが、迷惑だけはかけないように教育はしておくべきですよ。このクソガキみたいにならないように」


「ええ、言われずとも。それでは」



ルイナの手を引き、その場を離れるルイン。



「妙だな」


「何がだよ、親父」



ずっと口を閉ざしたままだった少年は、やっと開く。



「いや、あの養父だ。……なんというか不気味だ。悍ましい何かを感じた気がする」


「そうか?なんも感じなかったが…」


「ふん、貴様はその程度だという事だ。それとも、あの少女に見惚れてでもいたか?」


「…黙れ」


「ん?顔が若干赤いような」


「うるさい!!」



少年は慌てて大声で叫んだ。

その声は王宮の廊下に、嫌に大きく響いてしまった。


お久しぶりです。テスト期間でやる気出なくてサボってました。あと、短編書いて遊んでました。まだ読んでない方は是非読んでみてください。ちなみに、知り合いにはちょっと普通、3点と言われました。悲しいかな

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