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短め。
「で、行くって言ってもどうやって?」
「ああ、それはこっちじゃ」
そう言って、城の中を進んでいく。
丁寧に清掃された王宮には、小さな塵ひとつすら落ちていない。床は光沢を放ち、それだけ磨かれていることを示唆していた。
王宮の地下へと続く階段を降りていく。
肌を刺すような冷たく鋭い空気が、扉を開けた途端流れ込んでくるのがはっきりと見える。それほどの温度差があった。
小さな灯りが点々と、狭い空間の輪郭をぼんやりと示していた。
灯りは蝋燭ではなく魔道具で作られていたため、光以外には何も放出していない。それがより一層、空気を冷たくする要因となっていた。
「ここじゃ」
カインがルインを呼び出した場所とはまた違った地下の空間。
人が10人ほど入れる部屋の中央には、淡く輝く幾何学的文様が刻まれた円形の石板が鎮座していた。
点滅を周期的に繰り返すそれは美しく、人の興味、視線を掻っ攫う。
「これは、四カ国を繋ぐ転移魔法じゃ」
「こんなんがあったんですね」
「そうじゃ。転移する場所は別に用意されとる。ま、それは機密じゃがな」
「なんでこれが作られたんですか?」
「まあ、時間じゃな。開催する国まで移動してたら、膨大な時間を必要とする。その間に魔族が攻めてきたらたまったもんじゃないからな」
「ああ、そうですね。当たり前ですね」
カインはそう返事して、まじまじとその魔法陣を眺める。
近づけた顔には、魔法陣から出る光が、薄く色付けしていた。
「ふむふむ…飛ぶ場所の座標を固定してあると。で、3つのうち行きたい国を選択すると。案外簡単な仕組みなんですね」
落胆を含んだ声。思ったよりも簡単に作られており、期待していたような成果を得られなかったようだ。
「それじゃ、とっとといくぞ。どうせ、奴らはもう行っておるからの」
そう言い、まだ何かないかと眺めるカインを魔法陣の上にのせると、魔法陣は美しく輝き、4人はその空間から消えた。
後には、段々と光量が減少していく魔法陣と、人から奪った熱で温まった空気だけが残された。
はい。明日も書こうと思ってます。ちょっとキリが良かったのでめっちゃ短かったですけど許してください。お疲れ様でした




