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短め
「…んで、なんでお主らもきておるんじゃ?」
「…さあ?」
次の日、集合場所にはカインとヘンリーの2人だけ…のはずだった。
「まあまあ、いいじゃん。いわば旅行でしょ?」
「カイン様が行くのに、私が行かないわけありません」
そこには、何処からか話を聞きつけたルインとルイナがいた。
ルイナはまだしも、ルインも嬉しそうに笑みを浮かべていた。
「しかし、あなたが行く必要はないのでは?私は、カイン様の護衛にもなりますし」
「はあ?私がいれば、ぶっ飛んだカイン君の思考をある程度矯正できるんですけど。そこんとこはどうなの?」
「面白い。カイン様の思考が正常ではないと、そう言いたいわけですか」
「そう言ってるでしょ。そんなこともわからないの?」
「ふふっ。あなたの目と思考は腐ってるようですね。一度壊して元通りに…」
「ああ、もう分かった分かった!仕方ない、主らも付いてこい」
いつまでも続きそうだった論争の終わりを、ルインが破壊という手っ取り早い解決策で導こうとし始め、流石にまずいと思ったヘンリーが、仕方なく2人の動向を認めた。
「…いいのですか?こんな、変わった者を連れて行って」
「はあ?お前の方が狂ってるでしょ。現実世界を知らない田舎者が」
「…よろしい。少し話を…」
「はいはい、そこまで。ルインはそんな物騒なこと言わない。あと、ルイナもそんな煽らない」
「そうじゃ。まあ、ルイン、お主は世界のことを知るいい機会じゃろうし、色々と見て回ると良い」
消えた火種は、燃えた物の下で再び発火し、燃えあがろうとしかけるも、カインも止めに入り、ヘンリーがもっともなことを言って完全に消した。
「ふむ……そうですね。確かに、まだ世界について詳しくは見てないですしね。いい話です」
「でしょ?ま、会議中は2人は流石に同行できないから、街の観光でもして待ってて」
「は?こいつと2人きりとか嫌なんですけど」
「私も、こんな小娘と一緒にいるのは、精神的に疲れるので断固として拒否したいのですが」
2人は再び睨み合い、すぐにでも手が出そうな距離になっている。
ヘンリーはもう、呆れてものが言えなくなっている。
「じゃあ。2人とも留守番で」
留守番という言葉は、2人の睨み合いをやめさせるほどの影響力を持って、その場を静寂と共に支配した。
2人の間に沈黙が流れる。
「…っち、仕方ないですね。小娘、休戦です」
「そうね。流石に、留守番か行くかって言われたら、言わずもがな旅行だしね。あと、小娘呼びはやめて」
「ふっ。私から見れば、誰だってガキですよ。ま、あなたが私を認めるほどの何かがあったら、その時はちゃんと名前で呼んであげますよ」
「ほう、言ったわね。すぐに認めさせてあげる」
解決はしたものの、未だ北緯38°の両国のように、いがみ合っていた。
また、いつ爆発するかわからないそれを前に、2人は完全に呆れていた。
はい。明日か明後日かにもう一個あげます。たぶん




