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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
5 波乱の会議
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魔族もとい、別次元の敵からの襲撃を受けた日以降、嵐が去った後の上空を流れる雲のように、日々は過ぎ去っていた。

カインはディネと共にルインから教えてもらいながら、次元の魔物に対する魔法を作ろうと四苦八苦するも、事は簡単には動かなかった。


まず魔法を作ろうにも、ルインが使用した魔法は誰も見たことのない魔法文字、および作りから成されており、そこの解析から入る必要があった。

もちろん、ルインが使用した魔法を実際に使用してみた。しかし、それは難しすぎた。

普通、術式は平面上の鋳型、すなわち二次元の設計図を作り出し、そこに溶かした鉄、ここでは魔力を流し込む事で発動できた。


しかし、これは違った。

これまでの二次元構造という物を完全に無視し、三次元、いわば奥行きまでも必要となっていたのだ。

それにより、術式は厚みを増し、それに伴い莫大な量の魔力、制御、集中力を必要とし、常人でなくとも使用できるわけがなかった。


カインとディネは、それを理解した瞬間、ルインはとんでもない化け物であるということを、理解させられた。


それでも、彼らは諦めなかった。

彼ら、というよりも彼、カインは諦めるということを知らなかった。

カインは自身に使用できないとわかると、落胆するどころか、興奮を隠せないようだった。未知の物への探究心、好奇心。それは、人であれば誰でも持って生まれる。その程度が、カインは大きすぎた。


休むことなく、考え、書き、たまにルインに尋ねる。

そんな彼に振り回されるディネは、他者から哀れみの目を向けられたが、腐っても王宮魔法使い。彼もまた、魔法に対する飽くなき探究心と好奇心を持ち合わせていた。



月日は飛ぶように流れ、気づけばあたりは乾燥と寒気が支配する季節へと足を踏み入れ始めていた。

そんなある日、王宮魔法使いたちは、王宮に設けられた会議室へと集まっていた。



魔道具によって温められた室内は、外とは完全に別世界となっており、二つの世界を隔てるガラス窓は、その表面に水滴を纏い、その違いを知らしめていた。



「え〜、皆の者、忙しい中集まってもらいすまないな」



いつも通り、遅れて入ってくるヘンリーの言葉に、数名は文句を入れたくなる衝動に駆られるが、黙って続きを待つ。



「みんなも分かっておる通り、毎年恒例の四ヵ国会議の時期がやってきたわけじゃが」



四ヵ国会議

それは、プランタジネット国、ランドバルド国、ケイユーブ国、ムゲル帝国の、魔族から人類を守るために作られた壁を、防衛している四ヵ国が年に一度集まり、それぞれの情報を共有し、魔族に対抗していこうという魂胆で、壁が建設された当初から行われている会議だ。


ヘンリーが一度口を閉ざし、再び開く。



「順筆頭で行きたい者はおらんか?」



続く言葉は、会議室をまるで誰もいないかのように静まり返りさせ、外から吹き付ける風が、ガラスを叩く音だけがそこに響いた。



「……まあ、そうじゃろうな」



ヘンリーもそれを予想していたのか、なんとも言えない表情を見せる。

この四ヵ国会議は、皆にこう呼ばれている。



“年に一度の大喧嘩”



そう揶揄されるほど、会議は荒れに荒れ、本当に手が出たことも少なくない。それほど、四ヵ国は互いに嫌っており、お互いの非難ばかりしていた。

しかし、魔族という共通の敵がいるため、最終的には黙って解決へと会議は進む。


それでも、多大な労力と精神力を必要とするため、皆には嫌われている行事なのだ。



「あ、俺は怪我が完治してないのでパスで」


「右に同じく」



数ヶ月前の戦いで負傷した、ゲシンとグレンは、外見的な傷は無くなったものの、体力的には完全に治癒しておらず、長旅となることが予想される会議には出られなかった。

もっとも、本人たちはそれを好機と捉え、さらっと辞退したのだ。



「じゃ、怪我人2人にこの国を任せるのは不安だから、私は残るね」


「!!!!!!」



勢いよくメザリーの方を向くカイン。

残った順筆頭どちらかが行くことが確定していた中、メザリーに出し抜かれてしまう。



「おお!今年はカインがついてきてくれるのか!嬉しい限りじゃな!」



勝手に決定されて、カインは項垂れる。



「じゃあカイン、頑張ってな!」「頑張れよ!」「頑張ってね!」


「…わかりましたよ。あ〜くっそ、やられた」



3人は、満面の笑みでカインにエールを送った。

当の本人は、渋々と受け持ちながらも、悪態をつく。



「まあ実際、カインは行ったことないだろ?体験するのは大事だって」



グレンがカインの背をばしばしと叩く。



「…ちっ、そうですね、行ってやりますよ」



不貞腐れたように、そう言い、思いっきり椅子にもたれかかった。

実際に、カインは見たことがなかったが、帰ってきた他の順筆頭の様子を見るに只事ではないことを、理解していた。故に、この態度だった。



「んじゃ、残りのものはいつも通り巡回を頼むぞ」


「「「はい!!!」」」



嬉しそうに返事する、他の順筆頭たちであった。


お久しぶりです。やっとテスト三昧が終わったので、投稿です。真面目な話、この小説っておもろいんですかね。書いてる自分はあんまり面白くないと思います。戦闘はまあ、ましみたいな感じだと思ってる。実際どうなんですかね。友達は面白いとか言ってるけど、多分お世辞だし。

…まいっか

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