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「皆の者、よくやった。誰1人欠けることなく、乗り越えられてよかった。わしらの完全勝利じゃ!!!」
「「「「「うおおおおお!!!!!!!」」」」」
ヘンリーの宣言に呼応するように、大きな歓声が荒野に響きわたる。
相手が、面白半分で手加減していたためか、重傷を負ったものは多数いるものの、死に至るほどの者はいなかった。
皆が、互いに手を取り合い、喜びを表現していた。
「そういえば、ヘンリー様。あの、執事服を着た方は誰なんですか?」
そんな中、ポツリと呟かれた言葉が、そこにいた者の耳にはっきりと聞こえた。
その発言を皮切りに、歓声はすんと止み、そのことについて話し始めた。
「そういえば、順筆頭たちと一緒に出てきた気がしたな」
「私たちの怪我の手当もしてくれたわ」
「いつのまにかそこにいたって感じだったな」
会話が進むにつれて、ルインへの不信感が募っていく。
「誰なんですか、ヘンリー様!?」
「教えてくださいよ!
収集がつかないほど、興味は独り、走り出していた。
「わかったわかった。ちゃんと説明するから落ち着くんじゃ」
困り顔で宥めるも、良い言い訳が咄嗟に思い浮かばない。
「ああ、それなら僕が言いますよ。彼はあk…もごもご」
うっかり、言ってはいけないことまで口滑りそうになるカインを咄嗟に、ヘンリーが止める。
「「「あ?」」」
「そう!!!カインとルイナの養父じゃ!」
皆の疑問が確信に至る前に、ヘンリーは咄嗟にそれっぽいことを口に出した。
「ああ、なるほど」
「だから、カインさんのところにいるわけだ」
「けど、なんかめっちゃ魔法使えるくね?」
大半の者は信じた者の、一部疑問に思っている者もいる様子だった。
「カインの養父なわけじゃからある程度、魔法に関する実力を持ったやつを探しておったのじゃ。何か、学べるものがあるようにな」
それっぽいことを、つらつらと並べていく。
一応、内容は紛い物ではないので、嘘は言っていない。
たまたま、ルインがそうだったわけだ。
「わかったかの?」
「理解しました」
「そういうことっだったんですね。さすがヘンリー様!」
疑いを持っていた者も信じ込み、ヘンリーは内心でホッとする。
「初めまして。カインさんの養父となりました、ルインです。以後お見知り置きを」
ニコニコと、人の良さそうな笑顔を浮かべ、そう自己紹介した。
顔は端正に整っており、その笑顔を浮かべた顔に、女はもちろん、男までも見惚れてしまう。
しかし、中身はやばいということを知っている者からしたら、よくそんな笑顔できるなと感じるようなものだった。
「まあ、皆の者疲れてると思うし、今日はゆっくり休むと良い。今日ぐらい、使えない騎士団に見回りでもしてもらおう」
そういうと、皆は笑い出し、壁の方へと戻っていた。
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「それで、ルインは僕の部屋で暮らすよね?」
「言わずもがなですね。お邪魔させてもらいます」
「ちょっと、散らかっているかもしれないけど、気にしないで」
そう言い、ドアノブを回し扉を開ける。
「あ、おかえり。後ろの人が例の呼び出した悪魔?」
「そうですよ。紹介しますね。彼が呼び出した悪魔、ルイン」
「どうも」
「ルインです。よろしくお願いします」
お互い、短い挨拶をして向き合う。
「なんていうか、思ったより普通だね」
「何が?」
「話も通じないような、やばいやつだと思ってたけど、想像より優しそう」
「ふふっ、そんな低脳な悪魔どもと同じにして欲しくないですね。何もしなければ、優しいですよ」
そう言って、笑うルイン。
なぜか、目の奥は笑っていない。
「ふ〜ん…ま、カイン君の邪魔にならなかったら良いと思うけどね」
「そちらこそ、カイン様を誑かしているのでは?」
「なかなか、言ってくれるじゃない」
ばちばちと、視線がぶつかり合う。
取っ組み合いになりそうなほど、お互いの距離が近づいていく。
「はいはい、そこまで。何をそこまで争う必要があるんですか」
「ふふっ、少し生意気なガキに現実でも見せてやろうかと」
「いいから。ルイナは、僕の大切な人なんだから、そんなことさせないからね」
カインがそういうと、ルイナは若干頬を赤らめ勝ち誇ったように胸を張り、ルインは悔しがる、と見せかけて面白そうにその様子を見ていた。
「ま、これから3人でこの部屋を使うから、2人とも仲良くしてね」
「わかってるよ」「もちろんです」
やる気のなさそうな返事にカインは、これから憂鬱になりそうな生活にため息を吐かずにはいられなかった。
と、いうわけで、4章 「悪魔と別次元の敵」完結です。
いつも読んでくださる方、本当にありがとうございます。感謝で頭が上がりません。
長すぎました。けど、結構十分な内容を書けた気もします。あ、76話ちょっと変えました。主にルインの技の名前ですね。ちょっと漢字がいまいちだったので。
こっから、5章 「4ヶ国会議」へと突入します。
ちょっと話を追加することになりました。ああ、これはいつになったら完結するんでしょうか。
読んでくださってる方で、まだブックマーク登録、評価してない人は、ぜひぜひ、お願いします。夢のブックマーク10まで後少しなんです。目標引くいと思ってるけど、結構厳しいです。
正直、なろうでやっていくにはもっとなろうニーズに合わせなければいけない気もします。ま、そんな小説はゴミだと思いますけど。ぶっちゃけ、ランキングで上位を取ってる作品とか、書籍化された作品を読んでるけど、誤字とか日本語がおかしいところばっかで、こんなんが書籍化されて大丈夫なんかと思います。いいんかこれで




