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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
4 悪魔と別次元の敵
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お久しぶりです

地に伏した少女は下を向いて、思い耽る。



(…ああ、世界はなんて理不尽なんだろうか)



彼女の頭が、今までの人生の記憶で埋め尽くされる。

元の世界での楽しかった生活。一緒に遊び、笑う姉。そして、それを壊した忌々しい魔王と、色褪せていく世界。淡々と人を殺めるつまらない人生。




(…なんで、姉はあんな風になったのだろうか…?)




思い出す記憶もなくなり、余った脳がそんなことを考え始める。

思い当たる節は一つしかなかった。



(やっぱり、魔王が何かしたとしか……洗脳?………ありえる。あいつは幾つか能力を隠し持っていても不思議じゃない……、ああ、くっそ………)



結論付けると、どんどんと考えは広がりを見せていく。



(そうだ。そもそも、姉はあんな性格じゃなかった。もっと、優しくて、人想いで、暖かかった。人の人格なんて、一瞬にしてそうころころ変わるわけない…)




「……くっそ…………くっそ…………!」




自分への情けなさと、姉を救ってやれなかった悔しさから、ひとりでに言葉は飛び出し、瞳から雫がとめどなく溢れる。悔しさと情けなさは、いつまで経っても止まらなかった。




****

(……失敗した)



青年も、少女と同様に地に伏し、澄んだ空を眺める。

あたりの空間はだんだんと暖かさを取り戻しているも、青年の体はどんどんと冷たくなっていく。



(……彼は、こんな私を許してくれるのかな?いつも通り、笑って許してくれるだろうか……)



青年の頭には、元の最悪の世界と、あの日の出来事が思い出される。

変わり果てた世界に、青年は満足していた。たとえ、元の世界が滅ぼされようと、そんなことは彼女には関係ないと考えていた。



“君はそんなに謝らなくていい。もっと自分の気持ちを大切にね”


とある日に言われた彼の言葉が頭を何度も、反響する。




(私の気持ちか…………)




目を閉じる。




(……いつまでも、あの生活をしていたかったな……)



家族同然の彼らとの生活が頭に浮かぶ。

みんなが、青年を認めて、優しく接してくれる。

それは、青年の前からは消えようとしていた。



(…でも、嬉しかったな。満足だ。一生分の優しさを貰ったと思う)




空を見上げる青年の顔には、穏やかな笑みが浮かべられていた。




(我が人生に悔いなし。……………いや、あるわ)







「………彼を、振り向かせたかったな………」





頬を少し染め、ぽつりとつぶやいた。

それは何処にも残らなかったが、彼女の心にはずっと響いた。

もうちょっとで、この章は終わりです。明日投稿するので、是非読んでくださいお願いします。

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