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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
4 悪魔と別次元の敵
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疲れた。

(…負ける、この私が?!そんなはずがない!!あの時、あの人と約束したからには死ねない)


今際の際で、不意に青年の脳裏にあの人が浮かんだ。

その瞬間、彼女の過去がフラッシュバックした。




****





「こいつは失敗作だ」



生まれて数ヶ月の私に、父はそう言った。

私はとある外れの村で、これと言った特徴のない両親の元に生まれた。



私の世界では、3種類の大まかな系統に分かれていた。

一つは力が取り柄の系統、一つは速さが取り柄の系統、そして、私の系統は硬さが取り柄の系統だ。

稀に、王種と呼ばれる、全てが高い系統もあったが、圧倒的に数が少なかった。



そして、私は系統の中ではありえないほど、耐久性に欠けていた。代わりに、攻撃力だけは系統の中では群を抜いて強かったが、言ってみれば不必要だった。

それは、私の系統では歪な存在であり、忌子として扱われるようになった。



父は私をいらない物のように扱い、母は酷く嘆いた。

どんな場所でも、私の居場所はないと、感じていた。




誰も、私を必要とはしない。誰も、私を愛してくれない。


私の周りにいる皆んなと同じ体型をしている。でも、能力が違う。それだけで嫌われる。



終わってる。なんて、冷たい世界だろうか。

こんな私でも、必要としてくれる人はいるのだろうか?



何度も、そんな考えが浮かんでは消える。

それを繰り返しているうちに、一つの考えが浮かび上がった。





自分には、こんな外見なんて必要じゃないのではないか。

こんな格好をしているから、同系統の奴らが嫌うのではないか。




幼い私からしたら、この考えは、脳裏を貫く電撃だった。





そして、私は何も考えずに、家にあった包丁を手に取り、体の甲殻を剥ぎ、肉を削いだ。

痛みは感じたものの、これで全てが変わると思うと、気持ちよかった。





そんな私を、両親はついに気が狂ったのだと確信した。



実際、狂っていたと思う。でも、それしか方法はなかったと思う。





そして、両親は私を家から追い出し、私は荒野を彷徨った。

この世界は、一部のみが綺麗な自然があり、そこに多くの生物が住んでいる。



しかし。そこを一歩外に出れば、あたりに広がるのは荒野で、煙のように黒く、汚い雲が漂うだけだった。




私は、そこを何も考えず、とにかく歩き回った。


何処かに行けば、誰かがいるかもしれないと、望み薄な希望に賭けて歩き回った。



しかし、そんなことはなく、10日ほど歩き回った末、体は言うことを聞かなくなってきた。




視界がぼやけ、フラフラとする足取りで、前へ、前へと進む。


が、限界が訪れ、そのまま倒れ込んだ。




ああ、やはり私は必要にされていないんだ。



その時、もう一度、そうはっきりと理解した。




そして、上を向いて、目を瞑った。




「おや、君はここで何をしてるのかな?」



不意に頭上から声が聞こえてきた。


目を開けると、そこには1人の男が立っていた。



私たちと同じ世界の人ということは理解したが、どんな系統かは全く理解できなかった。



「…行く宛もなく、ただ彷徨って、倒れてるの」


「そうかいそうかい。なかなか、変わった体型をしてるね」


「まあね。自分で変えたもの」


「へえ!面白いね!どうだい、君も僕と一緒にあっちへ行くかい?」


「あっち?」


「そう。3次元の世界へさ」



3次元の世界。私はその言葉を理解できなかった。

けど、この世界ではないことがわかった。



「行く」


「案外あっさりだね」


「…こんな世界。私を必要としてないからね」



そういうと、彼は私を起こして、食料を分け与えてくれた。


久しぶりの食事に、感動している中、彼は虚空に向かって話しかけていた。




すると突然、宙に亀裂が入り、中から誰かが出てきた。



「ふ〜ん。君が新しいメンバーを見つけたっていうから来たけど、あんまり強そうじゃないね」


「いやいや、俺が強くなるって言ってるわけ。今強くなくても、彼女は絶対強くなるよ」


「そう考えるか。ま、いいよ。君の滅多にない頼みだからね」



もう1人の青年、黒いコートを羽織り、手には大きな宝石がついた指輪をつけた青年が近づいてきた。


「やあ、どうも。僕は、彼の上司にあたる人だよ。君を向こうに連れてくために、ちょっと手を加えるから、待っててもらえるかな?」


「……はい……」



私は、おずおず承認した。



すると、青年は私の頭に手を翳し、何かが私に纏わり付いた。



「よし。これでオッケーだね」


「ありがと。お前じゃないとできないからな、これは」


「なんてことないさ。さ、行くよ」



男は亀裂に入っていく。



「さあ、僕らも行こうか」



彼は渋る私の手を引いて、亀裂に飛び込んだ。

つったかたー始めました。制限垢なので、誰にも見られませんが、フォローしてくれたら見れるらしいです。知りませんが。

名前は、Tsumu33:7です。まあ、変わりませんね。

こっちでは、絵を描くつもりなので、興味がある人はぜひ見に来てください。フォローしないと見れないですが。

追記、https://twitter.com/Tsumu_iroiro

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