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今週はこれで勘弁してください。忙しかったんです。
湿気が体にまとわりついて不快感を与える暗い空間に5人、ヘンリーと、順筆頭の4人だ。
一部を除いた、この国の最高戦力がさほど広くない空間に集まっていた。
「よし、それでは始めるとしよう。主ら、何かあった時のために警戒は怠らないよう」
「「「「はい!」」」」
「カイン、始めろ」
「分かりました」
カインは白い鉱石を使い、ガリガリと、冷たく平らな石の上に紋様を描いていく。
一本、一本と線を増やしていき、幾何学的紋様が完成していく。
作り上げるカインの手に迷いはなく、滑らかに、そして軽快に動いていく。
時間が経つごとに、カインの心は踊り、興奮を隠しきれなくなっていく。
(ふふっ、どんな悪魔が出てくるんですかね!?本に書いてあった通り、惨忍なのか、はたまた優しいのか。実に興味深い!!)
上がる口角を隠そうともしないカインに、ゲシンやグレン、メザリー達は、警戒をしながらも、カインの態度を不気味に思う。
「おいおい…笑ってるぞ、あいつ」
「ありえない。これから悪魔を呼び出そうとしているなんて思えないわ」
「やっぱり、カインっていかれてるよな」
そんなことを話し合っているが、カインは集中していて気づかない。
「…できました!」
夢中で魔法陣を描くこと15分。
勢いよく最後の一本を描き終え、鉱石を机に置く。
「よし、間違いはないな?」
「はい!多分大丈夫です!」
「分かった。それでは、始めてくれ」
「分かりました!」
ビシッと敬礼をして、魔法陣の前に立つ。
ピッ、と指先を軽くナイフで切り裂き、血で魔法陣をなぞっていく。
そこそこの量の血を使い、魔法陣を紅く染める。
「始めます」
若干、顔色が悪くなりながらも、魔文とはまた違った文章を詠唱する。
魔文を使って悪魔を召喚しようとすると、途轍もなく難しいものになる。
例えるならば、鋳型だけを使って大きな機械を作り出すようなものだ。
そんなことができるはずもない。そこで、魔法陣を魔文の代わりとして使用することで、大幅に簡略化できる。
魔法陣が機械のパーツで、詠唱が組み立てのようなものだ。
これを行うことで、普通ならできない事を可能にしている。
『別世界を生きる者よ、我が元へ姿を現したまへ。そして我が望みを叶えよ。二つを繋ぐ橋よ、かかれ!別界門!!』
また来週。よければ感想書いてください。参考になるので




