51
「これが、その本ですか」
「そうみたいだな」
「結構古いわね」
王宮の一室にて、準筆頭の4人はヘンリーから渡された物を囲って座っていた。
ヘンリーから渡された本は、色褪せ、傷がつき、年季が入っていた。
「えっと、次元の魔物について書かれている箇所は…」
ゆっくりと、中身を確認しながら皺の入ったページを一枚一枚めくる。
部屋には紙と紙が擦れる音だけが鳴り響く。
「……あった」
全員の視線がその箇所に釘付けになる。
『次元の魔物
この世界には、我々が住んでいる3次元以外の次元が存在する。
(3次元とは、幅、高さ、奥行き空間のことをいう)
3次元とその他の次元との間の空間には、考えられないほどのエネルギーが生じている。
そして、この世では時折、その考えられないほどのエネルギーを操り、新たな生物を作り出すことのできる魔王が誕生する。
その魔王が生み出した生物が、次元の魔物だ。
次元の魔物は、生み出される際に決まって一つ、特別な能力を持って生まれる。
それを可能にしているのが、次元の心臓だ。
各々が持つ能力は多岐に渡り、魔法の威力を下げる、皮膚を硬くする、脚力と筋力を強化するなどが確認された。
次に対処方法について』
4人は固唾を飲んで、ゆっくりとページを捲る。
『これといって目立った対処法はない。己の能力を最大限に活用すること。
以上』
「…は?」
「…おいおい、マジかよ…」
「大概にしてほしいね」
4人は呆れ、天を仰ぐ。
「対処法がないとか、どうしろってんだ…」
「そうよね。頑張って倒せってことでしょ?」
「……う〜ん……」
さらに、ゲシンがページを捲っていくものの、有力なことは書かれていない。
ヘンリーが、渋りながら一応といった意味が理解した4人だった。
「…とりあえず、戦力増強が今んところ大事だよな?」
「そうだな。騎士団もちゃんとやれって、喝を入れるか?」
「そうですね。お願いできますか?」
「ああ、ヘンリー様に頼んでおく」
「これは、本当に不味くなってきたかしらね……」
嘆息する4人。
外では雨が、地面に、城壁に、硝子に叩きつけていた。
「とりあえず、僕は新しい魔法を作ってみます」
「ああ、頼んだ。戦力増強はこっちでしておく」
「俺も暇だったら、手助けに行くから」
「とりあえず、やれることをやりましょう」
ため息を吐きながらも、前を向いて歩きはじめた。
お久しぶり大根です
ちょっと忙しすぎんよ。これから土日に一本か2本になるかも




