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もうすぐ太陽が頭上に来る頃、訓練場には5人の人物が集まっていた。
集まった5人は、王宮魔法使い準筆頭の4人と、筆頭のヘンリーだ。
4人の目の前には、先日カインとグレンが戦ったM53の死体が置かれていた。
「よし、それでは始めるとするか」
「ヘンリー様、何か心当たりはありそうですか?」
「うむ……もしかしたらというのならある。しばし待つのじゃ」
そう言うと、懐から一本のナイフを取り出して、M53の右胸あたりに当て、縦にスッと切り込みを入れて、こじ開ける。
「…‥やっぱりじゃ……」
そこを覗き込んだヘンリーが、静かに嘆き、上を向く。
「何か分かったんですか?」
「ああ、これは厄介になったわい。これを見るんじゃ」
切り口に手を入れて、肉を掻き分けてある物を取り出した。
「これは、宝石?」
ヘンリーが取り出したそれは、若干青い色を含んだ透明の結晶。光を取り込み、輝いている。
大きさにして、直径10cmほどの大きさがある。
「…これはいわば、こやつの能力の源じゃ」
「「「「能力の、源?」」」」
「そう。こやつは心臓の他にこれを持っており、特殊な能力を対象に与えている。こやつの、魔法が効きにくいのも、これがあるからじゃ」
手の中でそれを弄ぶ。
「…それで、こいつは何者なんですか?」
「こいつは、魔王に作り出された。と、言っておったんじゃな?」
「確かに、言ってましたね」
「…なら、こいつは“次元の魔物”じゃな」
弄んでいた宝石を、握り潰す。
「こいつは、次元と次元の間にある大量のエネルギーから作り出されたんじゃ。稀に、次元に干渉できる魔王が生まれる事があるんじゃが、そいつが作ったんじゃろう」
「……はあ……次元の狭間ですか……」
「そうじゃ」
「それの、何が面倒なんですか?」
4人の疑問を代表する質問。
「こんな感じの敵が出てくる。大量に」
「「…まじですか…?」」
実際に体験した2人は、そうであって欲しくないと切に願う。
「マジじゃ」
しかし、現実は残酷だった。
「面倒になったな」
「ええ、そうですね」
「そんなに面倒なの?」
「そうだな。言ってみれば、魔法の威力が大体、7割下がる」
「「…は?」」
「わしも伝聞でしか聞いたことがなかったが、それほど面倒だと言っておった」
2人、頭を抱えて悩む。
「…何か対抗策はあるんですか?」
「………一応、次元の魔物についての本はある。それを渡しておくから、確認しておくように」
「「「「分かりました」」」」
「んじゃ、解散。本は渡すから、みんなで見ておいてくれ」
皆が、帰っていく。
空はどんよりと曇っており、さらに足取りが重く感じられた。
今日書くかも。
明日からはまた投稿が開きます。許して。
もしかけたら出します




