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「……ご苦労じゃったな。しかし、魔王が作り出した生物か…」
ヘンリーの部屋にて、一通りの報告を聞いての開口一番がこれだった。
ヘンリーの前には、準筆頭のグレンとカインのみがいた。
「何か、ご存知ですか?」
「う〜む………実物を見てないから何ともいえんな…」
「そうですか…」
「まあ、そいつについては、明日見に行くとしよう。主らも疲れておるじゃろうし、ゆっくり休むがいい」
「「はい」」
報告を終えたグレンとカインは部屋を出る。
「それじゃあ、カイン。またな」
「はい。グレンさんも」
2人とも、自身の部屋に戻っていく。
辺りはだんだんと夕日に染められ、オレンジ色に変わっていった。
「ただいま…………わっ!」
自室の扉を開けるて中に入ると同時に、ルイナが抱きついてくる。
「…遅い」
むすっと、頬を膨らませる。
「ごめんごめん。ちょっと手こずっちゃって」
「無茶しすぎじゃない?死にかけたんでしょ?」
「いや、まあ一歩間違えれば死んでましたけど。てか、なんでルイナが知ってるんですか?」
「レザリーさんが教えてくれた」
ルイナとレザリーは、一度顔合わせをしたあと、ちょくちょく会っていたのだ。
今日も、帰ってきたレザリーにいろいろとルイナが質問していたのだ。
「そうなんですね。心配させて、すみません……」
「分かってくれればいい」
「それで、いつまでこのままでいるんですか?」
「………」
返事もせず、ずっと抱きついている。
どうしたものかと考えるが、特に解決案も浮かばないので、そのまま頭を撫でる。
「……あ、そういえば……これ、ありがとうござました」
「…どうだった?問題点は?」
ようやく離れて、銃を受け取る。
「そうですね……、火力は申し分なかったです。問題点は……反動が大きいことですかね。
「あ〜なるほど」
「もっと、丈夫なパーツに変えればある程度は変わるかも知れませんね」
「持ってる?」
銃を差し出す。
「…いや、大丈夫です。これ以上、それに頼る気はないので」
「なんで?」
「武器がないと敵を倒せないぐらいじゃ、まだまだだからです。実際、今回の戦いではいろいろと学ぶことがありましたし。それに、あの謎の能力をも壊せる魔法を、見つけて、作り上げたいですし。やっぱり、手軽な対抗策があると、やる気が出ないですからね」
「そっか……カイン君って、意外と自分に厳しいんだね。……じゃあ、私が持ってようかな」
「それがいいと思います。十分な火力ではありますしね」
そう言うと、カインは荷物を片付けていく。
「あ、そういえばだけど、レザリーさんが、今日、一緒に食事をしないかだって」
「食事?夕食ですか?」
「うん。ファインさんも誘って、4人でだって」
「いいですね。行きましょう」
「決定だね。こっちで伝えておくね」
そういうと、どこからかレシーバーを取り出して、話し始めた。
「何ですか、それ?」
「魔道具。作った。………あ、レザリーさん?今日の夕食おっけいだそうです」
『ああ、分かっタ。予約しておくから、時間になったら指定の場所に来てくレ』
「分かりました」
ブツッと、通信が切れる。
「てなわけで、さっそく行こうか」
「え?もうですか?」
「もうだよ?あと、15分ぐらい」
「……分かりました」
彼女らの無計画さに呆れつつも、移動する。
ルイナはカインの手を握って、廊下を駆けだした。
その夜、4人は少し豪華なお店で料理を楽しんで、話し合った。
「ふあぁぁ……もう、こんな時間ですか……」
帰ってきた頃には、辺りは真っ暗になっていた。
大きなあくびをして、眠たそうにしている。
「……そうだね…‥寝よっか……」
「…………そう……です……ね……」
カインは、ベッドに飛び込むと、すぐに寝息を立てはじめた。
「すう………すう…………」
「ふふっ……かわいい寝顔……」
その様子を、満足そうに眺めながら、ルイナも眠りについた。
これにて、3章終了です。
明日あたりから、毎日投稿は終わらせてもらいます。
頻度は落ちますが、今後ともよろしくお願いします




