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「フム……モドッテキタカ。ソノユウキダケハミトメテヤロウ」
「ははっ、余裕の態度ですね。そんなんで大丈夫なんですか?」
「オマエラニハ、オレヲコロセナイ」
余裕の態度、表情で答える。
「それは、やってみないとわからないでしょ。みなさん、お願いします!」
「「「おう!!」」」
カインの号令に従い、各々が再び、魔法を放つ。
それらが、砂埃を起こし、視界を悪くする。
「ゲイガナイゾ……オレニハ、ソンナノキカ……ン?」
手を振り払って、砂埃をどかす。
そこには、1人の子供が、不思議な物を構えていた。
「ナニヲ……」
カインが、有無を言わさず引き金を引いた。
ドオオン!!!!
銃から、本来では聞こえない音が鳴り響く。
「ガッ…!ギッ!!!」
「どうやら、有効なようですね」
爆発によって飛び出した弾丸が、M53の肩を貫く。
そこには、ぽっかりと穴が空いていた。
「キサマ……ナニヲ……?」
苦痛に歪められた顔が、カインを睨む。
「それを教えるほど、優しくないです」
1発打ち込むと、M53との距離を一気に離す。
その隙に、杖で作り出した水の塊をぶつけておく。
「チッ……イマイマシイ…!!コノオレヲホンキニサセタナッ!!!」
M53が怒り狂い、カインを殺そうと走り出す。
途端、地面が爆ぜ、M53が消える。
「…速いですね。これじゃ、予測撃ちでも当たらないかな…」
手に構えた銃の、照準を合わせようとするが、速すぎるため定まらない。
「ソウダロウ。ナンセ、オレハソクドモアットウテキニハヤインダ!ニンゲンゴトキガミエルハズガナイ!!」
姿を消したM53の声が、何処からか聞こえてくる。
皆、あたりをキョロキョロするが、見えるはずがない。
「見えてますけどね」
カインがもう一度、引き金を引く。
ドオン!!!
「フッ!オシカッタナ!!」
飛び出した弾丸は、動き回るM53のすぐ横を通り過ぎる。
「ソノスキヲオレニミセタノガ、マチガイダッタナ!!!」
銃の反動で動けないカインの目の前に、現れる。
大きく振り上げた拳が、カインの頭を潰そうとする。
M53は、勝利を確信し、そしてまた、カインも勝利を確信した。
両者、ニヤリと笑った。
拳が触れる、その一歩手前で、動かなくなる。
カインを覆う何かが、M53の拳と拮抗する。
「ナンダ、コレハ…?!」
「ただの、風の幕ですよ。さあ、次はこっちの番です!!」
そう言った瞬間、M53が氷漬けになる。
先ほどまでM53に付けておいた水や、魔法を唱える間に付けた水が、一気に冷やされて、氷となったのだ。
「ナンダト!!コンナモノ…」
「その隙が、命取りでしたね」
不敵な笑みを浮かべ、身動きが取れなくなったM53の顔に、銃を突きつける。
「それじゃあ、さようなら」
「マッ…!」
ドオン!!!
鉄の弾丸が、顔を貫いた。
M53の息が止まり、勝ちを確信する。
「僕らの、勝ちです!!」
「「「うおおおお!!!!!」」」
手を挙げて、勝利を喜ぶ。
歓声が、あたり一体に響き渡った。
「やったな、カイン!流石だぜ!」
「さすがじゃな」
「やるネ」
「ありがとうございます。まあ、結構ギリギリでしたけどね」
「そうなのか?」
「ええ。あれは、半ば賭けだったんです。まず、有効打かどうか。そして、僕を狙うかどうか。最後に、奴の攻撃を受け止められるかどうか。どれか一つでも合わないと、死んでましたかもね」
何でもないことのように言う。
「まあ、勝ったんだから、いいだろ?」
「そうですね」
晴々とした笑みを浮かべる。
「さあ、帰るか!!報告もあるし、みんな疲れただろう!」
「「「はい!!」」」
M53の死体を回収して、彼らは帰路に着いた。
終。
意外と長かった。とりあえず、あと1話で3章は終わり……だと思います




