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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
3 楽しい今と、辛い過去
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「皆、準備は万端だな?」


「「「はい!!」」」


「よし!じゃあ、出発だ!」



14人の王宮魔法使いが、列をなして王宮を出る。



皆、小走り程度の速度で移動する。

ここから離れの村までは30kmほど離れているが、この速度であれば2時間で着きそうであった。




「ところでだが、カイン。なんでそんなにカバンがいっぱいなんだ?」


グレンが、隣を走るカインに問いかける。

風が、小さな体に吹き付け、抵抗してくる。



「ああ、これですか?まあ、主に魔道具が大半を占めてますね」


「魔道具?何でまた急に」


「ルイナに作ってもらったんですよ」


そんな中でも、普段と変わらないように会話をする2人。



「ルイナって…あの人質か?」


「はい」


「へ〜そうなんだな。で、作ってもらった魔道具ってのはどんなんだ?」


「これですね」



カバンから、一本の杖を取り出す。

装飾が全くされておらず、質素だ。



「これは?杖?お前は、杖を持たない主義だったんじゃないのか?」


「いえこれは、杖は杖でも、魔法の火力をあげたり、精度を高めるものではなくて、魔法を撃つものですよ」



ますます、意味がわからず、困惑するグレン。



「はあ?魔法を撃つための魔道具ぅ?意味わからん。魔法を撃つための魔道具なんて、魔法が使えないやつのための魔道具だろ?魔道具が使えるお前が使っても意味がないだろ」


「いえいえ。これは、補助をするためですよ」


「???」


「魔法を撃つために、魔文を唱えなければいけない。でも、その間にも敵は攻めてきます。なら、魔文を唱えている間に、この魔道具で相手を足止めして、その隙に術式を完成させるんです」


「はあ」


ある程度納得はしたものの、完全には納得できていない様子のグレン。



「でも、お前。結構魔文唱えるの早いだろ?そこまでする必要あるのか?」


「万が一に備えてですよ。誰かを守るための努力は、絶対に惜しまないので」


「そうか。それで、実戦で使ったことは?」


「ないに決まってるでしょう?」


「なんで、そこで自信満々なんだよ…」



呆れるグレン。



「仕方ないです。これ、最近作って貰ったばっかりなんで。そんな試す暇なんてなかったんですよ」


「そうかい。まあ、上手く使いこなせるといいな」



そういうと、2人とも口を閉じて走る。






そのまま走ること数十分。

だんだんと目的地が近づき、みんなの顔に緊張が現れる。



残り、1kmほどで、ゆっくりと速度を落としていく。


「よし。もう少しで目的地まで着く。みな、いつでも戦えるようにしておくよう」


「「「了解!!」」」



各々が、杖を取り出しておく。

ピリピリとした雰囲気が、空間に漂う。




「よし!警戒しながら進むぞ!」



グレンの指示に従い、慎重に目的地までの距離を詰める。





残り、300mほどになった頃、目的地の様子が少しずつ明らかになっていく。


「どうだ、カイン?何か見えるか?」


「…ええ……いますね。あの、誰もいない村の中心。積み上げられた死体の上に、やつが佇んでいます」


「そうか。みな、要警戒!」



再び、警戒心を強めて標的に近づく。






標的との距離が、目と鼻の先まで近づいた頃、相手が立ち上がる。



「フム……ツヨイヤツヲツレテキタカ。サテ、ジコショウカイガマダダッタナ。オレノナマエハ、M53。マオウサマカラウミダサレタモノダ」


「魔王様、だと?」


グレンが代表して受け答えする。



「アア、ソウサ。イダイナルマオウサマガコノオレヲツクリアゲテクレタンダ」



魔王に造られたという言葉を聞き、皆んなに不信感が募る。

カインは、じっとM53を観察していた。



「ムダバナシモコレグライニシテ、サッサトハジメヨウカ!!」




M53が叫び、ビリビリと空気が震える。




「シヌキデカカッテコイ!!!オレオタノシマセテミロ!!」

ちなみに、M53は、とあるゲームのキャラクターをもとにして作りました。

ぼう、鳥の実況者の相棒ですね。わかった方はブクマ登録でもしてください。あと評価も

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