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「皆、準備は万端だな?」
「「「はい!!」」」
「よし!じゃあ、出発だ!」
14人の王宮魔法使いが、列をなして王宮を出る。
皆、小走り程度の速度で移動する。
ここから離れの村までは30kmほど離れているが、この速度であれば2時間で着きそうであった。
「ところでだが、カイン。なんでそんなにカバンがいっぱいなんだ?」
グレンが、隣を走るカインに問いかける。
風が、小さな体に吹き付け、抵抗してくる。
「ああ、これですか?まあ、主に魔道具が大半を占めてますね」
「魔道具?何でまた急に」
「ルイナに作ってもらったんですよ」
そんな中でも、普段と変わらないように会話をする2人。
「ルイナって…あの人質か?」
「はい」
「へ〜そうなんだな。で、作ってもらった魔道具ってのはどんなんだ?」
「これですね」
カバンから、一本の杖を取り出す。
装飾が全くされておらず、質素だ。
「これは?杖?お前は、杖を持たない主義だったんじゃないのか?」
「いえこれは、杖は杖でも、魔法の火力をあげたり、精度を高めるものではなくて、魔法を撃つものですよ」
ますます、意味がわからず、困惑するグレン。
「はあ?魔法を撃つための魔道具ぅ?意味わからん。魔法を撃つための魔道具なんて、魔法が使えないやつのための魔道具だろ?魔道具が使えるお前が使っても意味がないだろ」
「いえいえ。これは、補助をするためですよ」
「???」
「魔法を撃つために、魔文を唱えなければいけない。でも、その間にも敵は攻めてきます。なら、魔文を唱えている間に、この魔道具で相手を足止めして、その隙に術式を完成させるんです」
「はあ」
ある程度納得はしたものの、完全には納得できていない様子のグレン。
「でも、お前。結構魔文唱えるの早いだろ?そこまでする必要あるのか?」
「万が一に備えてですよ。誰かを守るための努力は、絶対に惜しまないので」
「そうか。それで、実戦で使ったことは?」
「ないに決まってるでしょう?」
「なんで、そこで自信満々なんだよ…」
呆れるグレン。
「仕方ないです。これ、最近作って貰ったばっかりなんで。そんな試す暇なんてなかったんですよ」
「そうかい。まあ、上手く使いこなせるといいな」
そういうと、2人とも口を閉じて走る。
そのまま走ること数十分。
だんだんと目的地が近づき、みんなの顔に緊張が現れる。
残り、1kmほどで、ゆっくりと速度を落としていく。
「よし。もう少しで目的地まで着く。みな、いつでも戦えるようにしておくよう」
「「「了解!!」」」
各々が、杖を取り出しておく。
ピリピリとした雰囲気が、空間に漂う。
「よし!警戒しながら進むぞ!」
グレンの指示に従い、慎重に目的地までの距離を詰める。
残り、300mほどになった頃、目的地の様子が少しずつ明らかになっていく。
「どうだ、カイン?何か見えるか?」
「…ええ……いますね。あの、誰もいない村の中心。積み上げられた死体の上に、やつが佇んでいます」
「そうか。みな、要警戒!」
再び、警戒心を強めて標的に近づく。
標的との距離が、目と鼻の先まで近づいた頃、相手が立ち上がる。
「フム……ツヨイヤツヲツレテキタカ。サテ、ジコショウカイガマダダッタナ。オレノナマエハ、M53。マオウサマカラウミダサレタモノダ」
「魔王様、だと?」
グレンが代表して受け答えする。
「アア、ソウサ。イダイナルマオウサマガコノオレヲツクリアゲテクレタンダ」
魔王に造られたという言葉を聞き、皆んなに不信感が募る。
カインは、じっとM53を観察していた。
「ムダバナシモコレグライニシテ、サッサトハジメヨウカ!!」
M53が叫び、ビリビリと空気が震える。
「シヌキデカカッテコイ!!!オレオタノシマセテミロ!!」
ちなみに、M53は、とあるゲームのキャラクターをもとにして作りました。
ぼう、鳥の実況者の相棒ですね。わかった方はブクマ登録でもしてください。あと評価も




