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ルイナが倒れた日から数日が経ち、いつも通りの日々を過ごしていた。
見回りから帰ったカインは、自室にルイナがいないことを確認して、魔道具を作る部屋の扉を開けた。
「…何してるんですか?」
案の定、そこには先日ぶっ倒れたルイナが、よくわからない魔道具をまじまじと眺めていた。
「ん?何って、前作った魔道具の調整だけど?」
「……もう少し、安静にしていたらどうなんですか?まだ、本調子じゃないんですよね?」
「だいじょうぶだって。心配しすぎじゃない?」
「心配するんですよ、こっちは」
ため息を吐きながら、椅子に座る。
「ほんとに、大丈夫なんですか?」
「たぶん」
「………はぁ………」
再び呆れて、ため息を吐く。
「…それで、なんなんですか、それは?」
話を、ルイナが持っているものに切り替える。
「ん?これ?」
「そう、それですよ。いつ作ったんですか?それに、何のために作ったんですか?」
「え〜っとね、作ったのは、カイン君と作ったあれを作る前。で、何のためかっていうのは、面白そうだったから」
「……はぁ?それだけの理由で作ったんですか?」
「うん。まあ、あとは護身用かな」
手に持った魔道具を、クルクルと回す。
「……どんな魔道具なんですか?」
「え〜っと…、確かケイユーブ国で作られた新しい兵器を、魔道具で再現してみた物」
「ケイユーブ?ああ、あの科学が発展してる国ですか」
ケイユーブ国。それは、ここプランタジネット国と同じく、魔族の侵攻を防ぐ城壁を持った国。他国と比べて、高い科学技術があり、さまざまな兵器を作り出し、魔族に対抗している。
プランタジネット国ではたまに、他国からの商品が市場に流れ込むのだ。
「確かそう。で、どんなことができるかっていうのは、鉄を撃ち出せるんだって」
「………???………」
「で、あっちの国では、”銃“って呼ぶらしいよ」
「………はぁ…そうなんですか……」
ルイナの説明がよくわからず、困惑するカイン。
「それって、強いんですか?」
「さあ?詳しくはわかんない。この前市場で見かけて、仕組みとかちらっとみただけだからさ。でも、強いんじゃない?」
「…適当ですね」
「あ、そうだ。これ、弾をぶっ飛ばすために魔法を使ってるんだけどさ、ちょっとみてくれない?」
渡された紙に書かれた魔文を読む。
「ふ〜む……普通の、爆発系の魔法ですか」
「そう。とりあえずで入れてみたんだけど、もっと火力を上げれないかな〜って思って。できる?カイン君?」
「余裕ですよ。なんせ、この魔法には無駄が多いですから」
余裕の笑みを浮かべるカイン。
「無駄?」
「そうです。これ、要するに、筒の中に弾を入れて、爆発を起こして吹っ飛ばすってことですよね?」
「うん。そうだと思う」
「なら、この魔法に精度なんていらないんですよ。火力だけに振り切ってしまえばいいんです」
不敵な笑みを浮かべながら、新しい魔文を書き出す。
「こうしてしまえばいんです。精度なんてクソ喰らえです」
「…なんで、こんな魔法作ったの?」
「…昔、火力だけを求めた魔文を作ろうとしてた時期があったんです。その時期に作ったはいいけど、精度がゴミすぎて、的に全く当たらなかったから捨てたんですが、まさか役に立つ時が来るとは」
「ふ〜ん、まあそうお年頃だったてことね。早速、入れてみる」
早速、銃から魔文が書いてある金属板を取り出して、新しく書き直していく。
ジリリリリリ!!!
突然、カインがつけていた腕輪から、けたましいサイレンが鳴り響く。
「……何ですかね?魔族ですかね?」
耳元に近づける。
『あ、あ〜。こちら、ヘンリー。少し問題が発生したため、至急、会議室に集まるように』
それだけを伝えると、ブツッと無線を切る。
「……なんですかね?」
その様子を不審に思うカイン。
「早く行ってこれば?なんか問題がありそうだしね」
魔文の変更をしながら、視線を向けず、カインにいくよう促す。
「分かりました。ルイナも、ほどほどのしてくださいね」
「わかってるって。行ってらっしゃい」
部屋を出て、会議室目掛けて、小走りで移動し始めた。
****
「みな、集まったようじゃな。それでは、緊急会議を始めるぞ」
集まった者たちは、何も聞かされていないため、不思議に思いつつも聞く。
「単刀直入に言う。不思議な生物が生まれた。それの対処をどうするかについて、話すために読んだ」
「不思議な生物、とは?」
ゲシンが、皆の疑問を代表して問う。
「見たものの話によると、4速歩行で紅い皮膚、2対の翼を持った異形だそうじゃ」
皆、まるで意味がわからず、困惑する一方だ。
「何ですか、その生き物は。どこから現れたんですか?」
「分からん。じゃが、今そんなことはどうでもいい。誰が、そいつを倒しにいくかじゃ」
「冒険者ギルドは、誰か冒険者を送ったんですか?」
「そうらしい。だが、大きな傷を負って、命からがら帰ってきんだとか。それほど、敵は強大らしい。あそこで、1番の実力者を送ったそうだが、ダメだったそうじゃ」
「ふむ……そうなんですか……」
「その冒険者曰く、敵はあり得ない速度で動き回り、その拳は何もかもを砕くらしい」
信じられないとばかりに、皆の顔にはが浮かび上がる。
「それで、誰が行くかですか…」
「うむ。敵の強さは、あまりよくわかっておらん。じゃから、2班ほど行ってもらう」
「…なるほど。分かりました」
「それでどうする?俺と、カインの班で行くか?」
グレンがそう提案する。
「うむ…そうじゃな。どちらにもまともな者はあった方が安心じゃしな」
「…それって、私がまともじゃないってこと?」
メザリーが不服そうに呟く。
「そうだろ…」「そうだな」「そうですね」
準筆頭の三者が、同時に呟く。
「カイン。あんたには言われたくないね」
「じゃあ、それでいいな?俺とメザリーが、巡回。カインとグレンが敵の対処」
「わかった」「分かりました」「…わかったわ」
「で、いいですかね?ヘンリー様」
最終決定するべく、ヘンリーに許可をもらう。
「うむ。頼んだぞ、皆の者」
「「「はっ!!!」」」
ヘンリーの声に、威勢よく答える。
窓から入り込んでくる太陽の光が、雲に遮られ、部屋の明かりさを暗くしていた。
祝40。
新規の人はどれくらいいるんですかね?できるだけ早くブクマを10にしたいけどできません。
明日は2本かも




