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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
3 楽しい今と、辛い過去
39/92

新たな敵

ちょっと荒いです。

さっき書いたので。

とある離れの村。


朝、いつも通りに畑を耕しにいく男たち。

いつもと変わらない畦道を進む彼らの目に、不審な何かが映る。



「ん?なんだあれ?」


「でかい蚊か?」


「季節的に、蚊はいないだろ」


「じゃあ、なんなんだよ?」


「う〜ん…変異した蚊?」


「やっぱり蚊じゃねえか!」



ガハハと、笑い合う男たち。



紅い色の大きな蚊は、男たちをじっと見つめている。




「まあ、なんでもなさそ…」


最後尾にいた男が放った言葉は、半ばで途切れる。



「あ?どうし…た………」


不審に思い、振り返る。



そこでは、紅い蚊が男の首筋に針を刺し、血液をじゅうじゅうと吸い込んでいるところだった。

ありえない量の血液を、一気に吸い込んでいる。



「…な、なんだよこいつ!?」


「…とりあえず、そいつを殺せ!!」



紅い蚊に1番近い男が、手に持っていた鍬を、蚊に向けて振るう。



普段から畑を耕しているため、そこそこの速さで振るわれた鍬は、蚊を潰す、そう思われた。



しかし触れる瞬間、蚊の姿がぶれ、消えていた。


「なっ!!どこ行きやがった?!」


辺りをキョロキョロと見渡す。




「ココダゾ」


耳元で聞こえるカタコトの言葉。

恐る恐る、振り返ったそこには、紅い蚊が音を出さずに飛んでいた。



ブスッ!!



男の首筋に、針が突き立てられる。

そして、また、血が吸われ始める。



じゅうじゅう



蚊が、血を吸う音のみが聞こえる。




「…に、逃げろ!!!俺たちには、絶対勝てない!!!」


リーダーらしき男の声で、一気に逃げ出す男たち。



幸いにも、蚊は血を吸うことに夢中だったようで、追ってこなかった。





「なんなんだよ、あいつ…」


男がポツリと呟いた言葉には、焦り、恐怖、焦燥など、さまざまな感情が混じっていた。


****



「それで、俺らに依頼が回ってきたってことだな!」


「ああ、そうみたいだね」


「でも、所詮蚊だろ?そこまで強くないだろ」


「いや、色々話を聞いたみたいだが、結構やばいらしい。ありえない速さ、そして人語を話すらしい。俺たちの力が必要なんだろう」


「意味がわからん。人語を話す蚊?」


「どちらにせよ、私たちの仕事はそいつを殺すこと」



3人組の、男女。

大きな盾を持った男、ワディ。2本の剣を持つ男、ヒュウイ。とんがり帽子を被り、杖を持つ女、セキ。

彼らは冒険者と呼ばれる職業に就いてるもので、主に害獣の排除などを担っている。



そんな彼らが、離れの村まで来た理由。それは、例の紅い蚊を倒すためだ。



「あまり、楽観視しない方がいいと思う」


「そうね。いざとなったら戦略的撤退よ」


「わかってる。さあ、そろそろ見えてくるぞ」



各々の武器を構える。



だんだんと、見えてくる。

そこは、村だったところ。今は、人っ気が全く感じられない。



「あそこだ…!」


剣を持つ男が、指差す。

そこには、村民だった者の死骸の山。


どれもこれも、ミイラのような見た目になっている。



その上に、転がっている紅い蚊。



「なんだ…?死んでる?」



一歩一歩慎重に進む。

蚊との距離は、あと少し。



そこで、変化が起こる。


突然、紅い蚊の体が、ボコボコと膨れ上がる。

そして、皮が破れる。




そこから現れたのは、全身を紅い皮膚で覆った、四足歩行の蚊。

成人男性でも見上げなくてはいけないほどの大きさ。



「フム……ナカナカ、ベンリダナ」


蚊は、自分の手を閉じたり開いたりする。



「しゃべった…!警戒体制!」


「フム。オマエラハナカナカ、ホネガアリソウダナ」



蚊が、動き出す。




ドン!




飛び出した蚊は、足場にしていた死骸の山を吹き飛ばし、突っ込んでくる。



「…危ねぇ!ぼさっとするな!」


ワディが盾で、蚊の突進を受け取める。結構ギリギリだ。



「…ああ!すまない!」


盾で受け止められ動きを止めた蚊を、切り裂くため、ヒュウイが動く。



魔法で、脚力を一気に高め、距離を一気に詰める。



そのまま、剣を振るう。


ガギイン!!



「…はっ?!硬った!!」


「ナカナカダナ。ダガ、マダマダダ!」



逆に、動けなくなったヒュウイに、拳が振るわれる。



ドゴオオン!!!



「いってぇ……くっそ」

咄嗟に、魔法で作り出した壁は、あっさりと壊され、モロに喰らう。



「今回復する!」


「ああ、ありがとう」


セキの魔法によって傷が、一気に治り、再び立ち上がる。




「フム、マダタチムカウカ。ソノユウキ、ホメテツカワス」


「ふん!敵には褒められたくないな!」



ワディが、他の者たちと同じ戦線まで下がる。


「…どうする?撤退するか?」


「いや、1発だけぶち込んでみて、無理そうだったら逃げよう。セキは、動きを少し封じてくれ」


「わかったわ」

「了解!」


武器を構え直す。



「サクセンカイギハオワリカ?デハ、イカセテモラウ!!」



蚊が、ありえない速度で突っ込んでくる。



『雷の神よ、我が願いを叶えたまへ。視界を白く変える光をここに。閃光(フラッシュ)!!』


蚊の目の前に、光の玉ができたと思うと、弾け、辺りを白くする。



「ナッ!」


「オラッ!」


怯むのと同時に、ワディが盾を使ってタックルする。



「やれ!!ヒュウイ!!!!」



白い光を放つ剣。

雷の魔法を剣に纏わせたのだ。



「喰らえっ!!!!」



思いっきり振り上げた剣が、怯んだ蚊を切り裂く。




「どうだ?!」



蚊の皮膚が切れ、血が出ている。



「ナカナカダナ……オモッタヨリモ、ツヨイ」


自身の血を手で拭い、まじまじと見つめる。


「ダガ、ソノテイド。オレヲタオスニハタリン」




ブオン!!!




「ヒュウイっ!!!!」


音速にも匹敵するほどの速さの拳をモロに受け、吹っ飛ばされる。



「……ちっ!撤退だ!!」


「サセルワケナイダロ?」


一気に、ワディとの距離を詰める。



「フキトベ」



ドン!!!



威力に耐えきれず、ワディの盾が壊れ、吹っ飛ぶ。



「ワディ!ヒュウイ!」


「アトハ、オマエダ!」



少し離れた場所にいたセキに近づき、拳を振るう。



当たる直前、セキはニヤリと笑う。



ブオン!!!


先ほどと代わりない速さの拳は、セキの頭をぐしゃぐしゃに潰すかと思われた。

しかし、当たる直前、セキと、その近くに吹っ飛ばされたワディ、ヒュウイが消える。



「…ニゲタカ。マアイイ……ニクタイハホボカンセイダ…!」


1人になった異形の紅い蚊は、叫ぶ。

ビリビリと、空気を揺らす。





「何よあいつ……バケモンじゃん…」


「助かった、セキ。ありがとう…」


「…ヒュウイも、無事でよかった。たまたま、近くに吹っ飛ばしてくれて助かったわ」


「…多分、狙ったんじゃないかな?動きを封じるために」


「相手より、こっちの方がちょっとだけ運が良かったわ……少し回復させたら帰りましょう。あれは、私たちじゃ無理だわ」


「そうだな…」


意識を失ったワディをヒュウイが抱えて、歩き出した。


一刻も早く、あの場所から。あの異形の紅い蚊から逃げるために。


ふいいい……疲れました。

明日は一本だと思います。感想、待ってます。あとブクマ登録と評価

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