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「これで、大体必要な物は揃ったかな?」
ある程度買い物を済ませた2人は、紙袋を手分けして持つ。
「そうね。これだけあれば十分だと思うよ」
「それじゃあ、そろそろ帰る?」
「あ、最後に孤児院によっていい?」
「いいですよ。案内は頼みましたよ?」
「任せて!ちゃんと覚えてるからね!」
自信満々のルイナ。
なぜか、心配になるカインだった。
ルイナの案内で、孤児院を目指して歩く。
数十分歩いた頃、ルイナの顔に疑問が浮かぶ様になってくる。
さらに数分歩いた頃には、暑くないにもかかわらず、額から汗が流れ出してきた。
「……ルイナ……迷ってるね?」
「……ごめん……孤児院の近くの場所なら分かるんだけど、ざっくりとした場所はわかってなくて……」
「ですよね」
やっぱり、と呆れるカイン。ルイナは若干涙目だ。
「さて、どうするかな……」
「……こんな時に、高い場所から見れたらいいんだけどね…」
「ああ、それです!それが答えですね!」
ポンと、手を叩くカイン。
「え?」
「飛びましょう。魔法で」
「本気で言ってる?」
「至って真剣です」
本気の顔のカイン。冗談を言っている訳ではないと感じ取ったルイナ。
「いやいや、流石になしでしょ?落ちたら危ないよ?」
「大丈夫です。飛ぶと言っても屋根の上までです。そこから眺めれば、なにかわかるかもしれません」
「なるほどね…。けど、ここで魔法を使ったら、他の人の迷惑じゃない?」
「わかってますよ。ちょっと移動しましょうか」
今度は、カインがルイナの手を引く。
やってきたのは、家と家の間の路地。薄暗く、ジメジメしていて不気味だ。
「さて、ここなら迷惑にはならないでしょう」
「まあ、そうね…」
「じゃあ、今から飛ぶので荷物を掴んでてください」
そう言うと、カインはルイナをお姫様抱っこで抱える。
『万物を操る神よ、僕の願いを叶えたまへ。僕の一部の器官の能力を、僕が望む出力に。部分身体強化』
魔法を発動させ、グッと身を屈める。
「さあ、飛びますよっ!」
伸縮させた体を一気に伸ばして、飛び上がる。
ビュン!
地面との距離がぐんぐんと離れていく。
「わあ!すごいすごい!」
「しっかり掴んでてください!」
おもわずはしゃぎそうになるルイナだったが、カインに怒られて大人しくなる。
「よしっ、到着」
スタッと、軽やかに屋根に着地する。
「さて、ここからなら何かわかりますか?」
家は3階建ほどの大きさで、かなり遠くまで見渡せる。
「う〜ん………」
そこから見える景色の中から、自分が知っている場所を探し出そうとする。
「そういえば、孤児院ってどっち側にあるんですか?」
「王宮から見たら……多分右側だね……」
目を細めて、遠くを見ようとするルイナ。
「あ、あそこ!」
ルイナが遠く離れた場所を指差す。
「あそこの辺りですか。遠いですね…」
そこまでは、約3kmほどの距離がある。
「う〜ん…まあ、歩いて行こっか」
「……飛んだ方が楽じゃない?」
「危ないでしょ!それに、まだまだ時間はあるでしょ?」
ーーーまあ、そんなに焦らなくてもいいですね…
「そうですね。じゃあ、降りましょうか」
カインの魔法を使って高所から一気に飛び降り、目的地に向かって歩き出した。
2本出します。
ちょっとマンネリ化してるかも…




