表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
2 人を守る仕事
22/92

22

ちょいと長め

「よくやったぞカイン。あとはわしに任せておけ」


「僕も殺したいんですけど…」



不満そうに呟くカイン。


「今回は譲ってくれんかのう」


「…分かりました。じゃあ、戻ってますので、お気をつけて」




それだけ言うと、カインは魔族たちに背を向ける。



「さあ、行きましょうか」


人質の少女ににっこりと笑い、転移を発動させて消える。





「さて、これで不安要素は無くなったわい。主ら、覚悟せい」


気迫のこもった声を発する。

その声を聞いただけで、魔族たちの体からは汗が流れ、恐怖を覚える。




「ははっ!面白えじゃねえか!」


デギだけは違い、強者と戦えることに興奮していた。



「わしらの大切な国民を人質に取った。それ相応の罪を償ってもらうぞ!」


そう言い、杖を取り出した。



『水の神よ、我が願いを叶えたまへ。ここに、地を濡らし、人を濡らす雨を。恵みの(ブレッスドレイン)


魔法が発動し、あたり一帯を濡らす、大粒の雨が降り始める。




「おいおい…そんなしょぼい魔法しか撃てないのか?期待はずれだぜ!」



落胆しながらも、警戒しつつ、突撃するデギ。


残像が残るほどの速さで、一気に距離を詰める。




他の魔族たちも、ヘンリーを殺すべく、デギの後に続く。




「そんなに焦るでない。さっき準備が終わったところじゃ」



そう言うと、再び魔文を唱える。



『万物を操る神よ、我が願いを叶えたまへ。対象の温度を、どこまでも低く。物質冷却(マテリアルクーリング)




発動した瞬間、ヘンリーを中心としたあたりの水が凍りつく。




「なっ!」



全身を濡らしていたデギたちは、体を氷で覆われることになり、一瞬だが身動きが取れなくなり、転倒する。



かなりの速度で走っていたので、頭から倒れる。



「ほらほら、どうじゃ?地面にひれ伏せる気持ちは」


「テメェ…!絶対殺す!」



すぐさま、体に纏わり付いている氷を割り、立ち上がる。



ーーー幸いにも、水を氷にさせる魔法は常時発動しているわけではなさそうだな…。なら、今のうちに一気に…!


そう考え、動き出そうとする。




しかし、相手の方が早かった。


『万物を操る神よ、我が願いを叶えたまへ。物質の性質を我が望む物に。性質変化(チェンジインネイチャー)


魔法が発動し、内容に沿ってその現象を引き起こす。



ーーーなんの魔法だ?さっきのとは違う。だが、何も起こらない…チャンスだ!


魔法が発動したにも関わらず、何も起こっていない事に困惑したが、すぐに好奇と捉え走り出す。







10m……9m……8m……



徐々に、ヘンリーとの距離がつまっていく。




7m………6m………5m………



ーーー不発だったのか?何はともあれ、これで決め切る!





4m…………3m…………………2m……………………



近づけば近づくほど、ヘンリーとの距離の縮まり方が小さくなっていく。


ーーー何故だ?俺は本気で走ってるはずだ!何故縮まらない!





1m………………………………それ以上縮まることはなかった。





「え?」


気づいた時には、デギは地面に屈していた。




「ふむ、ここまで痛覚が鈍いやつは初めてじゃな。馬鹿だと、効きにくいのかのう」


頭上から声が聞こえてくる。



体を上げようとするが、うまくいかない。



「お前……何をした?」


「水の性質を変化させただけじゃよ」


「どういう、事だ?」




デギは何を言っているか理解できていなかった。



「簡単じゃよ。水を酸性にさせたんじゃ」



デギは自分の体を見ている。


服が溶け、その下では皮膚、そしてそこから見える筋肉、そして肉までもが溶けていた。




「ぎゃぁぁぁぁ!!!!」




思い出したかのように、痛みが全身を襲う。


「今更じゃな………ま、そう言う事じゃ。主はもう動けん」



後ろを振り返ると、他のものが痛みに悶えていた。



「さて、主が死ぬにはまだ早い。もう少し苦痛を味わってもらわんとな」


「ひっ…や、やめてください!人質で脅そうってしたのは、あいつなんです!」

死体の主将を指すデギ。




惨めな言い訳。


「で?だからなんじゃ?」


「全ての責任はあいつにあるんです!」



それを聞き、呆れるヘンリー。


「だからなんじゃ?わしらの仕事は、国民を守る事。じゃから、国民の脅威となる分際は排除せねばならん」


「やめ、やめてください!」



後ずさるデギ。



その速度に合わせるようにヘンリーは前に出る。



「さて、言い残すことはないな?」


「やめてください!お願いします!なんでもしますから!」


「じゃあ、死ね」




ザン!

ドスッ、ゴロリ。




ヘンリーが放った風の鎌が、デギの首を刎ねた。

あと少しで2章は終わります。

もしかしたら、10時とかに出されてるかも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ