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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
2 人を守る仕事
19/92

19

改変しました



魔族との戦いから数日、プランタジネットではいつもと変わらない平和が訪れていた。




「カインさん、これはどうですか?」


「ふむ…精度を上げる代わりに、火力を下げたって感じですか…使い所によりますね…」


「じゃあ、こんな感じに…」



王宮にあるカインの自室では、ディネとカインが魔文の開発に勤しんでいた。


魔族の侵略の後、ディネは毎日のようにカインの元へと通っている。見回りの時間以外は、ずっと部屋にこもっている2人。



ディネは若干、ノイローゼになっていた。

魔文開発は、1人でやるよりは効率は上がりはしたものの、十分な成果は挙げられなかったからだ。



「…カインさん…そろそろ休みませんか?」


「もうですか?まだまだ、巡回までには時間があります。こんなところでへばってるわけにはいきません」


「いや…もう、結構限界なんだが…」



その言葉を残すと、ディネは倒れ込む。




「…そういえば、もう朝ですか。う〜ん、僕もそろそろ休みますかね…」


そういうとカインはベッドに飛び込み、すぐに眠りについた。




ジリリリリリリッ!!!!


「……んあ?なんですかね…?」


眠たい目を擦りながら辺りをキョロキョロと見回す。



音は、手につけていた腕輪から鳴っていた。


「ほら、ディネさん、起きてください。なんか鳴ってますよ」


「…ん…」


ディネも起き上がり、目を覚ます。



『こちら、第3班、メザリー。再び、魔族が来た。数は……5……』


「…はぁ?何言ってるんだ?」


「ちょっと待ってください、続きを聞きましょう」


続きの言葉を待つように言う。



『………そして…………奴らが、幼子を人質にしている………』




言い淀んだメザリーから告げられた言葉は意外なものだった。


『…こちら、ゲシン。それは、本当か?』


『ああ、にわかに信じられないが……確かに1人いる……』


『…奴らの要求は…?』



『………ここで、1番強い者の…死だ』



通話を聞いていた者が皆、息を呑んだ。



『…一度会議室に集まろう。ヘンリー様も聞こえてますよね?』


『もちろんじゃ。すぐ行く』



通話が切れ、腕輪はうんともすんとも言わなくなった。




「…ですって、カインさん。行きましょうか」


「……ええ、ええそうですね」



2人は会議室へと走る。



****



数分後、会議室に王宮魔法使いたちが集まっていた。



「さて、緊急会議を始める。とは言っても、殆ど結論は出ているもんじゃがな」


その場の空気はピリピリとしていた。




「相手の要求は、ここで1番強い者の死。すなわち、わしが行って死んでこれば、幼子は解放されるはずじゃ」


「そんな!ヘンリー様が行く必要なんてないんです!俺が行きます」


「ゲシン、その言葉は嬉しいんじゃが、奴らが求めているのは1番強い者じゃ。わしが行くしかあるまい。それに、わしはもう歳じゃ。老齢であるわしが死んでも、そこまで痛手ではないじゃろ?」


「そんなことないです!ヘンリー様がいなくなったら、俺たちだけで国民を守れるか…」


「そんなに遜色せんでええ。それに、わしらの目的は国民の安全を守ることじゃろ?その為には、わしが犠牲になってもいいと思っておる」



全員が押し黙る。



「分かりました。けど、僕たちは絶対に諦めませんからね。どちらも助かることに越した事はないですからね」


「もちろんじゃよ。わしもぬけぬけと死に行くわけないわい。人質の安全が保障されたら、奴らは絶対に殺せ」


「わかってます」



カインの言葉に皆が肯定を示す。その様を満足そうにヘンリーは眺めていた。



「さて、行ってくる。主らは城壁にて待っておれ」



それだけ言い残すと、ヘンリーは去っていった。






「…カイン…お前はこれでいいのか?」


「良くないですよ。……僕は敗北なんて絶対認めません。完全勝利しか認めない主義なので。さあ、行きますよ、ディネ」



それだけ言い残すと、カインはディネを連れて、自室に戻っていった。







がんばります。

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― 新着の感想 ―
拝読しました! カイン君頑張ってますね! これからも応援します! が・ん・ば・れ・ー!\(*⌒0⌒)♪
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