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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
2 人を守る仕事
18/92

18

改変しました

「へ〜カインの班の奴、なかなかやるじゃん。特にあの爺さんと、白髪の女が特にいいね」


「そうでしょう?ファインさんも昔と遜色ないぐらい強いですね。流石、“拳のファイン”と呼ばれていただけありますね」



魔法で直接攻撃せず、自身の身体能力を上げて、殴り殺す。その攻撃方法から、彼は拳のファインと呼ばれていたのだ。



「てかあの女、レザリー?」


「そうですけど?それがどうかしましたか?」


「やっぱそうだよね……あいつ、私の唯一の友達なんだよね」



布が巻かれたその顔は、レザリーをじっと見ていた。



「元気そうで何よりだよ…………あいつ、結構ヤバめの過去があってね。大丈夫かと思ったけど、もう良さそうだね」


「ヤバめの過去とは?」


「世の中には聞かない方がいいこともあるんだよ」



それだけを言うと、再び魔族を見る。


形勢はカイン側が優勢だった。

レザリーが集団を潰し、ファインが個人を潰すことで、大きな被害を出さずに一方的な攻勢を繰り広げられていた。





「……チッ!!全員、撤退!!!」


主将は勝ち目がないと見て、大音量で撤退を伝える。


その声を聞いた者が、一目散に逃げ出す。戦っていた者もあっさりと逃亡を始めた。

城壁に群がっていた者も去っていく。




「撤退ですか……意外とあっさり引くんですね」


「ふむ……不思議だな……。普段は全滅になるぐらいまで攻めてくるんだがな…」


2人はその様を不思議そうに眺めていた。




「まあ、守り切ったんですし十分ですね!」


「そうだな。さあ、帰ろうか。これから報告が待ってる」


「うげ…面倒ですね…。ファインさんが全てやってくれないかな…」



嫌そうな顔をしながら戻るカインと、メザリー。その先では鬼が待っていることを知らずに、楽しそうに談笑しながら歩いていった。







「馬鹿かお前らは!!ちょっとは考えて動け!!大体…」


戻ったカインたちには雷が落ち、その後、数時間は説教が続いた。




****


「…なんだよ、あいつら!あんな強いとか聞いてないぞ!」


「主将…仕方ないですよ、あれは。規格外です。俺らが勝てる相手じゃなかった。ハズレくじを引かされたんです」


「そうは言ってもなあ!!」


撤退しながら愚痴を吐き続ける男達。

異常なのはその移動する速度と、見た目だ。


人ではない、魔族であるのは確かだった。



「…くっそ…このまま帰っても、魔王様に殺されるだけだ…!なんとかしないと…」


「ちょっと、主将〜ダメダメだったじゃねえかよ。俺が仕事してる間に何してんだよ」


「お前は黙ってろ!!こっちの苦労も知らず!」



1人のチャラそうな男がどこからともなく現れ、主将に文句を言う。

その態度は、目上の人に対する態度ではなかった。



「ああ?1匹も殺せねえやつが何ごちゃごちゃ抜かしてんだよ」


「黙れ、デギ!それよりもだ、お前の方は上手くいったんだろうな?」



デギと呼ばれた男は何処からともなく、1人の子供を引っ張り出した。

その者は、目隠しをつけられ手足を縛られて、身動きが取れない状態になっていた。



「ほらよ。約束通り、適当な子供だろ?とっ捕まえて来たぞ」


「ほう…よくやった。褒めて遣わす」



主将の目が大きく見開かれ、顔が邪悪に歪む。



「で、そいつをどうするんだよ?」



子供を、主将に引き渡すデギ。

子供は暴れるが抵抗も虚しく、縄を千切るとまではいかない。



「決まってるだろ?人質にして、1番強いやつの死と交換するんだ。あいつらにとって、国民は守るべき対象!そんなやつを放っておくわけないだろう」


「お前、結構やばいな。魔族の俺が言えたことじゃないが」


「ふん、どうとでも言え。最後に勝つのは俺たちだ…!」



目は細められ、口角が目元まで上がり、その顔は勝利を確信していた。


デギは呆れ顔でその様子を見ていた。




「ま、俺は強いやつとやれればいいけど」



その顔は不敵に笑っていた。

多分、7時にもう一本

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