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改変しました
「わしも、少しは働くかのう……十分じゃと思うが…」
杖を取り出し、魔文を唱え始める。
『万物を操る神よ、我が願いを叶えたまへ。我が肉体を、望む出力まで。身体強化』
魔文が完成し、魔法が発動する。
しかし、火の球が作られたり、嵐が出来上がりはしなかった。
それを見かねた魔族の1人が、ファイン目掛けて走り出す。
人の走る速さを、遥かに凌駕した速度でファインとの距離を詰め、槍を突き刺した。
もらったッ!!!
魔族の男がそう確信し、槍が腹部へと吸い込まれ、
砕けた。
ファインの皮膚を貫き、穴を開けるはずだった槍が。
「どうしたんじゃ?隙だらけじゃぞ」
唖然としていた魔族の男は、ファインの言葉で我に帰り、距離を取ろうとする。
しかし、それは幾分か遅かった。
見た目からは考えられないほどの握力で頭を鷲掴みにされ、魔族の頭がへこみ始める。
「次はこっちの番じゃ!!心して受けよッ!!!」
腰をずっしりと鎮め、下半身でエネルギー生み出したエネルギーを拳にため、
放つ。
音をも置き去りにし、放たれた。
ファインの拳は、魔族の頭を粉砕し、辺りに残骸を撒き散らし、頭を失った体は重力に従うまま倒れ込む。
「ふん!弱っちいガキじゃったな。さて…苦戦しとるやつの手助けでもするかのう」
そういい、地面が爆ぜるほど踏み込み、一気に加速して走り出すファイン。
その顔は不敵に笑っていた。
こうして、戦場を荒らす二つの悪魔が現れた。
うん