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見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
2 人を守る仕事
16/92

16

改変しました


「あっはははははっ!!!」


「うおっ、びっくりするじゃないか。君はそんなに情緒が不安定だったかな?」


「いやいや、こんな光景見て笑わない人なんていないでしょ」


「うーん、ちょっと目が塞がっててわかんない」



狂ったように笑うカイン。その様子にメザリーはギョッとし、すっとぼける。




「……ちいと、主らは速すぎんか?」


「もう少し、ワタシ達の分も残していて欲しかったネ」


「ははっ、早い者勝ちですよ。結構スッキリしましたね」


後から来たファインとレザリーは、カインの様子にドン引きしつつ、獲物がいなくなったことに残念がる。

こんな大災害を起こした本人は、愉悦に浸っていた。




「っ、怯むな!進め!!飛べるものは、城壁に向かえ!!生きている者は突撃ッ!!!仲間の死を無駄にするなッ!!!!後方部隊は、魔法で援護だ!!」


中隊の主将は負けじと、突撃を命令する。



その怒号に釣られ、たじろいでいた魔族たちが再び突撃を始める。



飛んでいた者たちは、今度こそ、撃ち落とされまいと飛ぶ高度を上げ城壁を越えようとする。

それに対抗するようにメザリーとカインの班の者がやって来て、自身の得意な魔法を魔族相手に放ちはじめた。


放たれる一発一発が、的確に敵を撃ち落として行く。

高度を上げたことで距離が空き、さらに戦況は悪化する。

数では負けているが、強さでは負けていなかった。






「…どうやら、まだまだ戦うつもりのようだネ。ワタシも働かないと、文句を言われそうダ」


そういうと、レザリーは杖を取り出し、魔文を唱え始めた。



『土の神よ、ワタシの願いを叶えたまヘ。奴らを殺す、命令に忠実な無機質の人形をここニ。土の人形(クレイドール)



「来イ」

そして、謎のデコボコした球体を放り投げる。



途端、球体に地面の土が纏わりつき、人の形を模っていく。

一瞬にして人の背を軽く凌駕するほどの高さ、大きさの、無機質な土の人形が出来上がった。



「やレ」



右手を振るう。そして人形が動き始める。

頭に二つの光が灯った。



「叩き潰セ」



手を上から下に。

連動するように人形の腕が持ち上がり、眼前まで迫っていた魔族目掛け、振り下ろされた。



そして、命が無くなった。



肉が潰れ、血が地面を濡らしていく。

そこには、かろうじて魔族がいたであろう外見が残っていた。




「暴れロ」




その一言で人形は命令に忠実に動き、魔族たちに死をばら撒いていった。一切の感情は見られない。

うん

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