表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見た目騙しの魔法使い  作者: 積む摘む
2 人を守る仕事
15/92

15

改変終いsた

自らを一つの弾丸へと変え、一気に城壁から飛び出すカイン。

一瞬にして目標まで近づき、並走を始める。



「お久しぶりですね!メザリーさん!」


「ん?おお!誰かと思えば、カインじゃないか!久しぶり!」



メザリーと呼ばれた女は、長い紫の髪を纏めずそのまま流して、ゴシックドレスを着てヒールを履いており、些か戦闘には向かない格好をしていた。さらに異端なのが、眼を布で覆い被しており、前が見えなさそうだ。

それでも、飛んできたものがカインだと判別しており、どうにかして見えているようだった。



びゅうびゅうと風が抵抗してくる中、声を張り上げて会話する2人。


時速60kmほどの速度で走る2人。どちらも軽いジョギングのような感覚で走っていた。



「ずるいですよ!抜け駆けなんて!!」


「ははっ!早い者勝ちなんだな、コレが!それより、部下は連れてこなくても良かったのかな?」


「メザリーさんを放置してたら、出番を奪われますからね!それに、僕の班のものは優秀ですからね!すぐにきてくれます!」


「その言い方だと、私の班の者が出来ないみたいな言い方じゃないか!?まあ、そろそろだぞ、準備を始めましょうか!」




途端、2人は一気にスピードを落とし、立ち止まる。すでに、魔族との距離は50mを切っていた。



「さあ、先手必勝!ぶっ放す準備はできてるかい?」


「もちろん!メザリーさんこそ大丈夫なんですか?」


「ふふっ、あまり舐めないでほしいね。バッチリだよ」


「相手も油断しているでしょうし、痛手を負わせるなら今ですね!それじゃあ、行きましょうか!」




相手である魔族は謎の2人の人物に警戒を抱き、塊となって相手の出方を伺っている。

それが間違いであることに気づくのにそう長くはかからない。



カインは手を突き出し、メザリーは何処からか、紫色の宝石が取り付けられた杖を取り出し、構えていた。




「突撃ッ!!!」



その様に嫌な予感を覚えた中隊の主将が叫び、空を、陸を駆ける始める。



しかしそれは遅かった、とても。



『雷の神よ、私の願いを叶えたまへ。対象の動きを封じる電流の領域をここに。電流の(スワップオブカレント)



魔文が唱えられ、魔族の足元に電流が走り回る地面が作りだされ、縦横無尽に走り回る電気が、触れるその対象を麻痺させていく。

一瞬にして、前方部隊は身動きが取れなくなった。




「ッ!!…


『風の神よ、僕の願いを叶えたまへ。全てを吹き飛ばす嵐をここに。混沌の(ストームオブカオス)



何かを、主将が叫ぶ前。

全てを取り込み、暴れ回る嵐が、戦場を駆け巡った。




それが、体が麻痺して動けない魔族達、さらには飛んでいた魔族をも、暴風が薙ぎ倒していく。

強い者にも、弱い者にも、等しく死を分け与える嵐が通り過ぎた後には、魔族の中隊の大半が壊滅していた。


これが、準筆頭魔法使いの実力だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ