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改変しました
「あ、あの!準筆頭…!」
会議が終わり、自室に戻って魔法の研究でもしようかと思っていたカインを呼び止める声。
会議に来ていた者は訓練するため、ゆっくりするためなど、自身のことをするべく戻っていったため、会議室、およびその前には殆ど人がいない。
しかし、カインに質問するべく残っていた者がいた。
「どうしましたか?ディネさん?何か用でも?」
呼び止めた声の主であるディネは、声を出そうと口を開くが、閉じる。
「ああ、あとそんなに畏まらなくてもいいですよ。だって、ディネさんは僕より年上じゃないですか」
「…いえ、年下でもあなたは準筆頭ですし…実力で言えば俺よりも強いし…」
「そうですね。けど、そこまでしなくてもいいと思いますよ。僕は普通にカインって呼んで欲しいですしね」
(強いのは認めるのか…まだ幼いのに、その自信は何処から湧いてくるのか…やはり、あの実力からかな)
そんな事を思うディネ。
「で、では…改めて、カインさん。どうしたら、そんな強い魔法を使えるんですか?」
興味と興奮がこもった声から、ずっと気になっていたことのようだ。
「強い魔法、ですか。自分ではそんなにと思ってますが…………そうですね、多分、魔力が多いことが1番大きと思います。他には……自分で作った魔文を使ってるからかな?」
(あれで強くないと思ってるとか、頭大丈夫なのだろうか?そもそも、この人は何を目指しているんだ…地上最強の男か?)
様々なツッコミが浮かんでくるが、それをグッと堪え、大事な事を聞く。
「…魔文を作る?」
「ええ、昨日もちらっと言いましたよね?」
「…離れていたからよく聞こえませんでしたが…」
「そうでしたか………詳しい話は僕の部屋でしましょうか。いろいろ、難しいことがあるのでね」
軽く頷き、肯定するディネ。
その姿を見て、カインはくるりと体の向きを変えて歩き出した。その後をディネはカインの歩幅に合わせるため、ゆっくりとした歩みでついていった。
短いので、今日はもう1話。
7時予定です