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第41話 手の掛かる孫

 「な、な、なんですってぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」


屋敷中にユフィリアの叫び声が響き渡る・・・


「お、落ち着け!!頼むから!!」


ユフィリアがガベルの胸ぐらを両手で掴み詰め寄っていた。


「これが落ち着いていられる訳がないでしょ!!!げ、幻想級魔法よぉぉぉぉ!!!この世界で使われた記録も無いのよ!!そ、それも死者蘇生?!な、何で私も呼んでくれないのよ!!で!どうだったのよ!!え、詠唱は?!現象は?!魔法陣は?!どうだったのよぉぉぉぉ!!早く教えなさいよぉぉぉぉぉぉ!!!」


「だ・・か・・ら・・落ち・・付け・・・」


ガベルは抵抗する事無くカックン、カックンとユフィリアに揺らされていた・・・すると何かを思い付いたようにピタリとユフィリアの動きが止まった・・・


「あっ・・・そうだ・・・」


ユフィリアの表情がいきなり妖艶なものになり目の前のガベルにしなだれ人差し指でガベルの胸にぐりぐりとのの字を書き出した。


「な、なんだ・・急に・・」


「ねぇ・・・ガベルゥゥゥ・・・お願いがあるんだけどぉぉ・・・」


ガベルの頬に冷ややかな汗が伝う・・・


「お、お前・・・まさか・・・とんでもない事考えてないか?!」


「・・・ううん・・大した事じゃ無いわ・・・ただね・・・一回死んでくれない?どうせ生き返るんだからいいでしょ?おねがいだから一回死んでぇぇぇ!!」


ユフィリアの顔が妖艶な顔から鬼の形相に変わり両手でガベルの首を掴み再びカックン、カックンと揺らす。


「・・・し、死ぬ・・・」


「おい!!ゼノアは寝たままなんだぞ?!今死んだら冥界行きだぞ!!はぁ・・・いい加減その夫婦漫才をやめろ。今はそんな事やってる場合じゃないだろう!」


ガベルとユフィリアがピタリと動きを止めて目を逸らし手を離した・・・


「げほっ・・げほっ・・全く・・」


「ふ、ふん・・・ゴルドの癖にまともな事言ってんじゃないわよ・・・ごにょごにょ・・・」



ゴルド達はゲイブルの町に帰って来ると真っ直ぐガベルの屋敷に向かいゼノアを休ませた。そして今後の事を話し合うべくユフィリアも含めて膝を突き合わせていた。


「ふむ・・・あの男・・アルバン・ロディアスと言っていた。何処かで聞いた事があると思ったらあのロディアス商会の元締めの息子だ。今頃血眼になって私達を探しているだろうな。」


ガベルが首を摩りながら口を開く。


「まぁ、おれ達もゼノアの事で頭をが一杯で何も言わずに来ちまったからな・・・大事にならなきゃいいがな・・・」


「はぁ・・・何を呑気な事言ってるのよ?魔法で死んだ人間が生き返ったのよ?大事になるに決まってるじゃない!!もう・・・本当にあんた達だけずるいわ・・・」


ユフィリアは幻想級魔法を見れなかった事が相当悔しくムスッとして胸の前で腕を組む。


コンコン・・・


3人の会話が途切れた絶妙なタイミングでノックの音が響く。3人は同時に扉に振り向く・・・


「ん?・・何だ?」


「旦那様。アルバン・ロディアス様がお見えです。どう致しますか?」


3人は目を細めて顔を見合わせる。


「・・マジか・・もう来やがった・・・」


「・・良いじゃない。大事になる前に向こうから来てくれたのよ。大事になる前に話が出来るわ。」


「ふっ。そうだな・・・よし!セルジュ。応接室に通してくれ。私達もすぐに行く。」


「はい。かしこまりました。」


3人はセルジュの足音が遠ざかるの聞きながらソファの背もたれに身体を預ける。


「ふう・・・本当に・・・手の掛かる孫だぜ・・・」


「ふっ・・ゴルド。そう言いながら顔が笑ってるぞ。」


「ん?あぁ・・・実はよ・・俺はよ嬉しいんだ。あいつは何でも出来ちまう。俺以上に規格外に出来ちまう。だからこんな俺でもゼノアの為に何か出来るのが嬉しいんだ。手の掛かる孫なのが嬉しいんだよ。」


ゴルドはソファに身体を預けながら天井を見上げ心の底から嬉しそうに微笑む。


「ふん・・・あの鋼のゴルドがそんな顔するなんてね・・・ふふっ。・・でも悪くないわ。・・・はぁ・・それじゃあ手の掛かる孫の為に行くわよ。」


「おう!」

「あぁ。」


三人は楽しそうに立ち上がり頷き合うのであった。

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