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これが、上位貴族のやり方だよ。

見栄と誇りが大事なのが貴族ですから。

 ……ほう。

 良い度胸だな、この俺を脅迫するとは。

 俺は視線を鋭くして聞く。


「何が欲しい?」

「……ち、違います。そんなつもりで言った訳じゃ……」

「では、何だ?」

「……る、ルミナスシルクの刺繍入りハンカチが、欲しいんです。」

「……ふ、ふははははは!」


 俺を脅迫するかの様に言っていながら、幼い娘のお願いみたいな顔で言われるとはな。


「良いだろう、ほれ。」

「御要望通り、ルミナスシルクのハンカチで、刺繍はルミナスクラウドだ。」

「……え!?」


 まあ、そういう顔になるよな。

 普通の綿とかのハンカチに刺繍の糸をルミナスシルクを使うという一般用の売れ筋ではなく。

 伯爵以上が、しかも誕生日プレゼント以上の記念日じゃないと買えないルミナスシルクのハンカチに刺繍の糸をルミナスクラウドにした「高級品」だもんな。


「あ、あのディーン様?」

「俺はリーガル侯爵の次期後継者だ。渡す以上は、欲する品以上を渡さないと沽券に関わるからな。」

「……」

「どうした? 何か言う事があるだろう?」

「……ディーン様、ありがとうございます!」

「それで良い。」

「しかし、ディーン様。」

「何だ?」

「私も冒険者ギルドの受付嬢のチーフです。これでは貰い過ぎになりますので、今度、食事を奢らせてください。」

「分かった。それで、何時だ?」

「……明日の午後4時に、如何でしょうか?」

「良いだろう。」

「ありがとうございます。」


 こうして、俺は明日、受付嬢のチーフであるマレナさんとディナーデートをする事になった。


 その後は適当に行き、チーフとの明日のデートに浮かれていたのだろうなぁ。

 漫画やアニメやラノベとかの必殺技を使ってみたり練習したりした。

 因みに、リン達に白い目で見られたりしていない。

 何故なら、内容が「メラゾ○マではないメ○だ。」だったり「月牙天○」だったり、光と風と火の複合魔法で「気円○」だったりしたからな。

 それと、スカ○ター式で、俺の強さを測ったら少なくとも戦闘力150以上はある筈だ。


 さて、気分的にはスッキリした翌日の午後4時前に、冒険者の格好でギルドに到着した。

 勿論、やましい所が無いから、クリス達には言ってある。


「お待たせしました。」

「いいや、待っていない。」


 そして、ギルドの外で待たせていた馬車に乗ると行き先を聞いてみた。


「……レストランよ。」

「よく、昨日、今日で予約が取れたな。」

「今日が私の誕生日だからよ。」

「……それなら、奢りの話は無しだ。ルミナスローズに。」

「はい、畏まりました。」

「……何故?」

「まだ次期だが、侯爵家の者だからな。理由を問わず、相手の女性が誕生日なのにお金を出させるなんてな。リーガル家の誇りに傷が付く。」

「それなら、私は、どうやって返せば良いのかしら?」

「心配するな。充分過ぎるお礼を考えている。」

「……分かったわ。」


 その後、ルミナスローズに寄り、俺もだが、マレナは頭から足先までを既存品だが、ルミナスシルクで固めた状態にし、宝飾店に寄ってからレストランに入ると、個室に案内された。


「もしかして、相手が居たのか?」

「居たら、今日を指定しないわ。」

「それは失礼した。お詫びに、この店の最高級の酒をご馳走しよう。」


 こうして食事を楽しんだ後、マレナは言った。


「それで、お礼は何をすれば良いのかしら?」

「俺の頬か額へのキスでどうだ。冒険者ギルドの受付嬢のチーフからのキスは、幾ら出そうが買えるものではないからな。」

「……全く、貴方という人は。」

「それで、どうする?」

「お礼はきちんと返すわ。」


 そう言うと、マレナは立ち上がり俺の隣に来ると、マレナの唇が触れたのは俺の頬や額でもなく、唇だった。


「私にも、意地や誇りがありますから。」

「お礼、確かに受け取った。後、今着ている服と、身に付けている物は、誕生日の贈り物だ。受け取って欲しい。」

「……え!?」

「これが、上位貴族のやり方だよ。」

「……」

「勿論、何か返さないと、とは思わなくても良い。完全な善意からの誕生日の贈り物だ。」

「……ありがとうございます。」

「お誕生日、おめでとうマレナ。」

「ありがとうございます、ディーン様。」


 こうして、我ながら自画自賛だが上手くやれたと思う。


 そうして、数日が過ぎて留学生のエルフ達12人が来て予定通りに、何故、騎士団達の女子寮なのかを説明して、納得して貰った。

 一応、ダンジョンに潜る時は、同じ女子寮の騎士3人以上を連れて行く様に約束させた。

 まあ、今では騎士団達は、シフトを組んでローテーションしながらダンジョンに潜っているから安心だ。


 それから、更に数日後に冒険者ギルドに行くと、記憶に無い冒険者達が結構大勢居た。

 今や、都市リーガルは、王国に次ぐ人気を誇るからな。

 冒険者が他所(よそ)から来るのは仕方ない事だ。


「ちょっと話したい事がある。」


 今日は、何か面白い依頼は無いかな?


「聞こえていないのか?」

「俺の事か?」


 廻り込まれてやっと、呼んでいたのが俺だと気付いた。

 勿論、わざとだ。

 絶対に面倒臭い事になるからな。


「彼女達を解放するんだ。」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


因みに、あの時のキスは彼女にとっての初めてです。

ディーン、お礼の貰い過ぎ疑惑発生!

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