これで婚約者が8人だね、ディーン。
国王や皇太子でも無いのに……
リン達はエマに冒険者としてのイロハを教えながら、都市リーガルへの帰り道を進んでいた。
その日の野営では、リン達と楽しい会話をしていた。
「そうなんだー。」
「リーナもそう思うよね。」
「確かに、それは酷いです。」
「良かったー。リンさんの同意を得られたわ。」
「しかし、そんな奴も居るんだね?」
「そうよ、ソアラ。」
「でも、ちょっとだけ分かるかも……」
「わ、私も。」
「裏切り者が、此処に2人居たー。」
「ち、違うの、リーナ!」
「そ、そうよ、リーナ。」
因みに、内容は「胸部装甲」についてだ。
今、現在の順位は、ソアラ、ネイ、サレナ、リン、リーナ、エマとなっている。
しかし、ソアラとネイが勝ち組で、残りは正直ドングリの背比べだ。
さて、都市リーガルに帰ったら、色々と改良改善の必要性が増してきたな。
特に、馬車を引く「お馬さん」だ。
ちょっとだけ、オーバーヒート気味だ。
都市に帰ったら、ダンジョンモンスターに外用は全て切り替えようと思う。
普通のお馬さんは、クリス達の外出用にしよう。
当然、御者はダンジョンモンスターで固める。
そんな事を考えながら、移動する中、3日後に都市リーガルに到着した。
「そう言えば、レーナリア王女が、都市リーガルに到着したら読んで欲しいと言われた手紙を渡されていたな。」
とりあえず、部屋着に着替えて、シルヴィアの入れてくれた紅茶で喉を潤してから手紙を読んでみた。
……内容を簡単に言えば、インペリアル王国とレジャーナ小国の友好の為、という建前で、俺とレーナリア王女が婚約する上に、我が屋敷に居候するみたいだ。
しかも、レーナリアの両親、つまり、レジャーナ小国の国王と王妃の許可を取っているらしい。
「はい!?」
「ディーン様?」
しかも、インペリアル王国国王を堕とす「土産」持参だと書いてある。
……そういやぁ、俺達が出発する前の早朝の朝日が昇る前に、何か騒がしかったなぁ。
アレは、そういう事か。
そんな中、扉をノックする音が部屋に響く。
「どうぞ。」
「失礼します。ディーン様、2日前から王宮からの手紙が届いております。」
「分かった。」
内容はまあ、レーナリア王女についてだ。
俺は、「手紙を読んだら直ぐに王宮に来い!」と書かれていたから、シルヴィアに手伝って貰い、準備して王都に向かって出発した。
3日後に、王城に到着すると案内人が来て早速王宮に移動する事になっていた。
そして、王宮の応接室で待っていると、国王と宰相が入って来たのだが、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「早速だが、本題に入る。」
「ディーン殿に確認だが、レジャーナ小国の王女レーナリア殿下との面識は?」
「レジャーナ小国の王宮で、レーナリア王女と『穏やかな』交流していた。」
「何か、具体的な話は?」
「3日前にレーナリア王女からの手紙を読んだばかりで、俺も知らなかったし、ビックリしている。」
「……なるほど。しかし、正式な申し込みであり、リーガル侯爵からは承諾を頂いている。更に、両国の友好の証として、貴重な古代竜の結晶化した眼球を頂いた。これ1つで、虹金貨10枚は下らない。」
「つまり?」
「ディーン殿の意思に関係なく、正式な国の決定事項となりました。ただ、向こうからの意向で『正室』でなくて良いという事です。ディーン殿も、受け入れの準備をお願いします。」
「分かりました。ディーン=フォン=リーガル、レジャーナ小国第3王女レーナリア=フルナ=レジャーナ殿下を妻の1人として受け入れます。」
……コレって、俺ルートでの「英雄、色を好む」的なハーレムストーリーになっていないか?
ゲームの強制力付きで!
まあ救いは、今の所は相手が嫌いなタイプの女性じゃない事ぐらいだな。
「ディーンよ。」
「はい、国王陛下。」
「クリスティーナ嬢に、後ろから刺されんようにな。」
「国王陛下からの御忠告、心に留めておきます。」
……いつか、口撃で100倍返ししてやるからな!
この後、先に帰っていた勇者セリオ達から話を聞いていたのか、色々と質問されたが、全て誤魔化した。
まあ、元々リーガル侯爵家には優秀な「暗部」が居るし、俺が「ルミナスシリーズ」で、荒稼ぎしているからな。
それで押し切った。
とんぼ返りで、我が屋敷に帰ってクリス達に説明した。
「これで婚約者が8人だね、ディーン。」
「そうね。私、リーラ、ディア、ソフィア、フェリ、ヴィクトリア、ユーリに、そして、レーナリアの8人ね。」
「後、3人よ、ディーン君。」
「ソフィア?」
「こうなったら、王国の歴史上最多の10人以上を目指しましょう。」
「私も賛成。私を蔑ろにしないのなら、ね。」
「私も賛成よ。」
「私も。」
「私もだ。」
「私も入るの?」
順番に、リーラ、ディア、フェリ、ヴィクトリア、ユーリの発言だが、本当に良いのか?
クリス達全員が頷いた。
……大切にしよう。
夜の夫婦の時間中の盛り上がった所で、口移しで毒薬なんぞ飲みたくないし、俺の上で踊って後ろに身体を反らして身体を戻したらナイフを握っていたなんて嫌だしな。
そうして、受け入れ準備に王都と都市リーガルの間を大奔走して1ヶ月後に、王宮で関係者を揃えて、レーナリア王女との婚約式となった。
因みに、事情を知らない貴族達には、レーナリア王女は「人質」だと思われている。
まあ当然だよな。
それでも、レーナリア王女は……
「レーナリア=フルナ=レジャーナは、ディーン=フォン=リーガルに祖国から嫁ぐ事になりました。ディーン様、幾久しくよろしくお願いいたします。」
レーナリアは、笑顔でそう言った。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
なろうの深い読者なら、レーナリア王女の「祖国」という言い回しの意味が分かると思います。




